「全従業員の物心両面の幸福追求」のために。
理念の浸透とパーパス(存在意義)を見出すための独自施策、THANKS GIFT活用方法とは。

株式会社kainalu
株式会社kainalu
業種
医療事業、介護事業、リサイクル事業、コンサルティング事業、葬祭事業
従業員数
60名

ゼネラルマネージャー / 鳥羽 僚介 様

医療介護事業の展開や丁寧な社員教育や、充実した福利厚生などを通じて社会に貢献している株式会社kainalu。今回は、THANKS GIFT導入のきっかけや浸透させる工夫について、ゼネラルマネージャーである鳥羽様にお話を伺いました。

 

 

日頃から「ありがとう」に触れる機会を。承認・賞賛が得られるマインド作りのために導入を決断

-THANKS GIFT導入の目的について教えてください。

鳥羽 様:
医療介護の業界では、人間関係のトラブルがどうしても多いんです。
ポジティブなコミュニケーションよりもネガティブなコミュケーションが飛び交うと組織が幼くなりやすく建設的な意見が生まれせん。
なので、組織の文化を形成するにあたって、建設的な意見や、承認・称賛が得られるマインドを作り出したいと考えていました。しかし、上層部からの命令でマインドを作っても意味がありません。そのため、自然に「ありがとう」に触れる機会が得られたり、「行動指針に沿っているとこの会社では認められるぞ」と思えたりするような空気を作ることを目的としていました。

また、行動指針やビジョンは、私が入社時には確立されていなかったため、経営に関わり始めてから作成しました。まずはパーパス(注1)のマネジメントができそうな社員を10名ほど選び、行動指針・ビジョンにもとづく行動などの教育から始めていきましたね。

※(注1)パーパス=存在意義

 

-行動指針やビジョンを創り出す際に行ったことについて、もう少し詳しくお聞かせください。

鳥羽 様:
教育・行動指針・承認称賛などは手段でしかないため、目的をはっきりさせておくことが大切だと考えています。管理職には「マズローの欲求5段階説」にもとづき、「誰が」「どの欲求段階にいて」「何を満たせば自己肯定感を得て、他人を承認称賛する余裕が生まれるか」を落とし込んでいます。

また、弊社はさまざまな職種の方が在籍しているため、昇進の仕方もそれぞれ異なります。誰もが同じように働けば昇進するのではなく、自身で考えて役割を見つけ出すことが昇進につながっていきます。しかし、昇進へつなげるためには「学びの場」が必要です。そこで、弊社では独自のパーパスクールを開催しています。性格分析や年齢などから分類したクラス分けで、それぞれに対し効果的な教育を行っています。

※3つのパーパススクール
①看護職のパート×看護職の管理職のクラス②若手社員のクラス③年齢が上の社員のクラス

 

組織作りのポイントはもう一つあり、プロジェクトを行う際も日々の仕事もチーム制を導入していることです。単なるチームではなく性格分析から性質が似ている人材を集めてチームメンバーを選定しています。

こうすることによってチーム内で意図的な等質性を生み出すことによる心理的安全性の確保と同時に、チーム間で多様性を担保する仕組み作りをしています。

 

-様々な側面から組織に対してアプローチしていると感じたんですが、採用面でのポイントなどあるんでしょうか?

採用面でも力を入れています。独自で作成した評価規準、心理テスト、性格分析などを使い、その個人の性格分析を元に「この子はどのチームに所属すれば幸せに働くことができるか」まで考えて採用しています。

上記のような努力もあり、「弊社が雇った人材なのだから、いい人材だろう」という従業員からの評価や文化までできているように感じます。

‐新しいことを取り入れるにあたってのアレルギー反応は無かったのでしょうか。

鳥羽 様:
最初は勿論ありました。どんな文化の組織も基本的には2:6:2で構成されています。ただここで重要なのはその割合を無理に変えようとするのではなく、それぞれの声の大きさを変えることだと考えているんですよね。
2割の人々がやっている「変化を求めるということ」はとても素晴らしいことなんだよという文化を意図的に浸透させ、いわゆる無関心といわれる6割の人々が、変化を求める2割の人々を称賛をするような形を作り出したことが大きなポイントだと考えています。

