代表取締役社長 / 澤井 優嘉 様
保育や学童など、教育・子育て支援事業を展開している株式会社ココロラボ。今回は、THANKS GIFTの導入目的とその効果について、代表取締役社長である澤井 優嘉様にお話を伺いました。
情報共有,ES向上,職員の定着率向上のためTHANKS GIFTを導入
-はじめに、導入前に感じていた課題やTHANKS GIFT導入の経緯について教えてください。
澤井 様:
一言で言うと「人材の定着率」ですね。「なんとかしなければ」と危機感を感じていました。その頃、世の中では「ES(従業員満足度)」が重視されているという情報を耳にして、コミュニケーションの活性化や情報共有の強化、表彰など賞賛する文化などを強化すれば、定着率の向上につながるのではないかと考えました。
当時、THANKS GIFTをはじめとする社内活性化ツールが出始めた頃だったため、「やってみよう」と導入したのがきっかけです。
-差し支えなければ、定着率低下の要因についてお聞かせください。
澤井 様:
一番の要因は情報共有が不足していたことでしょう。
保育園には年齢別のクラスがありますが、同じ年齢のクラスは、そういくつもありません。1歳時クラスを担当するスタッフと、3歳時クラスを担当するスタッフでは悩みも感じることも違います。
また、子どもたちと接しているときは、悩みなどを相談する余裕もなかなかないのが事実です。このように、共通認識や悩みを共有できないことから、孤立感を感じているスタッフも多くいたのではないでしょうか。それゆえ、定着率低下につながっていたのではないかと考えています。
仕事をしているなかで、「できなかった」と感じることはたくさんあります。「なんでできなかったのか」「どうしたらできるようになるのか」と考え、本を読めば教科書的な答えを得ることは可能です。しかし、「この悩みって自分だけ?」ということに陥る場合も少なくありません。
その際、同じ園の違うクラスのスタッフに聞いても、分かってもらえないこともあります。「そっか、大変だね」で終わってしまうような感じですね。そのため、まずは同じ悩みを持った人がいることを知ることが必要なのかなと思いました。
「ありがとう」が習慣化するよう直接の声かけ,景品の工夫など様々な施策を実施
-実際に導入してみて、苦労した点はありましたか?
澤井 様:
現場では、新しいものや変化に対する「抵抗感」があったように感じましたね。そのため、強制感を出さず、自然に定着できるように、長い目で見て取り組もう思いました。
私は、THANKS GIFTもSNSの一種だと考えており、その良し悪しの部分をきちんと見極めなければならないと思っていました。たとえば、「ありがとう」が習慣化するのは良いことですが、「ありがとうと伝えなければならない」と負担になってしまっては逆効果です。
このようなことにならないために、瞬間的な喜びを共有するなど、間接的な動機付けを行いました。ニュースを投稿してくれたら「○○園が参考になったらしいよ」などと伝えて、「ちょっとした嬉しいこと」を積み重ねを意識していました。
具体的な統計をとって比較すると、現場のプレッシャーにもなりかねないですからね。
-なるほど。ノルマを決めずに「事象が起きた際に送る」という方針がカギなのですね!
その他、苦労した点はありましたか?
澤井 様:
導入して2~3年ほど経ったあとの「停滞期」ですかね。現場がTHANKS GIFTに飽きてしまった感覚がありました。今思えば、現場の「ワクワク感」が足りてなかったのかな。
TakeActionさんとご相談しながら景品を工夫したり、ポイントアップキャンペーンをやってみたりと様々な施策を練りました。
他にも、「有志のスタッフが集まってバドミントン大会をしました」という投稿行ったりと、いつもの「業務」とは違う視点の投稿を挟んで、THANKS GIFTへの興味関心を再度引けるように意識しました。
-では、現在の運用方法について教えてください。
澤井 様:
THANKSコインはもちろんですが、主に活用しているのは掲示板です。現場のスタッフからは各園の連絡事項や子どもたちの様子などを共有してもらい、私からは業界的なことや一般的な保育に関することを発信しています。その他、栄養士さんから食事や食育に関する情報を共有していただいています。
また、役職者には月1回の情報発信を職務に位置づけています。これは、ある程度定着している今だからこそ、できるようになったことだと思いますね。導入当初から職務としてしまうと、やはり「やらされ感」が出てしまいますから。
あとは、ポイントを利用した景品交換ですかね。今はテーマパークのチケットなどを景品として決めていますが、今後は「有給1日」みたいなカジュアルで喜ばれるものも考えていきたいですね。
-コインやアンケート機能はどのように使われていますか?
澤井 様:
コインの贈呈は自由にしているので、出勤前や昼休み、帰宅後の料理中など勤務時間外に送り合うことが多いようですね。
アンケートも定期的に実施しています。満足度を集計して、それぞれの園の状況などを把握しています。
情報・コミュニケーションの可視化、職員同士の悩みの共感・共有により定着率が向上
-ありがとうございます。そのような運用をしていくなかで、社内にどのような変化がありましたか?
澤井 様:
最近はある程度定着してきており、スタッフ同士で「あれTHANKS GIFTに載ってたよ」とか「これTHANKS GIFTにアップするから見ておいて」という会話を聞くようになりました。
連絡ツールとしてももちろんですが、情報の拠り所としても機能していると実感していますね。解釈の齟齬も減ったように思います。
また、単純に他の園やスタッフのやり方を見れるようになったので、「閉じた世界」から、つながりを持った「開いた世界」になったような気がします。導入目的は定着率の向上ですが、今では「ポジティブに楽しく働けるように」というような、前向きなものに変化していますね。
-当初の目的で挙げられていた「定着率」はどのように変わりましたか?
澤井 様:
数値的な変化で言うと、導入後の2018年度は定着率が4.7%、直近の3月では6.6%向上しました。もちろん高ければ良いというものではないですが、導入してから着実に向上しています。
-すごい結果ですね!定着率が上がった理由として、THANKS GIFTのどの部分が効果があったと思われますか?
澤井 様:
悩みや課題の共有や共感といった部分が大きかったのだと思います。一人だけで感じていた部分を誰かと共有したり、「いいね」を押すことでも「開いた感覚」になったのかなと考えています。
-実際にご利用いただいている職員様からのお声
-ありがとうございます。今後の活用へ向けた新たな課題などがありましたら教えてください。
澤井 様:
単純に、もっと活用されて、コインの流通数や投稿数が増えれば良いなと思います。ただ、強制にはしたくないし、THANKS GIFTにはノルマはそぐわないとも考えています。
そのため、自然にコインを送りたくなったり、ニュースの内容を書きたくなるようにすることが今後の課題です。スタッフ個人の心理状態や、仕事上の健康状態を把握できれば、もっと戦略的に活用できるのではと考えています。
-ありがとうございます。最後に、上手く活用するコツについてお聞かせ下さい。
澤井 様:
私たちが上手く運用できているかは分かりませんが、一気に盛り上げると一気に冷めてしまうし、習慣化するには時間が必要です。そのさじ加減を見極めながら、長い目で見て取り組むと良いのではと思います。
-本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!