【上場企業社長インタビュー】新日本科学代表取締役会長兼社長、永田良一様(2020年 THANKS GIFT導入)

株式会社新日本科学
株式会社新日本科学
業種
医薬品開発受託(CRO)事業,トランスレーショナルリサーチ(TR)事業,メディポリス事業
従業員数
1,071名

代表取締役会長兼社長 / 永田 良一 様

 

【株式会社新日本科学 主な受賞歴】
2016年 女性活躍推進法に基づく認定制度「えるぼし」にて最高評価を取得
2018年 女性が輝く先進企業表彰「内閣総理大臣表彰」受賞
「均等・両立推進企業表彰」で、均等推進企業部門の「厚生労働大臣優良賞」受賞
2021年 女性活躍推進に優れた企業として経済産業省と東京証券取引所が共同主催する「令和3年度なでしこ銘柄」に選定
2023年 女性活躍推進法に基づく厚生労働大臣認定の「プラチナえるぼし」認定を取得
健康経営優良法人【大規模法人部門 (ホワイト500)】 7年連続選定

『THANKS GIFT』は、感謝を可視化するツール。様々な機会で自社での活用をアピールしています

「感謝」と「尊敬」を組織構築の基盤としたマネジメントを行っているのが新日本科学です。
感謝を言葉だけでなく、目に見える形にした上で、組織で共有したいという思いがありました。その思いを抱えていたある時に、ネット検索でイメージしていたサービスを発見し、興味を持ったのがTHANKS GIFTでした。
THANKS GIFTは、講演会や知人との会話など様々な場所で「弊社はTHANKS GIFTを活用していて、このサービスは良いですよ。」と勝手に営業活動をしています。

THANKS GIFTのサンクスカードは、いつでもどこでもスマートフォンやPCでコインやメッセージを送れます。また、送られたサンクスカードにさらに感謝の気持ちでハートを付けられる機能がとても良いです。
社長宛に送られたサンクスカードにハートを付けることで、サンクスカードを送った従業員は、「社長がサンクスカードを見てくれている」と感謝が伝わり安心できます。

月次の経営理念会議でサンクスカードの贈呈枚数を共有。THANKS GIFTを経営理念の浸透にも役立てる

毎月、役員を含む課長以上のメンバーを集めた経営理念会議を実施しています。ここでは、採用情報、1on1面談の実施状況、各部門の残業状況、退職者とその理由、健康管理報告、労災や交通事報告、各種委員会の活動報告など、様々な情報を共有します。また、各部門のサンクスカードの贈呈枚数を報告に含めています。重要な幹部会に入れるほど、THANKS GIFTは経営理念の浸透に役立っています。

また、弊社では人事評価の中に理念評価を組み込んでいます。現在の理念評価は、理念の実践度を評価する仕組みにしていますが、この評価項目の1つにTHANKS GIFTのサンクスカードの継続的な贈呈数を組み込んでいます。

人を育てなければ、会社の未来は無い。永田塾で1年かけて経営者マインドを体得してもらう

月次の経営理念会議の他にも、経営理念を組織に浸透させる取り組みとして永田塾があります。永田塾では3つのコース(予科/永田塾/永田大学校)があり、人材教育に注力しています。

私は25歳の時にはじめて渡米し、アメリカに研究所を建てたい、という夢を持ち、40歳の時にシアトル郊外の森林を購入、研究所を建設しました。その後、事業は順調に成長し500名ほどの従業員を雇用するまでに成長しましたが、52歳のときに理不尽な事件に会い、それから8年間、業績が回復するまで暗闇のトンネルをほふく前進して耐えました。
当時、苦しい環境下であったとしても人を育てていかなければ会社に未来は無いと思い、永田塾をはじめました。将来の経営職となる有能な人材育成を目的として、経営のノウハウ、人事マネジメントの手法など、基本的に5つのビジネススキル(コミュニケーション力・洞察力・先見力・判断力・行動力:永田イズムを読む;第3巻)の研磨を目指して1年間、合宿やプロジェクトを通じて学習します。時間をかけてじっくりと経営理念を体得してもらうことで、将来の経営者候補を育てています。

スキルを蓄積した女性社員の退職は企業存続リスク。女性が活躍できる職場環境の構築を経営戦略の一つとして策定

1990年代は本店所在地である鹿児島では男性の雇用が難しかった。一方、女性は比較的容易に採用できました。しかし、その10年後、スキルを身につけた女性の多くが婚姻や出産・育児と仕事との両立が難しいという理由で退職した。スキルを蓄積した優秀な社員が退職する損失は企業存続リスクでもあると認識し、女性が活躍できる職場環境の構築を経営戦略の一つにおきました。
その後、「働くなでしこ委員会」という組織横断的な女性社員の集まりを組織し、社員アンケートを実施、その結果を基に就業規則の改定、職場環境の改善、ロボット導入による自動化など、働き方改革を推進し、併せて、管理職研修に女性が参加しやすい環境を整えた。女性管理職の登用を積極的に行い、女性疾患セミナーの定期開催、婦人科系がん検診の追加導入など、健康支援を手厚くし、女性活躍に取り組んできました。
その結果、2016年には女性活躍推進法に基づく認定制度「えるぼし」の最高評価を鹿児島県で初めて取得、2018年には女性が輝く先進企業表彰「内閣総理大臣表彰」受賞、2022年には東証の「なでしこ銘柄」に選定、2023年には女性活躍推進法に基づく厚生労働大臣認定の「プラチナえるぼし」認定を取得しました。

