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マネジリアルグリッド理論とは?診断方法や5つのリーダーシップスタイルを紹介

マネジリアルグリッド理論とは?診断方法や5つのリーダーシップスタイルを紹介

皆さんは「マネジアルグリッド理論」という言葉をご存知でしょうか。
これはリーダーシップのタイプを分類・分析することができる手法で、理想のリーダーになるためにどのような考え方が必要なのかを把握できます。
今回は、マネジアルグリッド理論の診断方法や診断によって分かる5つのリーダーシップスタイルについて紹介します。

マネジアルグリッド理論とは?

マネジアルグリッド理論は、1964年にテキサス大学の教授であり経営コンサルタントのブレイク氏・ムートン氏の2人が考案した、リーダーのタイプを5つに分類する理論です。
5つの分類のうち1種類は「理想のリーダー」として定められており、そこに向かって自己改善を行うことでチームの業績や人間関係を最大化できるとされています。

マネジアルグリッド理論の診断方法

それでは、具体的にどのようにリーダーシップの分類を行うのでしょうか。
マネジアルグリッド理論では評価の基準を「人間への関心」と「業績への関心」という2つの軸で考えます。
9×9のマス目を用意し、縦軸に「人間への関心度」、横軸に「評価への関心度」をそれぞれ1~9までの数値で可視化できるグラフを作ります。
「マネジアル」とは経営者を、「グリッド」はマス目を意味します。
その人が人間への関心度の高い人ならグラフの上の方にいることになり、業績への関心度が高ければ右の方にいることになります。
この表の中でその人が左上・右上・左下・右下・中央付近のどこに位置するのかによって、現在どのようなリーダーシップを発揮しているのかが分かります。
それでは、「人間への関心」「業績への関心」は具体的にどのような考え方で高低を決めるのでしょうか。

「人間への関心」は、有効な人間関係をどれくらい重視しているかを指します。
同僚との友情や部下との信頼関係はもちろん、チーム全体で働きやすい労働環境を作ろうとしているかや、メンバーを公正に評価して適切な報酬を与えているかといった点も大切です。
人間関係についてのマネジメント全体を考慮した上で評価を行います。
「業績への関心」も、単に売上や利益の数字だけにとどまりません。
業績を挙げていくための効率化・問題解決など、業績を挙げていくために組織に対してどれくらい活動意欲があるかもふまえて、9段階の数値を決定していきます。

マネジアルグリッド理論における5つのリーダーシップスタイル

それでは、診断されたリーダーシップスタイルの特徴について見ていきましょう。
マネジアルグリッド理論では以下の5つのタイプでリーダーシップを分類します。

1.1型 ー 無関心型

これは人間にも業績にも関心度が低いタイプで、グリッド上では左下に位置します。
リーダーとしての業務全体に無関心で、あまり仕事へのモチベーションがないタイプです。
当然、このようなリーダーでは組織全体に不満が出てきてしまい、ほかのメンバーも勝手な行動を取るようになってしまいます。
ただし、最低限の仕事だけはきちんとこなしていて目立って悪い人物には見えないという場合もあるようです。

1.9型 ー カントリークラブ型

メンバーへの関心は高いが業績への関心が低いこのタイプは、グリッド上では左上に位置します。
カントリークラブとは、アメリカの郊外に多い娯楽・保養施設です。
人間関係への配慮が行き届いているためチーム全体が楽しくやりがいを持って働くことができる一方、仕事の命令や批判を強く行わない傾向にあるため成果が出にくいタイプとなっています。
多くのメンバーからは受け入れられやすいですが、成果を出すことをモチベーションとする人にとっては悪いリーダーといえるでしょう。

9.1型 ー 権威服従型

カントリークラブ型とは反対に、業績への関心が高くメンバーへの関心が低いタイプで、グリッド上では右下に位置します。
生産性を向上させることにコミットし、人間関係は仕事の邪魔にならないように排除するようなリーダーです。
独裁的なマネジメントを行うためメンバーを不安にさせたり、不満が出てくることも多い傾向にあります。
働きづらい環境を作ってしまうため部下のやる気が下がり、離職率が高まる可能性もあるため結果的に生産性を下げてしまう、あまり良くないタイプです。

5.5型 ー 中庸型

中庸型は、グリッド上の中央付近に位置しており人間・業績のどちらも中程度に関心を持つタイプです。
人間関係・生産性のどちらにもあまり力を入れないため現状維持のような結果になってしまう場合が多く、課題に対して根本的な解決をすることができません。
メンバーから目立った不満が出ないものの高い評価も得られず、とても中途半端なタイプといえます。

9.9型 ー チームマネジメント型

人間にも業績にも強い関心があり、グリッド上で右上に位置するのがこのタイプです。
ブレイク氏・ノートン氏は、マネジアルグリッド理論においてこのチームマネジメント型を最も理想的なリーダーとして位置づけています。
このタイプの大きな特徴は、人間関係と業績成果の向上がとてもうまく噛み合って相乗効果を生んでいる点です。
メンバーとの関係を重視するため広く意見を取り入れ、自分自身も目標にコミットすることでチーム全体を引っ張っていけます。
そして成果が上がればきちんと部下への報酬なども考慮に入れるためまたメンバーからの信頼が厚くなるといった具合です。
リーダーとメンバーがお互いに良いサイクルを作り出すことができる、まさに理想のマネジメントといえます。

マネジアルグリッド理論の注意点

マネジアルグリッド理論は分かりやすくリーダーを分類して課題を明確にできますが、注意すべき点もあります。
それは評価軸が「関心をどれだけ持つか」という主観的なものであるということです。
自己評価とチームメンバーの評価を総合的に見ることで客観性を高めることもできますが、「チームマネジメント型」のリーダーだからといって必ずしも良い成果を残すとは限りません。
また、「人間」「業績」という2つの観点だけでマネジメント全体の能力を評価できるのかといった疑問の声もあります。
どのような目標を持つチームなのか、またどのようなメンバーがいるのかといった周囲の環境で求められるリーダー像も変わってきます。
必ずしもマネジアルグリッド理論の評価が正しいと考えるのではなく、指標のひとつとして考え、どのようなリーダーを目指していくのかを総合的に考えることが重要です。

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