コラム

企業を勝利に導くためには

企業を勝利に導くためには

●エンゲージメントは企業の業績に連動する

「エンゲージメントが大切なのはわかるけど、業績が良くなるとか、根拠あるの?」
経営者の方から、こう聞かれることがあります。
やはり社長が気にするのは、売上や業績や利益だったりします。当たり前です。ただ、実際にエンゲージメントは組織の成果を高めるに当たって良い影響をもたらすことが科学的にも検証されています。
図はエンゲージメントが企業の業績にどんなインパクトを与えるかを外資のコンサルティング会社ギャラップ社が調査した結果です。エンゲージメントが高い上位25%の企業と下位25%の企業を比較したデータです。

エンゲージメントの高いチームは低いチームより、収益性が22%、生産性は21%、顧客満足度10%も上回るという結果が出ています。一方で、離職率は大幅に低く、事故や品質の欠陥も少なく、欠勤も少ないという相関が明らかになっています。
一方エンゲージメントが低い下位25%は、離職が高く、品質の欠陥が多く、生産性、収益性も低いというデータが出ました。エンゲージメントは業績にとても大きなインパクトを与えるということが分かったのです。

●スポーツの世界に共通する勝利に導くもの

例えばスポーツのチームもビジネスと通じ合うものがあるのではないでしょうか。
北見・常呂の女子カーリングチーム、ロコ・ソラーレ(LS北見)の平昌オリンピックでの活躍は連日報道されました。カーリングという独特な競技であることも手伝って、勝敗の行方もですが、それ以上に彼女たちのチームの結束力に多くの人は目をひかれたと思います。
また2018年の流行語大賞にもなった「そだねー」。それは、まさに組織におけるメンバーからメンバーへの「承認」「称賛」に他ならないのをお気づきだったでしょうか。そしてプレー中も
カーリングは技術力とともに戦術すなわち展開される場面ごとの戦い方の意思決定と、それに向かうチームワークすなわち合意形成が何よりも重要なコミュニケーションスポーツだといえます。試合中の「そだねー」と休憩時の「もぐもぐタイム」は、それを具体化する機能を備えたコミュニケーション・ツールであると言うべきものです。
ではエンゲージメントの観点ではどうでしょう。
LS北見の創設者で、平昌が3度目のオリンピックとなる本橋麻里さんは、自らは控えに回りました。司令塔となるスキップに呼んだのが地元の後輩、藤澤五月さんでした。藤澤さんは中部電力のカーリング部から移ったのです。藤澤さんはこのとき、より困難な道を選んだのかもしれませんが、それだけにチームに対する強い意志があったのだろうと想像できます。チームの方向性と個人の方向性が連動していることがエンゲージメントです。地元チームでオリンピックに出てメダルを取るというのが全体の目標だったと思います。それをこのメンバーで達成したいという個々人の目標とが連動し、勝つ一つの要因となったといえるでしょう。スポーツの世界でも戦力の足し算が全てではなく、目的が連動していることが勝因なんだろうと思います。
私自身が北海道の高校球児だったこともあり、2018年秋田県勢103年ぶりの決勝進出を果たした秋田県代表、金足農業高校にはとても注目しました。現在の高校野球事情でいうと中学校に在学した都道府県から、遠方の都道府県の学校へ越境入学する例が増えています。
様々な高校で大阪、神奈川などの激戦区から他地区の高校へ入学する野球留学しているというケースは多く見られます。夏の甲子園は特に都道府県の代表として1校(東京、北海道除く)出るので、郷土色や地元を応援することも一つの甲子園の醍醐味だったりするのですが、甲子園に出場した高校の選手が地元以外の出身者ばかりだとか、東北なのに関西弁を喋ってるだとか、賛否の声も聞かれます。ただ秋田の金足農業の吉田輝星選手は、いろいろなチームから誘いがあったけれど、断って、地元の中学時代のチームのメンバーがいる金足農業を選んだのです。この仲間と甲子園に行きたい。チームの目標と個人の目標が連動して大きな成果をもたらしました。
個人の能力が高くても方向性がバラバラなチームよりも、チームの目標と個人の目標が連動していると、より大きな強さを発揮するといえるのではないでしょうか。特に今の子たちは漫画ワンピースの世界観のように、一人ひとりは欠点や不足があるかもしれないけれど、そういうデコボコメンバーが一つの目標を追うことに喜びがあり、勝利をつかむという考え方が間違いなくあるのだと思います。
少し前の話になりますが、北国の北海道は甲子園では勝てないと言われながら、駒澤苫小牧が2連覇しました。3連覇は斎藤佑樹選手率いる早稲田実業に負けてしまい準優勝となりましたが、あのチームワークの良さと強さは伝説的でした。
駒澤苫小牧で有名なのが、エンジンを組んだ時のナンバー1ポーズ。全員が人差し指を天に向けて掲げ、自分たちが必ずナンバー1(日本一のチーム)になるんだと常日頃から練習から、いい続けていた話は有名な話しです。やはりスポーツの世界でも同じように、チームのめざすべき姿、方向性、ビジョンをチームで深く共有し、エンゲージメントとなってこそ勝利はもぎ取れるのが、彼らが証明をしてくれています。