働く価値観が様々ある時代だからこそ、従業員が希望する働き方に合わせて2種類のコースを用意

本当の意味でのダイバーシティを実現するために、従業員の働く意向に合わせて、一般職は「プロアクティブコース」と「ベーシックインカムコース」の2つのコースを用意しています。
プロアクティブコースは、自分を大きく成長させたい挑戦者向けのコース、ベーシックインカムコースは、残業は望まず定時で帰宅したい安定志向の人向けのコースです。
それぞれの希望する働き方に合わせることで従業員が働きやすく、会社もマネジメントしやすいという、両者にとってメリットがある制度を設けています。

呼吸をするのと同じくらい当たり前に感謝を伝える

感謝は息を吸うのと同じくらい自然にサンクスカードを送る気持ちが大切です。サンクスカードを送ることが目的ではないですが、自分が感謝をしているのであれば、その感謝の気持ちを相手に伝えるツールとして自発的にサンクスカードを送る組織を目指しています。

私は、医学部を出た後に高野山大学大学院で密教学を専攻しており、弘法大使空海のすべての論文に目を通し修士論文をまとめ、密教に関する著書もあります。空海は、「教王経開題」の冒頭部で四恩の大切さを説いています。四恩とは、「父母の恩」「衆生の恩」「国王の恩」「三宝の恩」のことです。空海の教えの通り、私たちは受けている恩に対して感謝の言葉を述べたり、感謝の気持ちを表すことを息をするのと同じくらい当たり前に行うことができる人格形成が必要と考えています。

組織作りもサンクスカードの習慣化もトップの覚悟と強い意志が重要

弊社は女性活躍や理念浸透の取り組みで社会から注目され、内閣府から表彰を受けたり、様々な講演会に招聘いただいております。多くの企業の経営者から、「新しい人事制度を導入したけれども上手くいかない」「経営理念がなかなか浸透しない」といった相談を受けますが、解決策はただ1つです。それは、トップが覚悟して取り組むことです。

トップが真剣に考え、トップが先頭に立って行動しない限りは、組織が良くなるはずがありません。THANKS GIFTを軸に感謝を伝え合う組織文化を作りたいのであれば、トップが覚悟を持って取り組むことが何より重要です。

THANKS GIFTの活用は、まず体験してもらい、50日続けてもらうことで習慣となる

THANKS GIFTの活用を社内に浸透させるには、まずサンクスカードを送ってもらうイベントを設けて、実際に従業員が体験してもらうと効果的です。
この体験も強制的にやらせるのではなく、主体的にサンクスカードを送ってもらえるようなゲーム感覚でイベントを企画します。
3日坊主でも良いのでとにかくサンクスカードを1日1枚送ってもらう、それを50日続ければ、いつの間にか感謝を伝えることが自分自身の習慣となっているはずです。
習慣を作るために適切な躾、指導を経営者や上司が行うなどのサポートが必要です。

感謝のメッセージに気持ちの大小は関係ない。感謝を伝えることの大切さを社内に浸透させる

THANKS GIFTの中にも、長文でメッセージを書いた具体的なサンクスカードもあれば、ただありがとうと書かれたサンクスカードなど、記載する内容は人それぞれです。どちらでも構いません。一言、感謝の言葉があればそれで充分です。

年末の赤い羽根共同募金でお金を集める際、小さいお子さんがお小遣いでもらった100円を寄附するのと、企業が100万円を口座振替で寄附するのを比較すると、後者の方が金額は大きい。しかし、その募金に込めた思いは、自分のお小遣いから募金した子どもの100円玉の方が大きいと思う。
感謝のメッセージも同様で、メッセージの記載内容が多ければ価値があるということではない。感謝の気持ちは相対的ではなく、絶対的だからです。

 

以上が、株式会社新日本科学の代表取締役会長兼社長の永田良一様のインタビュー記事です。
我々もインタビューをする中で、THANKS GIFTの運用や「感謝」そのものに対する捉え方・向き合い方を見直す機会になり、とても勉強になりました。
THANKS GIFTを導入中の企業様、導入を考えている企業様にも今後の組織運営の参考になるヒントがあったのではないでしょうか。
永田良一様、この度はインタビューで貴重なお話をお聞かせいただき、誠にありがとうございました。