-行動指針はどのように作られたのでしょうか。
鳥羽 様:
私は、他社の行動指針を見る癖をつけています。そのなかで、「これ良いな」と思ったものを取り入れたり、現状の組織課題に応じたモノを含めるようにしています。

文化とは、自然にできるものではありません。誰かが意図をもって作らないと、文化は形成されないのです。そのため、弊社従業員に意図を持たせることをポイントとしています。
意図を持った文化のなかで、存在意義を見出すようなマネジメントを行える教育を行っています。
例えば、プロジェクトチームへの巻き込みが難しい社員がいて、本人が悩んでいた場合、プロジェクトチームを組んで「なぜ、巻き込みが難しいのか」を考えます。人をマネジメントするには、「HOW」ではなく「WHY」で追及していくのが大切だと考えています。

 

 

コインのデザイン・運用方法を工夫。日々の感謝称賛に意味を持たせ、行動指針の浸透へ。

-ありがとうございます。とても参考になりました!では、THANKS GIFTのお話に移らせていただきます。実際のコインはどのように運用されているのでしょうか。

鳥羽 様:
弊社はコインのデザインから、文化の仕組みづくりに取り入れています。行動指針の頭文字を入れ、「このコイン何だっけ」と行動指針の説明を見ないと送れないようにしています。イラストだと一目見てわかってしまうので、こうはいかないですよね。
「このコインであっているかな」と小さな不安を持ちながら送り、「ありがとう」で返ってくるとより大きな承認が得られた実感がわくと思います。

 

また、「OODAループ」(注2)というコインを運用しています。「PDCAサイクル」はよく耳にしますが、「このサイクルでは、結果通りにいかなかった場合の行動が遅くなるのでは」と常に考えていました。そのため、普段から仮説立てていくのが大切であると考えたのです。
小さな部分まで理解するために観察して、仮説を立て、意思決定する。このループが重要です。この方針のおかげで、働き方改革が進み、今では残業ゼロになりました。

※(注2)OODAループ
Observe(観察)・Orient(状況判断)・Decide(意思決定)・Act(実行):PDCAサイクルとは異なる考え方や方向性を持つ

 

#オリジナル施策一覧

・組織分析を元にした独自の「パーパススクール」
・多様性と心理的安全性を両立する「チーム制の導入」
・独自で作成した「評価規準・心理テスト・性格分析」を採用面で活用
・日ごろの感謝称賛に意味を持たせる「コインのデザイン・運用方法」

 

 

日常的に「ありがとう」に触れ、小さな「嬉しい」が貯まっていく仕組み作りを実現。理念浸透、承認称賛文化醸成に効果あり。

-導入初期から現在まで何か変化はありましたか?

鳥羽 様:
承認・称賛文化にの形成に関しては、間違いなくTHANKS GIFTの力が大きかったです。教育も行っていましたが、教育で育つのは知識面や人を見る目、組織の作り方などの要素でやはり限界があります。「ありがとう」に触れる機会や「ありがとう」を伝えることでお金を得られるというポイントは、大きいと思いますね。「ありがとう」の称賛文化に触れる機会の増加ないし「ありがとう」を言うという機会の増加によって、小さい「嬉しい」が貯まっていく仕組みがとても適していると感じました。

また、行動指針に基づいたコインによって「行動指針に基づいた行動をすると評価される」という文化が定着したのもTHANKS GIFTのおかげです。行動指針を提示しておくだけでは、定着することは難しかったでしょう。

 

 

小さな喜び体験を促進させてより良い活用へ

-今後、組織課題のために改善していきたいことがあればお聞かせください。

鳥羽 様:
ポイントの景品について、「大きい景品に変えよう」という意見が出ています。今まで蓄積した頑張りを大きく認めるような賞賛が欲しいのではないか、という考えからです。
とはいえ、当初の目的は小さい「ありがとう」をマネジメントし称賛文化を形成することなので、Amazonギフトのような小さいお金で変えられる選択肢をより増やしていこうと考えています。小さい喜びの体験を重ねていきたいですね。

-ありがとうございます。では、これからTHANKS GIFTを導入する企業様に向けて一言お願いします。

鳥羽様:
THANKS GIFTを導入するにあたって、課題解決を目的とするのではなくてもう少し建設的な導入の仕方をおすすめします。THANKS GIFTを導入する明確なビジョンや意図があると導入する意味が見出せるのではないでしょうか。

-本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!