60~70代が積極的に活用中。「ダメ出し文化」を変えるため 理念浸透、感謝・承認・称賛など様々な方向からアプローチ。

株式会社ボイス
株式会社ボイス
業種
総合ビルメンテナンス事業
従業員数
110名

代表取締役 / 的場 彩香 様

総合ビルメンテナンス事業を展開している株式会社ボイス。今回は、THANKS GIFTについて、代表取締役である的場様にお話を伺いました。

 

 

コミュニケーション活性化・部署間連携、さらに理念が「合言葉」として使われるために

-初めに、導入前に感じていた課題や背景について、お聞かせ下さい。

的場 様:
ここ3~4年ほどで営業地域が増えて、環境が変化したという背景があります。それまでは東北から関東の現場が中心でしたが、北海道や関西、福岡などでの仕事が増えていました。社員が外出していることが多くなったことによって、対面でコミュニケーションをとる機会が減少してしまったのです。
さらに、新型コロナウイルスの影響により、社員旅行や懇親会、研修が激減。異なる部署・部門と顔を合わすことも無くなっていました。

加えて、部署間で対立構造がみられるという課題もありました。「よそはよそ」的な考え方があり、部門を超えた協力体制を整えなければならないと危機感を感じていました。

このようなことから、ここ3年の「社長方針」では「対立構造を超えた共感」「自立と協力」「チームワーク」と、協力姿勢を持つような方針を設定しました。しかし、浸透は難しく、なかなか自分事と捉えてもらえません。
浸透させるには、アプローチ方法を変えていくべきだと思い、模索していました。

 

-コミュニケーション面だけでなく、理念浸透にも課題感はありましたか。

的場 様:
そうですね。理念浸透も一つの課題として考えていました。

弊社には、経営理念や社訓、行動指針などの経営コンセプトが書かれている冊子があり、入社時に私が冊子を使いながら話をしたり、社員同士で読み合わせを行ったりして、「誰でも必ず一度は理念について触れたことがある」状態にしています。

しかし、「理念浸透は長い道のりになりそうだ」と感じた出来事がありました。私を含めて社員とグループワークを行ったとき、「初めて聞いた」「そういう意味だったのか」という反応をされることもあったのです。理念について理解を深めるには、日常に組み込めるアプローチが大切なのだと気付かされました。

技術や知識は、足りなくても後から高めることができます。しかし、目的や目標は同じ方向でなければ組織は上手く回りません。理念が、日常的に使える「合言葉」のようになるためには、新たな方法を考える必要がありました。

 

 

「ダメだし文化」を変えるため普段見えづらい「個人の頑張り」を可視化

-では、THANKS GIFTの導入の決め手についてお聞かせ下さい。

的場 様:
一番惹かれた部分は、理念に結び付けてコインを送ることができる点ですね。「理念」というと構えてしまいがちですが、THANKS GIFTではコインに紐付けられることに魅力を感じました。コインを選ぶ方はもちろん、もらった方もコインをきっかけにして理念を思い出せるのも良いと思いました。

また、「ありがとう」をカジュアルに伝え合うことができる点も魅力でした。感謝を伝える取り組みもいくつか行ってきましたが、これもなかなか難しい。これは、私たちの業務の特性も関係していると考えています。

私たちが行っている「清掃」というサービスは、「綺麗にしていることが当たり前」で「綺麗でなければ指摘される」という特徴があります。作業した時点からどんどん劣化していくという性質も相まって、努力が見えづらくもあります。
そのため、点検や現場管理をしている総合職の社員にも「指摘して当たり前」という意識があるのではないでしょうか。いわゆる「ダメ出し文化」というものが構築されていたのです。

THANKS GIFTを導入したことで、個人の頑張りが見える化し、形に残せるようになりました。代表の私自身も社員たちの努力のおかげで、普段クレームや事故が起きていないということを改めて認識することもできるようになりましたね。

 

 

役職・年齢関係ないコミュニケーションを生むために様々な施策を実施

-実際に導入する際、工夫した点などがあればお聞かせ下さい。

的場 様:
まずはコイン利用促進のため、「ポイントアップWEEK」を行いました。通常の1ポイントは2ポイントに、社長方針の「チームワーク」は5ポイントに設定し、それに加え、頑張っている人に100ポイントが付与される「社長コイン」も設定しました。

「ニュース」機能では、新入社員の「おすすめ紹介リレー」を行いました。コロナ禍に入社した新入社員は、同じ部門でも顔を合わせる機会が少なかったため、人柄がわかるような内容を取り入れ、とても興味深いものになりました。
このおかげで同じ趣味の人が見つかったり、会話のちょっとしたきっかけになったりした社員もいるようです。

 

-導入にあたって苦労した点はありましたか。

的場 様:
「触ってみたら面白いから自発的に使うようになる」ということを期待して、あえて指示を出しませんでした。トップダウンで決めてしまうと、堅苦しい印象になってしまうという懸念もあったからです。
しかし、社員からは「ルールを決めてほしい」「先輩や上司にはどのくらい砕けていいか悩む」という声がありました。THANKS GIFTが浸透するうちに、そのような声は無くなっていきましたが、初めに導入目的をはっきりと説明すべきでしたね。
率先して楽しんでくれる人もいましたが、やはり目的がわからないと戸惑うものなのだと感じました。

また、環境整備にも時間がかかりました。弊社には、「マイスター」という長年活躍していた70代以上のスペシャリストが4名ほど在籍しています。そのなかで、スマホを持ったことがない方もいたのです。
少し時間はかかりましたが、シンプルな操作性のおかげで「難しくて使えない」といった声はありませんでした。今では、皆さん積極的に使ってくれており、社員を牽引してくれるまでになっています。

 

-年配の社員さんを巻き込んでいくことが課題になることもありますが、上手くいった要因についてお聞かせ下さい。

的場 様:
弊社にはもともと「走りながら考える」という組織体勢があったからだと思います。業界にある職人気質な部分は守りつつ、生産性向上のために新しいものを取り入れていく姿勢を取っています。

10年以上前ですが、ノートパソコンの導入を決断した際に、大きな反対があったことを覚えています。現場で活躍している方たちは60~70代が多く、「入力をしたことがない」「できない」といった声が出てきました。
しかし、将来を見据えて環境を整えていくことが重要であると考え、基礎的なところから実用的な使い方まで繰り返し教育しました。このように「走りながら考え、ブラッシュアップする」という弊社のカルチャーに、THANKS GIFTがうまくフィットしたのだと思います。

 

 

カジュアルな交流で「人となり」が見えるようになり、採用面接時にも良い効果が。

-THANKS GIFTを導入して感じた変化についてお聞かせ下さい。

的場 様:
これは数値化しづらい部分なので難しいですが、着実に向上していると実感しています。

業務連絡は別のツールを使っているのですが、「業務連絡のみ」になっていて仕事以外の話をする場がありませんでした。THANKS GIFTでは、カジュアルな雰囲気で交流したり皆で喜び合えるようになったため、より「人」が見えるようになりました。

また、採用面接の時に紹介すると良い反応をもらえます。実際の画面を見せると、「こういう取り組み良いですね」といった反応が貰えるのは導入したからこそです。

-最後に、今後の課題などがあればお聞かせ下さい。

的場 様:
今後は、ログインが少ない社員に対しても、利用を促すアプローチをする必要があると感じています。ポイントが少なくても交換できる景品などを独自に用意したり、よく利用してくれた社員と部門を表彰したりするなど、アピールポイントを増やしていきたいです。

-本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!