アルバイトのモチベーションを上げる重要性や低下する要因・対策を紹介

飲食店やサービス業など、アルバイトやパートの方がいるからこそ雇用が確保でき、営業できている業界・業種のお仕事は沢山あります。
アルバイトが多い組織ほど、アルバイトの方々の教育やモチベーション管理をいかに行うかで、顧客満足度や売上などに大きな影響が生まれます。
今回は、アルバイトのモチベーション管理を行う重要性、モチベーション低下を防ぐ方法などについて紹介します。

アルバイトのモチベーション管理が重要である理由

アルバイトは、正社員の働きを助ける、またはそれ以上の働きを果たす重要な存在です。
貴重な人材に長く働いてもらうために、アルバイトのモチベーション管理は欠かせません。
アルバイトのモチベーション管理が重要である理由について紹介します。

人材定着のため

アルバイトのモチベーション管理を怠ると、モチベーションが低下したアルバイトが辞めてしまう恐れがあります。
アルバイトに離職されてしまうと採用コストや教育コストが無駄になるうえ、欠員を埋めるために新たなアルバイトを募集しなければなりません。
しかし、近年は人材不足が深刻化しており、アルバイトの採用コストは増加傾向にあります。
マイナビバイトの調査によると、アルバイト採用にかかる平均費用は2020年の5.2万円でしたが、2022年には7万円でした。
離職率の増加や採用コストの悪化を防ぐためにも、アルバイトのモチベーション管理は重要です。
アルバイトのモチベーションが下がる原因を取り除いたりモチベーション向上の施策を行ったりすることで、アルバイトが働きやすい環境を整えられます。
その結果、優秀なアルバイトを確保しやすくなり、新人の教育コストも抑えられます。

顧客満足度向上のため

従業員のモチベーションは、顧客に対するサービスの質に大きく左右します。
モチベーションが低く職場に不満を持っているアルバイトは、接客態度の質が悪く、任された仕事にも全力で取り組まない傾向にあります。
一方、モチベーションが高いアルバイトは言葉遣いや身だしなみなどに気を配り、店内の清掃や提供するサービス改善にも自発的に取り組むようになるでしょう。
従業員同士のコミュニケーションも円滑になりサービスの品質を向上させられるため、顧客満足度の向上にも期待できます。

業績向上のため

モチベーションの低いアルバイトの存在は、職場のチームワークを乱したり、業務効率を低下させたりしてしまい、業績が悪化につながることもあります。
一方、高いモチベーションで仕事に取り組むアルバイトは、より良い成果を出そうと業務の質にもこだわりながら業務を行うことでしょう。
主体的に店舗の雰囲気作りや新人への指導なども行うようになるため、生産性が上がり業績アップにも影響します。
実際に、学会誌の「マーケティングレビュー」に掲載された論文では、アルバイトの働くモチベーションが業績に影響を与えるという結果が示されています。
また、教育やマネジメントにかかる費用を削減できる点も大きなメリットです。

アルバイトのモチベーションが低下する要因

アルバイトのモチベーションを向上させるには、まずモチベーションを低下させる要因を把握しなければなりません。
ここでは、アルバイトのモチベーションが低下する要因を紹介します。

人間関係が良くない

アルバイトのモチベーションが低下する原因として、一番に挙げられるのは人間関係です。
職場の人間関係が良くないと仕事上の相談や質問がしづらくなるため、新人や経験の浅いアルバイトにとって働きづらくなります。
また、人間完成の悪化から職場の雰囲気も冷え込んでしまうため、職場への出勤を苦痛に感じる恐れもあるでしょう。
気軽にプライベートな雑談ができる同僚もいない場合も、ストレス発散できる場がないことから、アルバイトのモチベーションが低下してしまう可能性があります。
さらに、アルバイトは正社員に比べて働き口が多いため、職場の居心地が悪いとすぐに別の職場に移ってしまうことも考えられます。

シフトの希望が通らない

アルバイトは、正社員に比べてプライベートの優先度が高い傾向にあります。
特に、学業に励みながら働いている学生や育児中の主婦は、働き方の融通が利く環境を求めています。
そのため、シフトの希望がなかなか通らないとモチベーションが低下してしまうでしょう。
もちろん、アルバイトの希望通りにシフトを反映させるのは、現実的ではありません。
繁忙期や閑散期、急な欠員が発生した際はどうしてもアルバイトの希望通りにシフトを調整できない場合もあります。
しかし、そうした状況が長く続いてしまうとアルバイトは「職場の要求に応えているのに自分の希望が通らない」と職場に対して不満を募らせてしまいます。
人手不足や、ベテランや特定の人のみシフトの希望が通りやすい環境にある職場は、シフトの決め方について見直しが必要でしょう。

