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自律型組織とは?メリット・デメリットや階層型組織との違いを紹介
組織運営の形態として注目されている「自律型組織」をご存じですか。
自律型組織は、ホラクラシーやティール組織など新たな形態の組織を総称したものです。
自律型組織にはメリットやデメリットがあるため、把握したうえで導入すべきかを検討するとよいです。
今回は、自律型組織の特徴や階層型組織との違い、メリットやデメリットなどについて紹介します。
もくじ
自律型組織とは?
自律型組織は、社内の権力を従業員全体に分散し、一部に集中するのを防いだ状態の組織です。
上下関係のある役職がなく、意思決定のプロセスや指示系統がピラミッド型になっていません。
意思決定のルールが明確化されているため全従業員に権限が委任されており、従業員ひとりひとりが自分で考えベストな行動を選択することができます。
自律型組織と階層型組織との違い
自律型組織は、これまで多くの企業で採用されていた階層型組織のように階層的構造・役職、従業員によって異なる裁量権や権力の差、リーダー、人事などが存在しないのが大きな特徴です。
自律型組織は、労働人口の減少やインターネットの普及などビジネスを取り巻く環境の変化に伴い注目されるようになりました。
自律型組織の種類
1.アジャイル組織
従業員ひとりひとりに権限を分散することで、業務プロセスや意思決定のスピードが速くなります。
チームや部署が単独で意思決定できるため、チャンスを早い段階でつかみ大きな利益を生み出せる可能性が高いです。
2.ティール型組織
組織は衝動型、順応型、達成型、多元型、ティール型の5段階で成長していくという考え方です。
企業組織はひとつの生命体であり、個人と会社が一緒に成長することができると捉えて組織運営を行います。
最初の段階である衝動型組織は、個人の力で支配的にマネジメントしている状態です。
特定の個人の力に従わざるを得ない状態のため、従業員は能動的になりやすいです。
また、組織としてどうやって生き抜くのかという目の前の利益のみに注目しているため、衝動的な行動を行う傾向です。
次の成長段階は、順応型と呼ばれるものです。
階層的構造をもっており、階級や制度が徹底して組み込まれた組織で上下関係によって秩序を保っています。
従業員は、組織内で与えられた役割を果たすことを優先するため、主体的に意見を述べたりよりよいアイディアを提案しようとしたりすることがほぼありません。
そのため、競争他者が多い場合や、変化の激しい環境にも不向きといえます。
さらに成長すると、達成型の組織へと進化します。
階層的構造はありますが、社会や環境の変化に柔軟に適応できるのが特徴です。
従業員が自身の才能を活かしながら業務に取り組み、成果をあげれば昇進することができます。
組織全体の成果をあげることが目的なので、数値管理を徹底し効率化を図っているのも特徴といえるでしょう。
このような環境では、成果を求めるあまり過重労働が常態化したり生存競争が激化したりといった心配があります。
達成化にまで成長すると、従業員は主体性を発揮しやすくなります。
これは、意思決定のプロセスがボトムアップ式になっているためです。
つまり個人に焦点があてられ、多様性が尊重された状態といえるでしょう。
ただし、組織としての階層的構造は残っているため、決定権限は役員など上層部にあります。
最終段階であるティール組織は、従業員自身が意思決定を行うことができるのが大きな特徴です。
リーダーが存在しないため、従業員ひとりひとりが組織の目的を明確に理解し組織のために行動する必要があります。
3.ホラクラシー組織
企業内の上下関係をなくした状態で組織運営のためのルールに従って従業員が行動し、意思決定を行うという特徴があります。
ティール組織とよく似ていますが、同じものではありません。
ホラクラシー組織はビジネスモデルが存在するのに対し、ティール組織にはビジネスモデルがないため運用や導入が比較的自由です。
ホラクラシー組織はリードリンクやファシリテーター、セレクタリーといった役割があります。
組織によっては、マーケティングやセールス、ファイナンスといった役割も追加されます。
従業員はそれぞれの役割を果たしていくことで、組織の目的に共鳴した行動を行います。
自律型組織のメリット
自律型組織のメリットは、従業員が自分の個性を活かして働けることです。
ひとりひとりの裁量が大きいため、従業員は意見を述べやすく、自分で考えて業務に取り組んだりすることができます。
階層型組織だと、上下関係があったため、自分の意見を上層部に言いにくかったり、自分らしさをさらけ出して職場で過ごしたりすることが難しい状態でした。
しかし、上下関係による圧力がなくなることで、個人の存在価値を高め、自分らしく個性を生かして働くことができます。
また、チームごとに意思決定が行えるのもメリットといえます。
例えば、人材募集する際に、自分たちのチームに本当に必要な人材をチームごとに選ぶことで、入社後にミスマッチが減少し、人材定着や効率化につながります。
さらに、上下関係がなく意思決定の権限が全従業員に与えられているため、従業員自身が組織の目的達成に向けて計画を立て実行することが可能です。
予期せぬ事態が発生したときや、緊急性のある業務が発生したときでも、よりスムーズに対応することができます。
自律型組織のデメリット
一方で、デメリットももちろんあります。
例えば、自律型組織を構成する従業員の育成に時間がかかることです。
これまで上司の指示通りに業務を進めていた人を、自分で考えて行動できるよう育てる必要があります。
さらに、これまで上司が行っていた意思決定を自分たちで行うためのルールや規範を設定、従業員への研修、人事制度の見直し等さまざまな方向から組織を新たに作り直さなければなりません。
時間も手間もかかる方法といえるでしょう。
情報の一元化が難しいのも自律型組織のデメリットといえます。
階層型組織だと意思決定を上司が行うため、決定事項をトップダウンで共有することができました。
しかし、意思決定がチームや個人で行われるようになることで、企業の規模が大きいほど社内に情報が行き渡にくくなります。
そのため、情報共有のツールを導入するなどの対応が必要です。
従業員が定着・活躍できる組織を作ろう
今回は、自律型組織の特徴や階層型組織との違い、メリットやデメリットなどについて紹介しました。
従業員が定着・活躍できる組織を作るために、自社の従業員の特徴や強みをしっかりと把握し、それぞれがやりがいを持って仕事を行えるよう、人員配置や教育、社内制度を通じた支援を行いましょう。
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