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育児休業制度とは?改正内容や時期、確認しておきたいポイントを紹介

育児休業制度とは?改正内容や時期、確認しておきたいポイントを紹介

留まるところを知らない少子高齢化や、共働き世帯が増えた世相を背景にできた育児休業制度。
仕事と育児を両立させて働き続けられる職場環境の重要性は高まるばかりです。
法整備の取り組みに伴い「育児・介護休業法」の改正もおこなわれています。
そこで今回は、育児休業制度の内容や施行のタイミング、確認しておきたい重要ポイントなどについて紹介します。

育児休業制度とは?

育児休業が独立した法律「育児休業法」として施行されたのは1992年4月1日です。
以来、数回の改正がおこなわれて現在に至ります。

育児休業制度をひとことで説明するならば、仕事と子育てを両立させ、働き続けることができるようにするための制度です。
育児休業の定義は、原則として1歳未満の子どもを養育するための休業になります。
育児休業制度は育児・介護休業法(正式名称は育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)によって定められているので、育児休業制度の利用は労働者の権利です。
そのため、労働者から育児休業を取得したいという申し出があった場合、法律で定めているとおりに認められなければなりません。

育児休業は「育児休暇」と混同されがちですが異なります。
育児休業は法律に基づいていますが、育児休暇は各企業が独自に定めている制度です。

育児休業の期間

育児休業の期間は、原則として子どもが生まれた日から1歳に達する日(1歳の誕生日の前日)までの間で労働者が申し出た期間となっています。
例外的な措置として、保育園に入所できないなど、同法で定めている項目に当てはまると認められるケースでは、1歳6カ月までの延長、及び、2歳までの再延長を申し出ることも可能です。

育児休業の対象になる労働者の要件

育児休業の対象になる労働者は、原則として1歳に満たない子どもを養育するすべての労働者が対象で、性別は問われません。
ただし、日々雇用の場合は対象外になり、育児休業制度の利用はできません。
パートやアルバイトなど雇用期間の定めがある労働者でも、一定の条件を満たせば利用可能です。
しかし、労使協定の締結により、「雇用された期間が一年未満である」や「週の所定労働日数が2日以下である」など、一定のルールの労働者を対象外にすることが可能です。

育児休業給付について

育児休業制度を利用中の労働者に対し、企業は給与を支払う義務はありません。
しかし、管轄のハローワークへ申請をおこなうことにより、育児休業中の労働者は雇用保険から育児休業給付金を受け取ることができます。
なお、育児休業給付金の申請手続きは、原則として事業主を経由しておこなうことになっています。
育児休業が終了するまでの期間、2カ月ごとに繰り返し申請しなければならないルールなので、利用する労働者と協力して手続きをおこないます。

育児・介護休業法改正の内容とポイント

育児・介護休業法は時代のニーズに応えるように、たびたび改正されているのは周知のとおりです。
2020年6月1日施行で「育児休業等に関するハラスメントの防止対策の強化」が、2021年1月1日施行では「『子の看護休暇』『介護休暇』が時間単位で取得可能」に改正されています。
これらに加え、2021年6月にも育児・介護休業法が改正され、施行は2022年4月1日から段階的におこなわれます。
改正ポイントは以下の5点です。

1.雇用環境整備、個別の周知、意向確認の措置の義務化(2022年4月1日施行)

「雇用環境整備」は、労働者が育児休業や産後パパ休業の申し出をしやすくするために、事業者が取るべき措置です。
以下に挙げる4つのうちのいずれかを講じなければなりません。

  • 育児休業や産後パパ育休についての研修の実施
  • 相談窓口の設置など、育児休業や産後パパ育休に関する相談体制の整備など
  • 自社の労働者における育児休業や産後パパ育休取得事例の収集と提供
  • 自社の労働者における育児休業や産後パパ育休制度と育児休業取得促進に関する方針の案内

1つでも構いませんが、複数おこなわれることが望ましいとされています。

「個別の周知、意向確認」は、本人または配偶者の妊娠・出産申し出た労働者に対しておこなう措置です。
事業主は育児休業制度などに関する4つの事項「育児休業・産後パパ育休に関する制度」「育児休業・産後パパ育休の申し出先」「育児休業給付についての情報」「育児休業・産後パパ育休期間中に労働者が負担すべき社会保険料の取り扱い」を個別に伝達しなければなりません。

さらに、育児休業を取得したのかも個別に確認する必要があります。
なお、伝達や確認は、面談、書面交付、FAX、電子メール等のいずれかでおこないます。(産後パパ育休については2022年10月1日から対象)

2.有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和(2022年4月1日施行)

現行では「引き続き雇用された期間が1年以上」「1歳6カ月までの間に契約が満了することが明らかではない」の要件を両方とも満たさなければならないことになっていました。
それが改正後には後者のみになります。

3.産後パパ育休(出生児育児休業)の創設(2022年10月1日施行)

男性が育児休業制度利用を活用しやすくするための措置です。
子供が生まれてから8週間以内に4週間まで取得可能。
これは育休とは別に取得可能で、分割して2回取得できます。

4.育児休業の分割取得(2022年10月1日施行)

原則では分割不可でしたが、改正後は分割して2回取得できるようになります。

5.育児休業取得状況の公表の義務化(2023年4月1日施行)

1から4はすべての企業が対象ですが、こちらは従業員数1000人超えの企業が対象です。
年に1回、育児休業等の取得状況を公表することが義務付けられます。
男性の「育児休業等の取得率」または「育児休業等と育児目的休暇の取得率」が公表内容になる予定です。

育児休業制度などの制度を導入し、従業員が定着・活躍できる組織を作ろう

今回は、育児休業制度の内容や施行のタイミング、確認しておきたい重要ポイントなどについて紹介しました。
従業員が定着・活躍できる組織を作るために、自社の従業員の特徴や強みをしっかりと把握し、それぞれがやりがいを持って仕事を行えるよう、人員配置や教育、社内制度を通じた支援を行いましょう。

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