時給が低い

アルバイトにとって給料は、大きなモチベーションの一つです。
しかし、最初のうちは給料をもらえるだけでうれしいと感じていたアルバイトも、環境に慣れたり周囲の人間と比較したりすることで給料に対する認識が変わることがあります。
任される仕事が増えているのに時給が上がらない、同僚と比べて時給が低いなど、給料への不満を持っているアルバイトは高確率でモチベーションが下がっているでしょう。
また、昇給・昇格制度の内容も重要です。
昇給・昇格制度が無かったり、あってもチャンスが少なかったりする場合、努力しても正当な報酬が得られないと考え、モチベーションを失ってしまうかもしれません。
新人とベテランとで時給がほとんど変わらない場合や、他のバイトと比較して時給が極端に低いアルバイトがいる場合は要注意です。

上司・店長の指導が良くない

アルバイトがミスを犯した際、上司や店長の指導によっては、アルバイトのモチベーションが下がる恐れがあります。
過度に叱責したり怒鳴ったりすると、仕事に対して自信を失ってしまうこともあるでしょう。
指導と叱責は異なります。
ミスの原因を究明し、原因に対する策を伝えることが大切です。

仕事が面白くない

仕事の内容が単純作業で新しい仕事を学ぶ機会も少ないと、アルバイトは仕事が面白くないと感じモチベーションを失ってしまいます。
中には単純作業が好きなアルバイトもいますが、仕事を通して成長したいと考えるアルバイトやさまざまな人との出会いを求めているアルバイトは離職してしまうでしょう。
特に、検品や仕分けや梱包など軽作業のアルバイトや、データ入力や書類整理など事務系のアルバイトは単純作業が多いため要注意です。
また、仕事をしても褒められない場合や指示してもらえず何をしたらいいのかわからないと、アルバイトは仕事へのやりがいを失ってしまいます。
達成感や充実感が得られないと仕事への責任感も失ってしまい、不注意によるミスや不適切な対応が増えてしまうでしょう。

アルバイトのモチベーションを向上させる方法

アルバイトのモチベーションを向上させる方法を紹介します。
下記の対策を参考に、アルバイトがモチベーションを向上させながら気持ちよく働ける環境を作りましょう。

人間関係を改善する

日常的にコミュニケーションを図って職場内のコミュニケーションを活性化することで、人間関係を改善できます。
コミュニケーションの基本は、元気の良い挨拶や笑顔で接することが大切です。
挨拶をきちんと行わない人は周囲から親近感を抱かれにくく、場合によっては敵対心を与えることもあります。
また、仕事上の報連相や休憩中の雑談など、日々の会話を笑顔で行うことで職場の雰囲気を改善できます。
さらに、感謝の気持ちを伝えることもアルバイトのモチベーションを向上させるうえで重要です。
普段より頑張ってくれた時は褒め、臨時出勤の際はお礼を言うなど、こうしたコミュニケーションを積み重ねることでアルバイトの職場に対する信頼感を高められます。

シフトを可能な限り希望通りにいくよう調整、人員の配置を行う

可能な限り希望のシフトで働ける環境を整え、シフトに関する不満を抱かせないこともアルバイトのモチベーションを上げるうえで重要です。
本人にとって大切な時間を確保できるようにすることで、アルバイトは不満なく働けます。
また、それぞれのアルバイトのスキルに応じた人員の配置もシフト調整に効果的です。
アルバイトの中には仕事に慣れていない新人もいれば、幅広い業務に対応できるベテランもいます。
そのため、それぞれの特性やスキルを考慮せずにシフトを作成すると、特定のアルバイトに業務負担がかかってしまうでしょう。
それぞれの得意な業務や対応できる業務の範囲に合わせて人員を配置することで、シフトを最適化できます。

さらに、ベテランや特定の人を優遇しないようにシフト作成にルールを設けることも大切です。
例えば、提出が早い人や出勤日が多い人の順に希望の休みを反映させる、希望が重複した際は勤続年数が長い人や第一希望として申請した人の順に譲るなどが挙げられます。
公平なシフト作成のルールを設けることで、シフトがアルバイトの希望に沿えない場合でも納得してもらいやすくなるでしょう。

時給アップの基準やルールを明確にする

昇給の基準やルールを明確にし、公平性を保つことでアルバイトのモチベーションを向上させられます。
昇給の基準には「頑張っている」「やる気がある」などの主観での判断ではなく、日々の行動や結果など客観的な要素を設定することが大切です。
例えば、コンビニであれば「お客様への挨拶」「賞味期限・消費期限切れの商品のチェック」「電子レンジやATMの掃除」などが挙げられます。
また、優秀なアルバイトに対して正社員登用の可能性を示すことも効果的です。
正社員登用は昇給や収入の安定を求めるアルバイトだけでなく、優秀な人材を確保したい企業にとってもメリットになります。

