コラム

従業員の採用も定着も経営理念の浸透が最善策

従業員の採用も定着も経営理念の浸透が最善策

採用は究極の営業活動

私たちはよくクライアントとの打ち合わせの現場で「採用は、究極の営業活動」と言っています。 例えば新卒採用でいえば、学生は約70,80社にエントリーし、その上で興味を持った約30社の説明会に参加して複数回の選考を経て内定を数社獲得します。企業としては採用に至るためにその数社の中で一番興味を持ってもらい、相思相愛の状態を作らなければなりません。 当たり前ですが優秀な人材であればあるほど競合は多く、何とか自社に採用したいというライバル企業も多くなります。学生は会社を代表するといえる人事担当者の魅力、働いている社員の表情、キャリアステップなどをはじめ、ありとあらゆる側面を複合して運命の1社を決めます。 いくら会話が弾んでも契約までいかなければ意味をなさない営業と同じで、「この会社に決めた!」と学生に最終決定までもっていかなければ全てが水の泡となるのです。 ですから本来、採用担当にはトップセールスと同じくらいの最高のハイパフォーマーを置かないといけないのです。こちらが魅力的な人物でなければ、魅力的な人材の気持ちを動かすことはできません。とはいえ企業にとって、トップセールスや前線で活躍している人材を人事に抜擢し、採用活動に専念させるのはとても難しいことだと推察されます。 営業をさせていればトップの成績をたたき出す人材を、バックオフィス業務と言われる売り上げに直結しない部署である人事に配置するのですから、経営者は相当な覚悟が必要です。 ただ、それくらい採用活動が重要でありそこに関わるメンバーは営業と同じ気持ちで、この人材をクロージングして自社に決めてもらうという強い気持ちと人間的魅力がないと真の採用成功は遠のいてしまうのです。 抜擢する人材が今はなかなかおらず、優秀な人材は顧客接点の多い役割に回したいという考え方も分かります。そうせざるを得ない中小企業はトップ自らが採用に取り組むべきです。理念やビジョンをもっとも熱く語ることができるのが社長です。理念を伝え、会社の社会的意義を理解してもらうことが採用の重要ポイントである時代にあって、社長の言動=理念であり、採用の現場に登場しないのでは、いい採用ができるはずがありません。社長こそが最高のハイパフォーマーです。 銀行の融資を受けることや新規出店の土地を見に行くことと同じくらいに学生との説明会や面接は大切です。それを片手間に考えている会社に採用成功はないし、会社の起爆剤となる人材採用はかなり困難であると言えます。採用に敗因があるとすれば、その第一はトップが本気で取り組んでいないことだと言えるのではないでしょうか。

採用活動は既存社員への理念浸透の場

会社の規模が大きくなると、既存社員の理念共感やビジョンが伝わっていないなど帰属意識が薄まってきたという経営者の方の悩みを耳にします。理念採用をし、理念共感して相思相愛で入社するという入口管理をしっかり行った人材であるのに、いつしか理念共感が希薄になってしまうのはとても悲しい話です。 理念採用した後も重要なのは、継続的な理念浸透と理想と現実のギャップを埋める仕組みです。せっかく会社の理念に共感した人材でもこうした仕組みがなければ理念共感が薄まり、結果的には離職に繋がってしまう恐れもあります。

ギャップを埋めるために企業がとるべき改善策

そんなギャップを埋める仕組みとして大きな役割を担うのが未来の人材を採用する活動で、既存社員に理念を再度浸透させる重要な機会となります。その理由は大きく2つあります。 1、自分の入社時や新人時代を思い出す良いきっかけとなる 採用活動を通して学生や求職者と触れ合い、「志望動機」「入社理由」「目標」「この会社で叶えたい夢」など、とても前向きでポジティブな意見と出会うこととなります。日々業務に忙殺されていたり、やりがいや楽しさを忘れたりしていた社員も、未来の仲間を集める採用活動に定期的に臨むことで初心に還り、新鮮な気持ちを取り戻すことが可能です。 2、経営者や幹部のビジョンをあらためて共有する 経営方針発表会や定期的な会議などで経営者が理念やビジョン、今後の方向性などを定期的に話している会社はよいのですが、社長もまた日々の業務や日々の課題や問題に追われ、社員にビジョンや想いを語ることが減っている経営者も少なくありません。採用の説明会や面接は、いわば求職者を口説く、ファンにする活動ですから、自社の最大の魅力であるビジネスモデルや人材の魅力も話し、経営者からは理念やビジョンを全力で話すことでしょう。これを未来の求職者だけに聞いてもらうのはとてももったいないです。せっかくであれば既存社員を定期的に巻き込んで学生や求職者に訴求しながら既存社員への再理念浸透としての場所として活用することがとても効果的です。 これらの施策を駆使することで採用活動が既存社員の経営理念の浸透にも繋がります。