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ラポールとは?必要な理由や活用することの効果を紹介
ビジネスにおいて重要な人間関係やコミュニケーションですが、それらを形成・構築するのに欠かせない概念が「ラポール」です。
元々ビジネス用語ではないため、耳にしたことがない人も多いかもしれません。
このラポールとは、どのような概念なのでしょうか。
今回は、ラポールの概要や重要視されてきている理由、活用する効果について紹介します。
もくじ
ラポールとは?
「ラポール」はフランスを語源とする言葉です。
「橋を架ける」という意味をもっており、ここから「調和した関係」や「心が通じ合う関係」を意味する言葉としても使われています。
心理学用語の一つであり、カウンセラーやセラピストの側と、カウンセリングや治療を受ける側との信頼関係を表しています。
適切なカウンセリングや治療を行うためには、何よりもラポールを築くことが重要です。
お互いが信頼しあえる関係性になってはじめて心の内を明かすことができ、カウンセリングや治療の効果を得ることへとつながります。
そのような関係性を示すラポールが、ビジネスの世界でも注目されはじめています。
顧客との信頼関係に重きを置いている企業は少なくないでしょう。
しかし、これからの時代は企業内でのラポールの形成も欠かせません。
日本の企業がおろそかにしがちな社員同士のラポールが重要であることをまずは認識する必要があります。
ラポールがビジネスにおいて重要な理由
ラポールがビジネスでも注目を集め必要であると認識されはじめている理由は、企業の社会的価値を上げることにつながるためです。
社会的価値にもいろいろあるでしょう。
売上や利益などもあれば、生産・販売している商品の世の中での評価もあります。
また、その企業で働く人たちの給与や福利厚生などを含めた環境も価値を測る基準の一つです。
ラポールが適切に形成されれば、いずれにもよい影響を与えることができるでしょう。
このあとで詳しく紹介・解説する、ラポール形成の数々の効果やメリットが得られることが、その大きな要因です。
企業や組織としての活性化を念頭に、これからの時代を生き抜いていくために何かを変えるべきだと考えているのであれば、ラポールの形成に取り組んでみてください。
ラポールを形成する効果やメリット
ラポールを形成することで、以下のような効果やメリットがあります。
1.コミュニケーションの改善・活性化
濃密なコミュニケーションは信頼関係があってこそ生まれます。
信頼関係がない、あるいは薄い場合はコミュニケーションも希薄になり、コミュニケーションエラーの原因となってしまいかねません。
ラポールを形成することでコミュニケーションが改善・活性化し必要な情報が的確に伝わることで、伝達ミスなどによるトラブルを防ぐ効果も期待できます。
特に上司と部下、リーダーとメンバーなど上下の関係の隔たりを小さくすることができれば、相談や報告といった重要なコミュニケーションも図りやすくなるはずです。
2.心理的安全性の向上
職場の誰もが立場や役職に関係なく心理的な不安や恐怖を感じずに発言できる環境は、心理的安全性が確保されている状態といえます。
ラポールの形成は、この心理的安全性の向上効果ももたらしてくれるでしょう。
心理的安全性が高まると、議論が活発になり新しいアイデアが生まれやすくなり、イノベーションを生み出す効果が期待できます。
立場が上の人に対しても問題やミスを指摘しやすくなるため、トラブルを最小限に抑えたり防止したりする効果も得られるでしょう。
3.生産性の向上
スムーズなやりとりや思い切りのよい行動などは、相手との信頼関係があるからこそ生まれるものでもあります。
ラポールの形成によりそうした動きが活発化することで、企業や組織全体の生産性も向上しやすくなるでしょう。
ラポールの形成はコミュニケーションを活性化する効果も期待できますが、さらに強い信頼関係を築くことができれば、必要最低限のコミュニケーションで業務を進められるようになるかもしれません。
上司やリーダーが部下やメンバーに多くの業務を任せることも可能となり、全体の生産性を上げることにもつながるでしょう。
4.人材の確保および流出阻止
社員同士のラポールが形成されている企業では、働く人たちが居心地のよさやその企業で働く意義を感じることができているはずです。
居心地のよい企業を去るという決断を容易にはできなくなります。
貴重な人材や戦力となる社員の流出を阻止する効果も期待できます。
また、そのような企業で働きたいと考える人材を外部から確保しやすくなるメリットも生まれます。
労働人口が減少すると予測される日本において、人材確保や人材の流出阻止などはラポール形成の重要な効果です。
ラポールの形成に役立つ手法
コミュニケーションを図ることは、ラポールにとって重要な取り組みとなります。
ここでは、より信頼関係を築きやすくするコミュニケーションの手法を紹介します。
コミュニケーションツールを導入し、社員同士で交流できる環境を整えたうえで取り入れてみましょう。
ミラーリング
ミラーリングは、会話をしている相手の動きの真似をする手法です。
人は自分と同じ仕草や動作をしている人に親近感を覚えやすいといわれています。
その習性を利用したミラーリングは、適度に行えばラポールの形成に役立ってくれるでしょう。
あまり過剰に真似をしすぎると相手に違和感を抱かせてしまうので要注意です。
瞬きのタイミングを合わせたり相手と同じタイミングで笑ったりなど自然にできるところから真似していきましょう。
ペーシング
ページングは、相手のペースに合わせる手法です。
相手の話し方がゆっくりであれば自分もゆっくりと話すなどすることで、相手は自分に対して親近感を覚えたり共感しやすくなったりする効果を期待できます。
同じ職場で働く人たちのペースを把握し、自ら話しかけるときから相手の普段のペースに合わせて会話をスタートさせるなど工夫すると、よりラポールが形成しやすくなるでしょう。
マッチング
マッチングは、相手の声のトーンや強弱などに合わせる手法です。
呼吸のタイミングなども含め、相手の話し方の癖や特徴などに注目して合わせます。
ミラーリングやペーシングと同じ効果が期待できるでしょう。
わざとらしさが出づらいため、相手に違和感を抱かせることもほとんどありません。
ただ、マッチングに集中しすぎると会話の内容が入ってこないこともあるので注意が必要です。
バックトラッキング
バックトラッキングとは、相手の発した言葉を、そのまま繰り返す手法です。
自分が口にした言葉を相手が繰り返すことで、自分のことを理解してくれていると感じやすくなります。
その効果を狙い適度に活用すれば、ラポールを形成しやすくなるでしょう。
ミラーリング同様、わざとらしくならないよう注意が必要です。
語尾などを少しだけ言い換えて繰り返すなど工夫すると、自然なバックトラッキングができるようになります。
従業員が定着・活躍できる組織を作ろう
今回は、ラポールの概要や重要視されてきている理由、活用する効果などについて紹介しました。
従業員が定着・活躍できる組織を作るために、自社の従業員の特徴や強みをしっかりと把握し、それぞれがやりがいを持って仕事を行えるよう、人員配置や教育、社内制度を通じた支援を行いましょう。
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