指導を行う際は、周囲に配慮する

人前でミスを注意する際は、細心の注意が必要です。
人前で注意されたアルバイトは、自尊心を傷つけられ、モチベーションが下がります。
ミスを犯したアルバイトに指導を行う際は、できる限り、人がいない場所で行いましょう。
なお、褒める場合は人前の方がモチベーション向上に効果的です。
また、アルバイトを指導する際は人格ではなく行動を叱り、具体的にどこが悪かったのかを伝えましょう。
行動にフォーカスして叱ることで、アルバイトへの精神的な動揺を最小限にできます。
「しっかり」「きちんと」などの抽象的なフレーズではなく、具体的な問題点を指摘することでアルバイトはどこが悪かったのか冷静に受け止められます。

店舗の目標を共有する

目標を正社員だけでなくアルバイトにも共有することで、職場のチームワークを高められます。
飲食店店舗の場合であれば、目標の具体例として「注文ミスを無くす」「メニューを100件以上売る」「提供時間を短くする」などが挙げられます。
目指すべきゴールも明確になるため、アルバイトが自発的に動くようにもなるでしょう。
目標を共有する際は、その背景を説明したり達成した未来を想像させたりすると効果的です。
また、目標を達成した際は達成感を共有することで、正社員とアルバイトとの垣根を超えた仲間意識を深められます。
さらに、目標を設定するだけではなく結果についての評価や新たに見つかった課題などを伝えることも大切です。
フィードバックを全体に共有することで、目標を達成するにはどうすればよいのかスタッフが一丸となって考えられます。

サンクスカードを導入する

サンクスカードとは、日々の感謝の気持ちを紙やデジタルのカードに書いて互いに送り合う制度です。
サンクスカードを導入することで、アルバイトは自分の仕事が感謝されているということを実感できます。
見過ごされがちなアルバイトの普段の頑張りや行動も可視化できるため、アルバイトは自分の貢献が認められていると感じるでしょう。
自分の仕事や自分自身の存在に意義を見出せるようにもなるため、モチベーションを向上させられます。
また、サンクスカードを導入すると日常的にスタッフを褒めたりねぎらったりする文化が生まれます。
これにより、スタッフ同士の人間関係の改善や職場のチームワークの強化も期待できるでしょう。

アルバイトのモチベーションを把握する方法

アルバイトのモチベーションを管理するためには、それぞれのモチベーションを把握する必要があります。
ここでは、アルバイトのモチベーションを把握する方法を紹介します。

従業員サーベイを活用する

従業員サーベイとは、企業が従業員に対して実施する調査のことです。
従業員サーベイを実施することで、それぞれのアルバイトのモチベーションを可視化できます。
これにより、アルバイトのモチベーション管理や改善策の検討・実施が可能です。
定期的に、従業員サーベイと改善策を実施すれば、企業の課題の傾向や改善策の効果も把握できます。
なお、従業員サーベイを初めて実施する際はアルバイトに前もって告知し、回答によって不利益が生じないことを説明することが大切です。
これにより、アルバイトからの反発や不信感を抑えやすくなります。
また、全てのアルバイトが回答できる時間を確保するために、従業員サーベイは閑散期に実施すると良いでしょう。

アルバイトの当欠や遅刻・早退状況を確認する

アルバイトの当欠（当日欠勤）や遅刻や早退の状況を確認することも重要です。
モチベーションが低下しているアルバイトは、当欠や遅刻や早退が目立つ傾向にあります。
勤怠が乱れているアルバイトがいる場合は、モチベーションを失っている恐れがあるため、早急に対策を行わなければなりません。
なお、勤怠状況を確認する際は当欠や遅刻や早退の回数だけに注目せず、背景にある理由にも注目しましょう。
例えば、電車の遅延による遅刻や体調不良による当欠などやむを得ない理由の場合は仕事へのモチベーションを失っているとは考えられません。
一方、寝坊による遅刻や無断欠勤の場合など本人に責任がある場合は仕事に対するモチベーションを失っている恐れがあると考えられます。
また、同じような理由で立て続けに当欠・遅刻・早退している場合は、事実と異なる理由をつけている恐れがあるため要注意です。

不調や異常が見受けられたら声をかける

アルバイトの仕事ぶりや表情や態度に不調や異常が見受けられる場合は、声をかけましょう。
不調や異常が見受けられるアルバイトは、モチベーションが著しく低下しており、離職を考えている恐れがあります。
不調や異常のサインは以下の通りです。

• 仕事のミスが増えた
• 上司や同僚との接触を避ける
• 服装や身だしなみが乱れている
• 挨拶をしなくなる
• 元気が無い
• 体調不良が続いている

なお、声をかける際はアルバイトが話しやすいように1対1の環境を作りましょう。
周囲に情報が漏れてしまうと、アルバイトとの信頼関係に深刻な影響を及ぼしてしまいます。

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『THANKS GIFT』を活用して、モチベーションの管理・向上する仕組みを作りましょう

今回は、アルバイトのモチベーション管理を行う重要性、モチベーション低下を防ぐ方法などについて紹介しました。
モチベーションは、業績や組織の両方に大きな営業を与える重要な要素です。
モチベーションは勝手に上がるものではなく、上がる要因を把握して上げるための施策を講じることが必要ですので、その仕組みを作れると強い組織が構築しやすくなります。

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