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エンパワーメントとは?個人や組織の能力・成果を最大化する方法を紹介

エンパワーメントとは?個人や組織の能力・成果を最大化する方法を紹介

どこの業界でも人材は不足しており、組織は今までよりも個人の力に頼らざるを得ない状況です。
個人の能力を強化する教育は組織にとって急務といえるでしょう。
個人や集団の潜在能力を引き出すアプローチとして「エンパワーメント」があります。
今回はエンパワーメントの概要を説明し、そのメリットや注意点などについて紹介します。

エンパワーメントとは?

エンパワーメントの由来は「empower」からきており、力や権限を与える意味を持ちます。
これをビジネスで考えると、今まで上司が持っていた権限を部下に与える「権限委譲」が当てはまるでしょう。
個人それぞれに権限を持たせることで自立性を促し、組織全体の生産性を高めることがエンパワーメントの目的です。
また、エンパワーメントは能力開花の側面もあります。
すべての社員は潜在的な能力を秘めていると仮定し、その力を引き出そうというのが基本的な考え方です。

エンパワーメントのメリット

エンパワーメントには様々なメリットがあります。
まず挙げられるのは、主体的に行動する社員が増えることです。
上司が全てを決定するわけではなく権限を部下に委譲しますので、それぞれが考えて行動しなくてはならない場面が増えます。
当事者意識が強まることで責任感を持った仕事ができるようになり、リーダーシップの向上やマネジメントスキルの習得も期待できます。
社員一人一人が自主的に考えてアクションを起こせるようになれば、企業の競争力は自然と高まっていきます。

仕事を任されることで仕事に対するモチベーションがアップするのもエンパワーメントの大きなメリットです。
がちがちに管理される仕事よりも、自分で考えて行う仕事の方が人はやりがいを感じます。
自分自身で工夫した取り組みで結果が出れば、自信へと繋がりますます仕事に対する意欲が増していくでしょう。
エンパワーメントによって上司の負担が減るのも見逃せないポイントです。
上司があらゆる業務の意思決定や確認を行っていると、時間がいくらあっても足りません。
権限を部下にある程度委譲することで、上司はより重要度の高い仕事に注力できる環境になります。

エンパワーメントの注意点

エンパワーメントは社員が自らの判断で仕事を進められるのがメリットと説明しました。
しかし、それは裏を返すと判断基準がバラバラになり、各々で目的がずれるリスクにも繋がります。
品質を重視したり、スピードに特化したりと個人によってやり方に違いがでると現場は混乱してしまうでしょう。
判断基準は事業方針に沿った内容で、明確にしておくことが大切です。

場合によっては生産性が逆に落ちてしまうのも、エンパワーメントの注意点といえます。
組織のなかには言われたとおりに仕事をこなすのが得意な人材もたくさんいるでしょう。
そういった人材にマネジメントスキルが必要な業務をいきなり任せてしまうとパフォーマンスが低下する可能性が高いです。
エンパワーメントを行うためには適材適所の見極め、段階的に導入するなどの工夫が必要です。

エンパワーメントの失敗するケースとその原因

エンパワーメントが失敗する典型的なパターンがいくつかあります。

よくあるのは、上司の権限を部下に丸投げしてしまうことです。
権限と同時に責任まで投げてしまう上司がいますが、権限に対する責任はあくまで委譲した上司にあると考えなくてはならないでしょう。
権限に伴う責任まで背負わせてしまうと部下はプレッシャーを感じてしまい、積極的な行動が取れなくなります。
上司は権限を委譲したあとも、放置するのではなく進捗確認やアドバイスなどを随時行うべきです。
部下の決定は尊重しつつ、しっかりとフォローできる体制を整えておかなくてはなりません。

権限委譲といっておきながら部下に介入しすぎてしまうケースもときおりみられます。
経験のある上司ほど、部下にはあれこれとアドバイスをしたくなってしまうものです。
しかし、言っていることが間違っていなかったとしても委譲された部下からすると、モチベーションは下がってしまうでしょう。
仕事を任せた以上、必要以上の関与は慎んだ方がお互いにとって仕事を進めやすいです。

緊急を要する仕事や難易度が高すぎる仕事を部下に権限委譲するのも失敗の元です。
部下に自己判断をさせるということは、多少のミスは想定内であるべきです。
上手くいかなかったとしても経験として今後に活かすような展開が理想ですが、少しの失敗で大きな損失が発生する仕事ではそのようなことは言っていられません。
適切ではない仕事を委譲するとエンパワーメントは機能しないでしょう。

エンパワーメントを実施する際のポイント

エンパワーメントを実施するのであれば、まずその定義を明確にするようにしましょう。
エンパワーメントの

  • 目的
  • 基本的な方針
  • どこまでの範囲で業務を委譲するのか

など、上司から部下に対して詳しく説明することが欠かせません。

お互いの認識合わせができたうえでエンパワーメントはスタートするようにしてください。
エンパワーメントのルールが曖昧になってしまうと、社員が勝手な判断をする可能性が高まることになります。
エンパワーメントで部下に仕事を委譲する際にはその仕事が会社にとってどのような位置づけなのかを示すことが大事です。
仕事の目的やゴールをしっかり共有しておけば、部下が自ら考えて判断するときにブレにくくなります。

エンパワーメントは育成の観点もありますので、ゴールの設定は現状の力よりも少し上のストレッチゴールを意識するのが望ましいです。
また、権限委譲するときにはその社員の強みにあっているかどうかをよく検討しておくとよいでしょう。
上司はスキルや意欲などをしっかりと把握することが求められます。

社員を信用し支える体制があればエンパワーメントは成功する

エンパワーメントはスピードや対応力が必要になる現代のビジネスに適した考え方です。
ただし、委譲自体が目的になってしまい業務に伴う責任までを上司から部下に投げてしまうと、組織全体の生産性はむしろ下がってしまうでしょう。
エンパワーメントは社員に対して十分な支援を用意したうえで、可能性を信じて任せるスタンスが大切です。
管理職やリーダーは部下を引っ張ることに特化しがちですが、今後は社員それぞれのアシスト役に回ることも意識するようにしましょう。
また、エンパワーメントを機能させるには、個人が自立し、能力を存分に発揮できる人事評価制度を用意することも忘れてはいけません。

従業員が定着・活躍できる組織を作ろう

今回は、エンパワーメントの概要を説明し、そのメリットや注意点などについて紹介しました。
従業員が定着・活躍できる組織を作るために、自社の従業員の特徴や強みをしっかりと把握し、それぞれがやりがいを持って仕事を行えるよう、人員配置や教育、社内制度を通じた支援を行いましょう。

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