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MVP表彰制度とは?内容や実施効果、事例、注意点を紹介

MVP表彰制度とは?内容や実施効果、事例、注意点を紹介

従業員のモチベーションアップや生産性向上を目的とした福利厚生の一つに「社内表彰制度」があります。
社内表彰制度の中でも、最も優れた人材に贈られるのが「MVP社内表彰」です。
MVP表彰を行うことによって、企業全体にさまざまな良いメリットがあると考えられています。
今回は、MVP社内表彰の概要や実施の効果、注意点などについて紹介します。

MVP社内表彰とは?

MVP社内表彰とは、社長賞とも呼ばれ、最も優れた成果や成績を挙げたメンバーやチームに贈られる表彰です。
多くの企業では社内表彰制度が設けられており、そのなかにMVP賞が存在します。
例えば「企業に価値をもたらす革新的なサービスを生み出した」「営業で高い成績を挙げた」など、最も活躍した個人やチームにMVP賞が贈られます。
MVP賞は、他の部署やメンバーに良い刺激を与え、企業全体のモチベーションアップが期待できるでしょう。
ちなみに、厚生労働省が平成26年5月に発表した「働きやすい・働きがいのある職場づくりに関する調査報告書*1」では、アンケートに回答した企業のうち、72.4%の企業が「従業員に対する表彰や報奨などを行う」と回答しました。
平成26年に発表された調査であるため、現在社内表彰制度を実施している企業は増えていると予想されます。
また、社内表彰制度の種類には、MVP賞のほかに「永年勤続表彰」「奨励賞」「チーム賞」「新人賞」「努力賞」などがあり、企業によってさまざまな制度が設けられています。

MVP社内表彰を実施する目的

MVP社内表彰の実施は、従業員の企業に対する貢献度をきちんと評価し、仕事へのモチベーションアップや生産性向上を目指すことを目的としています。
日経メディカルが実施したアンケート「仕事のやりがいに対する意識調査*2」では「仕事にやりがいが必要だと思いますか?」という質問に67.2%が「必要」と答えました。
仕事にやりがいが必要な理由には「モチベーション維持・アップのため」と答えた人が最も多く、モチベーションがなければ仕事が続けられないと感じている人が多いようです。
また、仕事でやりがいが必要と感じるときは「仕事で会社に貢献する実感を持てるとき」に47.2%と約半数の人が回答しています。
そこで、MVP社内表彰で従業員を評価して、従業員に自身が企業から認められていると感じてもらうことで、業務へのモチベーションアップを図ります。

MVP社内表彰を実施することの効果

MVP社内表彰を実施することで得られる効果を紹介します。

従業員のモチベーション向上

日頃の行動や努力が適切に評価されると、従業員のモチベーション向上につながります。
客観的な視点から自身の頑張りが認められれば、従業員は積極的に業務に取り組めます。
また、評価基準が明確であれば「ここまで頑張ったら自分も評価してもらえるかもしれない」と考えるようになり、業務に対して前向きになる効果も見込めます。
さらに、MVP社内表彰制度により、一人ひとりが目標を持って業務に取り組む環境が整います。
なお、表彰は個人の努力だけでなく、チームの協調性も大切です。
チーム全体で協力し合える雰囲気が生まれれば、仕事に対する姿勢もポジティブになるかもしれません。

従業員の生産性向上

MVP社内表彰により、従業員の生産性向上も期待できます。
従業員のモチベーションがアップし、仕事に対する熱意が高まることで、個人の生産性が向上し、企業全体の業績・生産性向上につながります。
また、MVP社内表彰された従業員は、企業への貢献が評価されたことに喜びを感じ、さらに業務に励むでしょう。

従業員の離職率低下

従業員は、正当な評価をされると企業への忠誠心が芽生えるため、離職率の低下を期待できます。
好成績を挙げている従業員は、評価されることでモチベーションの維持・向上ができるでしょう。
その結果、企業への愛着が生まれ、長期間安定して貢献する人材となり得ます。
真面目に取り組みを続けている従業員や、スムーズなコミュニケーションに寄与した部署など、結果だけでなく過程に注目することが大切です。
さまざまな角度から正しく評価することが、離職率低下につながります。

活躍人材の可視化

社内の部署によっては、業績に影響しない業務を行っている部署もあるでしょう。
しかし、MVP社内表彰制度を活用することで、普段評価がされづらい人材や部署にも、スポットを当てられます。
例えば、たくさんの契約を取る営業職では、業績に直接関わる数字を明確に表すため、評価されやすいでしょう。
一方、目に見える数字で業績を表しづらい、バックオフィスといった事務職で働く人も大勢います。
どちらの業務でも真面目に働いている従業員であれば、正当な評価をされるべきです。
そこで、MVP社内表彰制度により、活躍人材の可視化が可能になります。

MVP社内表彰を行う上での注意点

続いて、MVP社内表彰を行う上での注意点を紹介します。

評価対象の内容を明確にする

MVP社内表彰を行う際は、評価対象の内容を明確にしましょう。
他の従業員から見て、明らかに企業に貢献しているとは思えない従業員がMVP社内表彰された場合、「この表彰は経営陣の主観で決まったのだろう」と不信感を抱く恐れがあります。
すると「どうせ仕事を頑張っても評価されない」と感じ、業務のモチベーションが低下する事態になりかねません。
そのため、評価の基準を明確にし、社内全体に告知することが大切です。

