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コンピテンシー面接とは?質問例や導入、活用方法を紹介

コンピテンシー面接とは?質問例や導入、活用方法を紹介

より活躍できる人材を採用するべく、採用面接に「コンピテンシー面接」を取り入れる企業や自治体が増えています。
限られた時間の中で自社の業務に合った人材かどうかを見極めなければならない面接に、「コンピテンシー面接」は適しています。
今回は、そのコンピテンシー面接の質問例や導入方法について紹介します。

コンピテンシーとは?

コンピテンシーとは、仕事で実績を出す人に共通する行動特性のことです。

例えば、商品に対する深い知識を持つAさんと、知識は少ないもののAさんと同じ商品を格段に多く販売しているBさんを比較してみます。
Aさんが、顧客に対して、データに基づいた詳しい商品説明を行っているのに対し、Bさんは商品説明よりも、導入後の連携や相手の会社の考え方を掘り下げ、共感していることが分かりました。
このとき、Bさんのコンピテンシーである対人スキルをほかのメンバーと共有することで、チームとして営業成績を上げることが可能になります。
Bさんの行動を、どれぐらい達成できているかの評価基準にすることもできます。
こうした評価の方法を「コンピテンシー評価」と言います。

コンピテンシー面接・評価の重要性

資格試験などを用いれば知識や技能がどれぐらいあるかは視覚化できますが、その人の性格や思考、価値観などは一見して分かるものではありません。
しかし、この目に見えにくい特徴こそが、仕事で実績を出せるかどうかに深く関わっている、ということが分かっています。

日本では、社歴が長い人ほど待遇や給与が上がる「年功序列制」が長らく常識となっていますが、バブル経済の崩壊や少子高齢化による生産年齢人口の減少により、多額の賃金を必要とする高齢の社員が増えたことで、「年功序列制」を維持することは困難になりました。
優秀な人材の確保や、離職の防止、生産年齢人口の高齢化に対応するためにも、社員のモチベーションを上げる新しい制度が必要となり、「成果主義」が導入されるようになったという背景があります。
「成果主義」では、成果を測る物差しが重要であるため、コンピテンシーは、その評価の基準として取り入れられています。

コンピテンシー面接の質問例

コンピテンシーによる評価は、企業が必要としているコンピテンシーの基準が明確な場合、それに合った人物を採用することで入社後に活躍できるであろう人材を獲得できる為、人事評価や能力開発、研修などに使われるほか、採用面接の場でも有効です。
面接は、採用する面接官によって評価のばらつきが出やすい点が問題ですが、コンピテンシーを基準にして評価すると、複数の面接官によるばらつきを抑えることができます。
例えば、学生時代にボランティアのリーダーとして活動したことが履歴書に記されていたとします。

履歴書を見ただけでは、「ボランティアを行ったこと」「リーダーとなったこと」という事実しか分かりません。
以前であれば「リーダーシップを発揮できる人物だ」と捉えられて終わりだったかもしれませんが、これではどのようなコンピテンシーを持っているか、理解することができません。
「そのボランティア活動において、あなたはどのような成果を上げましたか」「成果を上げるために工夫したことは何ですか」「リーダーとして人々をまとめるときに何に気を付けましたか」などと、質問を重ねていくことでコンピテンシーが見えてきます。
「自ら積極的に立候補し、さまざまな工夫をこなして大きな成果を上げた」のと、「周囲から推薦されてリーダーになったものの、特に工夫はせず前例を踏襲してこなしただけ」なのでは大きく異なります。

質問をする中で、会社や業務に求められているコンピテンシーに合った行動や思考がとれているかを判断すれば、採用した社員が適した場で活躍することができ、離職を防止することにもつながります。
コンピテンシーは短期間で形成されるものではなく、幼少期からの習慣や生活環境により培われていったもので、簡単に変わるものではない為、コンピテンシーを採用に取り入れて評価することには大きなメリットがあります。

コンピテンシー面接の導入方法

コンピテンシー面接を行う際には、

  • 自社に必要なコンピテンシーモデルの明確化
  • 相手のコンピテンシーを確実に把握できるような質問スキル

が必要です。

具体的には、以下のような流れで導入を進めていきましょう。

1.コンピテンシーモデルの定義

求めるコンピテンシーは社内で実績を上げている従業員をモデルにして導き出すとよいでしょう。
「こんな人材と一緒に働きたい」と思うような、仕事のできる人物を数人ピックアップして評価基準に落とし込んでいきます。
この基準作りは判断の軸となるため、とても重要です。

2.コンピテンシーに当てはまるかを見極める質問、面接方法を定める

コンピテンシーモデルが定義できたあとは、面接で見極めるための質問項目を用意しましょう。
全員一律の進め方は難しいと思われるため、いくつかの質問で深掘りを行いながら進めていく事が基本です。
面接官はさまざまな事柄について質問するのではなく、1つのエピソードにしぼって深く掘り下げていくような方法を意識しましょう。

3.面接の評価基準の策定、面接官の育成

コンピテンシー面接では、面接官によって評価の基準がぶれないように5つのレベルで評価を行います。

  • レベル1の「受動行動」:人からの指示を受けて行った行動
  • レベル2の「通常行動」:やるべきことをやるべきときに行う、普通ならするであろうと考えられる行動
  • レベル3の「能動行動」:何かしらの意図や判断基準において自ら決定し、複数の選択肢から行動を選べる状態
  • レベル4の「創造行動」:創意工夫を行い、試行錯誤を通して成果を上げることができる行動
  • レベル5の「パラダイム転換行動」:周囲にとっても望ましい状況をゼロから作り出せる行動

の5レベルです。

上記のように、コンピテンシーと対応して5段階で評価できるよう、評価基準を策定するとともに、面接官によって評価のブレを軽減できるよう、上記を周知するなど育成を行いましょう。

採用と合わせて従業員が活躍できる環境を整備していこう

今回は、コンピテンシー面接の質問例や導入方法について紹介しました。
コンピテンシー面接は、採用する人物の入社後の姿をより具体的にイメージし、マッチした人材を採用できる方法です。
また、経営者・人事は、入社した後に新入社員が活躍できるよう、職場環境を整備していく必要がありますので、採用と従業員への支援を両方行う事で会社を成長させていきましょう。

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