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ダイバーシティとインクルージョンの意味や企業の取り組みを紹介

ダイバーシティとインクルージョンの意味や企業の取り組みを紹介

近年「ダイバーシティ」や「インクルージョン」といった言葉をよく耳にするようになりました。
しかしこれらの言葉は意味が捉えづらく、企業の具体的な取り組みにどう落とし込むのか難しいと考える方も多いのではないでしょうか。
今回は、ダイバーシティとインクルージョンの意味や企業の取り組みなどについて紹介します。

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ダイバーシティとは?

ダイバーシティ(diversity)とは日本語に直訳すると「多様性」という意味の言葉です。
特に「ダイバーシティ経営」と言うと、企業経営において多様な人材が活躍できるような取り組みを行い、それを企業の価値につなげることのできる経営を意味します。

ダイバーシティが注目される理由

それでは、なぜ近年ダイバーシティが注目されているのでしょうか。
その背景には主に「労働力人口の減少」「価値観の多様化」「グローバル化」の3点があります。
順番に見ていきましょう。

1.労働人口の減少

こちらは肌身で実感されている方も多いと思います。
みなさんご存知のように、昨今の少子化問題などにより企業は十分な従業員の雇用ができずにいます。

平成28年度版の『厚生労働白書』によると、2015年は労働人口が約6598万人だったところが、もし経済成長と労働参加が適切に進まなければ2030年には約800万人減少して5800万人ほどになる見込みです。
そのような情勢の中で、今までの固定観念にとらわれず様々な人が働くことのできる環境を作ることに目が向けられています。

2.価値観の多様化

近年、労働に対する価値観はどんどん多様化しています。
例えば私生活との両立を重視する人、やりがいを重視する人、個人の能力や技術を重視する人など様々です。
さらに労働以外でも、人種・宗教・性別・障がいの有無など多様な人が平等に働くことを求める動きが強くなっています。
多様なニーズに合致できる柔軟なワークスタイルマネジメントが企業に求められるようになっています。

3.グローバル化

もうずっと長い間叫ばれ続けているグローバル化も、昨今ではそのスピードが格段に速くなっています。
これは経営陣だけがグローバル化を意識するだけではなく、各従業員がグローバルな視点でサービス開発を行ったり、世界規模でのマーケティングを考えたりできる経営が必要となっていることを意味します。
多様な価値観の受容と、人種・国籍に関わらない従業員の雇用が企業全体として必要になっています。
日本は地理的にも海外と分断されており、独自の企業文化が根付いていました。
しかし現在ではITやネットワーク技術が進歩するに従って、人員・物品・サービス・考え方まで様々なものが流入しています。
これらをすべて消化し、多様な人材の雇用ができる企業がイノベーションを起こせるようになっているのです。

インクルージョンとは?

インクルージョン(inclusion)とは日本語に直訳すると「包含」という意味があります。
この言葉は1980年代アメリカの障がい児教育の分野で注目されました。
それまでの統合教育では、健常児と障がい児を区別した上で同じクラスで教育を行うことが平等な教育になると考えられていました。
しかしインクルージョンという概念では、障がいの有無に関係なく各生徒に合った教育を行うことが平等であると考えます。
そしてこの概念をビジネスに広げたのが今回話題となっているインクルージョンです。
つまり、先述したような多様な価値観のそれぞれを認め合い、包含できる経営を意味します。
多数派・少数派に関わらず、様々な人を切り離さずに全体の枠組みに受け入れていくということです。

ダイバーシティとインクルージョンの関係

ダイバーシティとインクルージョンは両者を合わせて考えることで大きな効果を発揮します。
というのも、ダイバーシティ経営すなわち多様な従業員を雇用するだけでは、「いろいろな人が働いている」だけの企業になってしまいます。
「異なる性質の人々が共存している」ことを理解した上で、「それぞれの人材を適切に活かす」ことをセットにして考える必要があります。
つまり、多種多様な人材をインクルージョンして認め合い、相互にコミュニケーションをとることでダイバーシティ経営の効果をより高めてくれるのです。

このダイバーシティとインクルージョンの考え方には、市場の成熟化という背景があります。
近年の市場はモノもサービスも十分に存在し、質も高いものになっています。
このような市場で自社の商品・サービスに差をつけて売り出していくのはとても難しいことです。
ここから脱するためには単一的な考え方・社内文化だけで考えていても限界があります。
女性にしか思いつかない視点、障がいを持つ方にこそ分かるニーズ、外国人の持つ異なる文化など様々な人材が円滑なコミュニケーションを取って働く企業にイノベーションが生まれます。
このように、「多様な人材を取り入れる環境を作る」→「商品やサービスも良くなっていく」→「さらに多くの人材が集まる」といった良い循環を生み出してくれるのが、ダイバーシティとインクルージョンを合わせた考え方です。

ダイバーシティとインクルージョンに関する企業の取り組み

それでは、企業は具体的にどのような取り組みをすればよいのでしょうか。
経済産業省は2021年3月に「多様な人材の活躍」の実現に向けたリーフレットを作成しました。
そこでは多様な人材の活躍に向けた取り組みを進めるために「経営者の取組」「人事管理制度の整備」「現場管理職の取組」が揃っていることが大切と述べられています。

1.経営者の取組

これは企業全体として「多様な人材の活躍」を経営ビジョンへ盛り込むことを指しています。
そして経営姿勢や理念が従業員に浸透するための行動をしていくことも大切です。

2.人事管理制度の整備

働き方の多様化に柔軟に対応するため、勤務環境・能力開発支援施策・評価報酬制度の整備などをしていくことを指します。

3.現場管理職の取組

企業全体の経営戦略を個々の業務に紐付けて業務指示を行う体制を指しています。
従業員ひとりひとりの能力・キャリア・希望に即した業務を付与し、実際に多様な人材が活躍できる職場を作っていくことが現場管理職に課せられています。
さらにここでのポイントは、インクルージョンの推進度合いは数値で把握しにくいという点です。
ダイバーシティの場合は、女性・外国人・障がい者など人材別で雇用比率を出したり、フレックス制の導入や副業の解禁といった制度を整備したりするなど、目に見える対策によって推進度合いを測ることが可能です。
しかしインクルージョンは従業員がどれくらい多様性を認識して受け入れ、それを業務に活用していくかという気持ち面・意欲面で測る必要があります。
つまり、従業員への満足度調査やアンケートを行ってそれをもとにさらなる施策を行うなど、より具体的なPDCAサイクルを回していくことが求められます。

従業員が定着・活躍できる組織を作ろう

今回は、愛社精神の概要や高め方、エンゲージメントとの違いなどについて紹介しました。
従業員が定着・活躍できる組織を作るために、自社の従業員の特徴や強みをしっかりと把握し、それぞれがやりがいを持って仕事を行えるよう、人員配置や教育、社内制度を通じた支援を行いましょう。

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