評価方法、評価の重みづけの方法を明確にする

評価方法や、評価の重み付けの方法を明確にすることも重要です。
重み付けとは、評価する項目ごとに、重要度に応じて数字(重み)を付けて評価する方法です。
例えば、自己評価や上司による評価を点数化すると、評価方法が明確になります。
具体的には、評価項目に「1年間欠勤や遅刻・早退がなく出勤した」がある場合、欠勤なしであれば5点満点中5点、「1年間の欠勤や遅刻・早退が3回以内」であれば4点といったように評価を数字で表します。
また、「オフィスの掃除頻度」項目がある場合は、毎日掃除したら3点、週に2〜3回であれば2点と点数をつけられるでしょう。
評価項目の重要度によって満点の点数を決め、そこから合計点数を算出する方法もあります。

表彰対象者が大多数とならないようにする

MVP社内表彰では、表彰対象者が大多数とならないよう気を付けましょう。
なぜなら、MVP社内表彰はその年で最も優れた人材に贈られる賞であるため、大多数の従業員に贈られるとMVPの意味を成しません。
複数人に賞を贈る場合は、MVP社内表彰以外の賞も考慮する必要があります。
例えば、入社一年目の新入社員で優れた従業員に賞を贈るならば、新人賞を贈るとよいでしょう。

MVP社内表彰の主な景品

MVP社内表彰において、受賞者に渡される主な景品を紹介します。

金一封

MVP社内表彰のなかで人気が高い景品に、金一封が挙げられます。
使い勝手が良いため、もらって嬉しいと感じる人は多いようです。
金一封の相場は、1万円~10万円と幅広く、企業の予算によって金額が異なります。
金額が低すぎるとモチベーションが低下してしまう恐れもあるため、金一封の金額は慎重に決めましょう。

商品券・旅行券など金券

商品券・旅行券などの金券が、景品として配られるケースがあります。
商品券は、年齢を問わず利用でき実用性が高いため、金一封に次いで人気の景品です。
また、金額の調整がしやすいため、賞の大きさに応じた金額を設定できます。
旅行券は、特別休暇とセットで贈ることで旅行に行きやすくなり、喜ばれるでしょう。

トロフィー・賞状

トロフィーには、従業員に渡してしまう贈り方と大きなトロフィーに歴代の表彰者の名前を残して持ち回りをする贈り方があります。
社内表彰では、従業員に渡す方法がよく用いられており、アクリルトロフィーやクリスタルトロフィーなどのデザイン性の高いトロフィーが人気のようです。
また、MVP社内表彰に賞状や表彰状を贈る企業もあります。
表彰状は、従業員の成果や努力を評価する意思を表すため、業務へのモチベーションを向上させる方法の一つといえます。

特別休暇

特別休暇とは、企業が従業員へ休暇を与える制度で、法定外福利厚生の一つです。
「リフレッシュ休暇」とも呼ばれており、社内表彰制度にも取り入れられています。
特別休暇は、従業員のストレス解消や気分転換を目的としており、3~7日程度の休暇を与えるのが一般的です。
休暇が増えることで、業務へのモチベーションアップにつながり、生産性の向上も期待できるでしょう。

カタログギフト

カタログギフトとは、カタログに掲載された商品の中から好きなものを選べる形式のギフトです。
個人やタイミングによって欲しいものが異なるため、設定された金額まで自由に買い物できるカタログギフトは、MVP社内表彰で喜ばれます。
カタログギフトの価格帯は、3,000〜10万円台と幅広いギフトが取り扱われています。
また、カテゴリーも幅広く、雑貨やグルメ・ファッションから、陶器・タオルといった日本の名品などさまざまです。

MVP社内表彰を実施している企業事例

MVP社内表彰を実施している企業の事例を紹介します。

サイバーエージェントグループ

サイバーエージェントグループでは、グループ全体で半年に一度、事業部単位で月に一度社内表彰を行っています。
活躍した個人や部署、プロジェクトなどを表彰し、高い成果をたたえ合うことで切磋琢磨できる環境を実現し、モチベーションアップにつなげています。
また、社内を活性化させ、チーム力や部署同士の関わりを強化して、エンゲージメントを高めているのも特徴です。
半年に一度の社内表彰「全社総会」では、舞台や演出を工夫したり、金銭インセンティブやオリジナルトロフィーを授与したりして、社員一人ひとりのモチベーションを高めています。
月に一度の社内表彰「部署表彰」では、身近なメンバーをたたえ合うことでチーム力の向上を目指し、受賞者には金銭インセンティブを付与しているそうです。
頻繁に社内表彰を行い、たたえ合う機会を設けることで、個人やチーム全体のモチベーションアップにつなげています。

オプト

株式会社オプトでは、半年に一度MVP社内表彰を行っており、MVP賞として約800名の社員から2名が選ばれます。
表彰は、個人の目標達成だけでなく、同僚からの多面評価や、企業理念に沿った企業への貢献などを踏まえて評価・選出されます。
また、社内表彰制度の導入を通して、たたえる文化を大切にしているのが特徴です。
株式会社オプトにおける具体的な評価基準は、以下の通りです。

  • 自らチャレンジ・実行できたか
  • 当事者意識を持ってリーダーシップを発揮できたか
  • 周りを巻き込んで、チーム全体に良い影響を与えたか

リクルート

株式会社リクルートでは、多くの部署で「アワード」と呼ばれる表彰制度が導入されています。
しかし、一般的な企業側が評価する賞ではなく、従業員同士が審査する特殊な表彰制度です。
参加者は全ての従業員であり、多数決で表彰者を選出します。
部署によっては、年間・半年のみならず月・週と頻繁に表彰している部署もあるようです。
リクルート独自の社風で、従業員のやる気やモチベーションの向上を目指しています。

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今回は、MVP社内表彰の概要や実施の効果、注意点などについて紹介しました。
表彰制度は運用によって、大きな効果を期待できるものでもありつつ、運用次第では逆効果になってしまう可能性もあります。
ぜひ、自社に合った表彰を行うとともに、運用方法をしっかりと設計した上で導入しましょう。

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