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テレワーク導入でもらえる助成金・補助金の内容とは?

テレワーク導入でもらえる助成金・補助金の内容とは?

2020年、新型コロナウイルス(covid-19)による感染拡大をきっかけに、自宅などオフィス以外の場所で働く「テレワーク」が急速に一般化しています。
2021年も緊急事態宣言の期間が長く続いており、テレワークを導入している企業も多いのではないでしょうか。
今回は、テレワークを導入することによってもらえる助成金や補助金の内容について紹介します。

助成金・補助金とは?

そもそも助成金や補助金とは、ある特定の政策を推進するため、国や自治体が民間企業や国民に対し、経済的なサポートを行う制度の総称です。
国が運営する全国対象の助成金は、基本的に厚生労働省が運営し、数万円から100万円程度の規模のものが多いです。
一方で、補助金は経済産業省が中心となって運営することが多く、最大で数億円にも上るなど、助成金と比べてサポートが高額となる傾向があります。
とはいえ、両者に本質的な違いはありません。

また、助成金や補助金は原則として「後払い」ですし、支払われるのは使った経費の全額に満たず、一部であることがほとんどです。
テレワーク導入であれば、その目的で実際に経費を使ったことを証明・報告し、しばらく経ってから経費の一部が振り込まれます。
しかも、審査の結果、助成金・補助金を支給しない判断が行われる場合もありえます。
助成金や補助金をあてにして、一度に経費を使いすぎ、経営資金をショートさせないように気をつけてください。

テレワーク導入で使える「IT導入補助金」

中小企業基盤整備機構や経済産業省が運営している「サービス等生産性向上IT導入支援事業費補助金」は、小規模事業者にも広くITツールを普及させる目的で2018年に始まった制度です。
この補助金はもともと、新型コロナウイルスの影響を想定していませんでした。
それでも、感染症の拡大をきっかけに、テレワークを導入しようとする企業でも活用することができます。

このIT導入補助金は、通常枠と呼ばれる「A類型・B類型」と、低感染リスク型ビジネス枠と呼ばれる「C類型・D類型」があります。
小規模事業者の業務効率化をサポートするA類型・B類型では、テレワークに利用するソフトウェアの購入費用や、その導入に関するコンサルティング費用について、補助の対象となります。
A類型では30万円から150万円、やや条件の厳しいB類型では30万円から450万円までの幅で補助され、補助率は2分の1です。

新型コロナウイルスの影響を意識したC類型・D類型では、テレワークに利用するソフトウェアの購入費用やコンサルティング費用に加えて、そのソフトウェアを利用するためのPCやタブレット端末など、ハードウェアのレンタル費用が、補助の対象となります。
C類型では上限450万円、D類型では上限150万円で、補助率は3分の2です。

なお、IT導入補助金による補助対象となるソフトウェアは、一般社団法人サービスデザイン推進協議会によって「IT導入支援事業者(ITベンダー)」として指定された企業が、正規に登録したITツールに限られます。
つまり、テレワークで利用したいソフトウェアを自由に選択して補助金を受け取れるわけではありませんので、前もって確認するようにしましょう。
また、テレワークに使うハードウェアの購入費用は、IT導入補助金の対象外ですので、注意してください。

テレワークで使える「人材確保等支援助成金」(テレワークコース)

IT導入補助金の対象外であるテレワーク用ハードウェアの購入費用は、厚生労働省が運営している「人材確保等支援助成金」(テレワークコース)で支援してもらえる可能性があります。

この助成金では、IT導入補助金と同じように、テレワークの専門家からアドバイスを受けた場合のコンサルティング費用も合わせて助成対象となりますし、従業員などにテレワーク研修を行うため外部から研修講師を呼んだ場合に支払った報酬も助成対象です。
助成の上限は、1企業あたり100万円で、そのうち、各労働者ごとの上限助成額は20万円です。
いずれか低いほうが助成総額の上限となります。
テレワークを行う従業員が20人いて、それぞれに10万円の導入経費を要したとしても、企業への助成額は100万円までに留まります。

この「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」には、2種類の道筋があります。
シンプルにテレワーク導入に取り組む「機器等導入助成」(助成率30%)と、テレワークの成果として従業員の離職率が低下することを目指す「目標達成助成」(助成率20%)です。
ただし、目標達成助成では、厚労省が課した条件で労働生産性が向上したことを示すと、助成率が35%までアップする特典があります。

テレワーク導入で使える、東京都限定の助成金

新型コロナウイルスによる感染拡大の影響が、国内でも特に大きい東京都では、テレワークを普及させるため、独自の助成金制度を定めています。
2021年8月現在で使える、テレワークに関連した助成金には、主に「テレワーク定着促進助成金」と「小規模テレワークコーナー設置促進助成金」の2種類があります。

テレワーク定着促進助成金

都内に所在する、常時雇用する従業員数が2人~999人の規模の小規模・中小企業が対象の助成金です。
テレワークを始めるためのハードウェア(PC・タブレット)の購入・リース費用と、ソフトウェア(クラウドサービスを含む)の購入費用、さらにこれらの設置・設定にかかった費用を、幅広く助成します。
ただし、テレワークを導入する目的でも、社内の通信環境の整備やシステム再構築にかかった費用は、助成の対象外です。
助成額は最高で250万円、助成率は3分の2です。

小規模テレワークコーナー設置促進助成金

たとえば、カフェやショッピングモールなど、自社従業員以外の人々が出入りする場に、顧客がテレワークで使える専用のスペースや、ボックス型サテライトオフィスを設置する企業が、助成の対象となります。
端末は顧客が持ち込むことを前提として、Wi-Fi環境の整備、電気照明設備や什器類の設置などにかかった経費の一部を助成します。
助成の対象となる事業者は、小規模テレワークコーナーを設置する場合、都内に所在する常時雇用する労働者の数が300人以下の企業であることが条件で、ボックス型サテライトオフィスを設置する場合、地域の商工会議所などの経済団体です。
補助額の上限は、小規模テレワークコーナーで50万円、ボックス型サテライトオフィスで600万円で、補助率はそれぞれ、2分の1、5分の4となっています。
なお、補助金や助成金に関する情報は、予算規模や世間の需要にも大きく左右されるため、歳月の経過によって内容が変更されることがあります。
申請する前に、公式サイトで最新の情報を必ずチェックするようにしましょう。

従業員が定着・活躍できる組織を作ろう

今回は、テレワークを導入することによってもらえる助成金や補助金の内容などについて紹介しました。

従業員が定着・活躍できる組織を作るために、自社の従業員の特徴や強みをしっかりと把握し、それぞれがやりがいを持って仕事を行えるよう、人員配置や教育、社内制度を通じた支援を行いましょう。

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