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日本における女性管理職の比率や推進企業の事例を紹介
女性の社会進出が進むにつれ、管理職に就く女性の割合も少しずつ増えてきました。
しかし、諸外国と比較すると日本の女性管理職比率はまだまだ低く、政府も女性管理職を増やそうとさまざまな取り組みを実施しています。
今回は、日本や世界の女性管理職の比率や女性を管理職に据えるメリット、女性管理職の登用を推進している企業の取り組み事例などについて紹介します。
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もくじ
日本と世界の女性管理職の比率
少子高齢化が進む現代日本では、労働人口の減少が大きな課題となっています。
労働人口が減少するということは、採用できる人材が減る可能性があるということです。
慢性的な人手不足が続けば企業の競争力や生産性が低下し、市場を生き残れなくなるでしょう。
このような事態を避けるには、従来家庭に入っていた女性が社会で活躍できる機会・場を増やし、労働人口を増やすことが欠かせません。
ところが、日本は女性の進学率や就職率が比較的高いにもかかわらず、正社員になる人の割合が低いという特徴があります。
業務をこなす能力が十分にあるのに、妊娠・出産や子育てといった家庭内の負担により、活躍できていない女性が多く存在しています。
それを端的に表しているのが、日本の女性管理職の比率の低さです。
企業専門の大手信用調査会社「帝国データバンク」が2021年に行った「女性登用に対する企業の意識調査」によると、課長相当職以上の女性管理職の比率は全国で平均8.9%でした。
2020年度が7.8%だったので増加傾向とはいえ、約13人に1人の割合でしか女性管理職が存在しない計算になります。
なお、女性管理職が今後増える見込みがあるかという質問に対し、今後も変わらないと考えている企業は全体の58.9%に達しました。
およそ6割の企業でこれ以上女性管理職が増えないと見込んでいる以上、将来的に女性管理職比率が大幅に上昇するのは難しそうです。
この比率は、世界的に見てもかなり低いと言わざるを得ません。
内閣府が公表した「第5次男女共同参画基本計画」によると、アメリカの女性管理職比率は40.7%、スウェーデンは40.2%、イギリスは36.8%、ノルウェーは34.5%、フランスは34.6%、ドイツは29.4%でした。
欧米諸国ではおよそ2~3人に1人は女性管理職が存在しており、日本よりはるかに女性の活躍の場が整っていることがわかります。
女性管理職を増やすメリット
女性管理職を増やすと、企業には以下のようなメリットを期待できます。
1.企業のイメージアップにつながる
女性管理職比率を見てもわかるように、女性の社会進出が進んでいるとはいえ、活躍の場やふさわしい評価が与えられているとはいえません。
そんな中で、女性が活躍できるよう労働環境を整備したり、実際に管理職に女性を多用したりしている企業があれば、先進的な企業として多くの人に好印象を与えるでしょう。
企業イメージがアップすれば、採用時に多くの人材を集められたり、売上がアップしたりするなどプラスの効果が期待できます。
2.優秀な人材を確保しやすくなる
男女共同参画局の「男女共同参画白書令和3年版」によると、女性の大学進学率は50.9%、男性は57.7%でした。
女性は短期大学へ進学する人も多く、それも含めると大学進学率58.6%となり、男性を上回っています。
単純な学力の面から見ても女性は決して男性に劣るものではなく、男性と同様に優秀な人材が存在していると考えられます。
男性ばかりを重用するあまり、このように優秀な女性を見逃してしまうのは、企業にとって大きな損失と言わざるを得ません。
女性管理職を増やせば、実力を持つ女性にふさわしい活躍の場を与えられるだけでなく、「自分も能力を正しく評価されたい」と考える求職中の女性から選ばれやすくなるでしょう。
3.公的なサポートを受けられる
女性管理職を増やすことは政府も推進しており、積極的な取り組みを行う企業に対してさまざまな支援も行っています。
たとえば、一定の基準を満たし、女性が活躍できる労働環境を整えた企業に与えられる「えるぼし認定」。
この認定を受けた企業は、日本政策公庫の融資を低金利で受けられたり、公共調達でプラスの評価を得られたりするなどの優遇措置が与えられます。
また、東京証券取引所では女性活躍に優れた企業として「なでしこ銘柄」を選定しており、認定されれば投資家へ積極的に紹介されるため売上アップが期待できるでしょう。
4.女性従業員のモチベーションを上げられる
女性管理職が珍しくない職場であれば、女性従業員は自分も努力すれば指導的立場や経営に携われるかもしれない、と感じやすくなります。
努力が正当に評価されることは、従業員のモチベーションを維持するうえで非常に重要なポイントです。
モチベーションが高ければパフォーマンス効率も上がり、高い生産性が期待できます。
子育てと仕事を両立している女性管理職をローモデルとすることで、女性従業員はより活躍の場を身近に感じ、積極性をもって仕事に取り組めるようになるでしょう。
女性管理職の登用を推進している企業の事例
埼玉県に本社を置く「ケイアイスター不動産株式会社」では、事業規模の拡大にともない、多様な働き方を可能にするために2017年にダイバーシティ推進室を設立しました。
在宅勤務や時差勤務など幅広い働き方を導入したことで女性が活躍しやすい労働環境になり、より女性が活躍できる環境整備や女性活躍の認知拡大を目的とした「K女ミライプロジェクト」も立ち上げています。
このような積極的な取り組みに加え、採用時にも女性が活躍しやすい職場であるとアピールを続けた結果、女性の現場監督数は4倍、女性管理職の割合は17倍という素晴らしい成果を挙げています。
インテリア関連事業を手掛ける「株式会社インテリックス」では、出産や子育てによる女性従業員の退職を防ぐため、手厚い支援を始めました。
復職前に面談を行って希望のすり合わせを行うほか、法律を上回る年齢まで育児のための時短勤務を認めるなど、育児と仕事を両立できるようなサポートを徹底しています。
また、特定の業務を複数人で担当するワークシェアリングを取り入れ、業務の属人化を防いで従業員が休みやすい環境を整えました。
インテリアという事業柄女性の従業員が多いこともあり、このようなサポートや助け合いの風土は離職予防や女性活躍の場の創出に大きく役立っています。
この結果、女性管理職は係長クラスで41.8%、課長クラスで30.8%と平均を大きく上回る実績を挙げています。
従業員が定着・活躍できる組織を作ろう
今回は、日本や世界の女性管理職の比率や女性を管理職に据えるメリット、女性管理職の登用を推進している企業の取り組み事例などについて紹介しました。
従業員が定着・活躍できる組織を作るために、自社の従業員の特徴や強みをしっかりと把握し、それぞれがやりがいを持って仕事を行えるよう、人員配置や教育、社内制度を通じた支援を行いましょう。
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