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健康経営とは?企業が取り組むメリットや効果を紹介
労働力不足が深刻化する昨今の日本において、よく使われるようになった言葉に「健康経営」というものがあります。
国が積極的に健康経営を推進していることもあり、気になっている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、健康経営の基礎知識や重視されるようになった理由、健康経営に取り組むメリットや注意点などについて紹介します。
もくじ
健康経営とは?
健康経営とは、従業員の健康管理を経営課題のひとつと見なし、健康を守るためにさまざまな取り組みを行う経営戦略の一種のことです。
もし、従業員が心身の健康を損なったまま働いていたとしたらどうなるでしょうか。
集中力やモチベーションが下がり、ミスを連発したり生産性が低下したりするかもしれません。
離職や休職する従業員が増えれば、新しい人材を採用・教育するためのコストも余計にかかってしまいます。
このような状況が常態化すれば、企業が売り上げを伸ばすのは難しいでしょう。
企業が順調な経営を続けるには、実務を担う従業員に高いパフォーマンスを発揮してもらうことが欠かせません。
そこで、従業員の健康を経営資源ととらえ、企業が積極的に従業員の心身の健康を守るために取り組みを実施する「健康経営」が注目されるようになりました。
↓ホワイト500や健康経営優良法人について紹介した記事はこちら↓
ホワイト500とは?健康経営優良法人の認定基準や審査の流れを紹介
健康経営の考え方とその背景
このような考え方は、もともとアメリカの経営心理学者であるロバート・ローゼン氏が提唱した「ヘルシー・カンパニー」という概念に基づいています。
ヘルシー・カンパニーとは、健康な従業員こそが収益を生み出す存在であると考え、従業員の健康管理と経営管理を一体のものと見なしてさまざまな取り組みを行う企業のことです。
従業員ひとりひとりが働きやすい環境を整備し、心身の健康を守ることでパフォーマンスを向上させ、生産性や業績のアップを目指します。
健康経営の重要性は世界中で認識されつつあり、日本でも政府主導で健康経営を促す施策が実施されるようになりました。
たとえば、経済産業省と東京証券取引所が共同で健康経営銘柄を選定していますし、日本政策投資銀行は健康経営格付けに基づく融資を実行しています。
今後も健康経営の重要性は増していくと考えられるため、積極的に取り組む企業が増えています。
健康経営が注目される理由
健康経営が重視されるようになった背景には、労働人口の減少が大きく影響しています。
少子高齢化が社会問題化する現代日本では、将来的に労働人口が減少し、深刻な人手不足に悩む企業が増えると考えられています。
地域や業界によってはすでに人手不足が顕在化し、事業継続に支障が出ているケースも少なくありません。
貴重な人材を多くの企業が奪い合う状況になれば、競争力の低い企業が生き残るのは難しいでしょう。
このような状況では、いかに現在働いている従業員に頑張ってもらい、1人当たりの生産性を高めるかが課題になってきます。
そのためにも、従業員を経営資源ととらえ、彼らの健康を守って存分に働いてもらう健康経営の重要度が増しています。
また、長時間労働が常態化していた従来の日本の働き方にも問題があります。
これまでは時間外労働やサービス残業が当たり前だったり、文句を言わない従業員が重宝されたりする風潮の企業が多くありました。
しかし、長時間労働を繰り返していれば、従業員は当然疲労が蓄積していきます。
心身の負担が大きくなった結果、体を壊して離職したり、自死や労働災害のリスクが増したりする従業員も珍しくなかったのです。
これではいけないということで、近年はいわゆる「ブラック企業」が社会的に問題視されるようになりました。
従業員を使い捨てのように扱い、利益のみを追求するブラック企業と認識されれば社会的評価は下がり、人材も集まりにくくなります。
これでは順調な経営が難しくなるため、ブラック企業と見なされないよう、積極的に健康経営に取り組む必要性が増してきたのです。
健康経営に取り組むメリット
健康経営に取り組むことで、企業には主に4つのメリットが期待できます。
1.生産性の向上
心身の健康従業員が心身ともに健康的に働ければパフォーマンスが上がり、業務効率の改善が期待できます。
体力や精神に余裕のある従業員が増えれば、お互いに仕事をフォローしたりわからないところを聞きやすかったりする風土が生まれ、ミスも防ぎやすくなるでしょう。
この結果、生産性の向上による業績アップが見込めます。
2.離職率の低下
従業員が健康を損なうと、欠勤や休職、退職などを招きかねません。
職場を離れる従業員が増えれば生産性が低下するだけでなく、残った従業員の負担が増して体を壊し、連鎖的に欠勤・休職・退職が起きる危険もあります。
新たな人材を採用するにしてもコストがかかりますし、戦力に成長するまで時間もかかるでしょう。
健康経営への取り組みで従業員の健康が守られれば、健康上の理由による離職を防ぎ、このようなリスクを避けることができます。
3.企業イメージの向上
近年は、従業員を大切にしないブラック企業に社会から厳しい目が向けられています。
健康経営への取り組みを積極的にアピールすれば、「従業員を大切にする企業」と社会に認知され、社会的評価が向上するとともに人材も集まりやすくなるでしょう。
「健康経営銘柄」や「健康経営優良法人」など健康経営に積極的な企業を顕彰する制度もあるので、ぜひ取得を目指したいところです。
4.企業が負担する医療費の削減
従業員の医療費は一部を企業が負担しており、健康を損なって医療機関を受診する従業員が増えれば、必然的に企業の支出も増えてしまいます。
この点、健康経営により従業員が医療機関を受診する回数などが減れば、企業が負担する医療コストの削減が可能です。
↓健康経営に取り組む企業の事例を紹介した記事はこちら↓
健康経営に取り組む企業の3つの事例を紹介
健康経営に取り組む際の注意点
健康経営には数多くのメリットが期待できますが、その一方で「効果が見えにくい」点には注意が必要です。
健康やモチベーションという数値に現れにくい要素への取り組みは簡単ではなく、結果が出るまでに時間がかかることもあります。
また、新たな制度や管理体制を整えたり、担当者を設定したりする場合、コストや研修の手間なども考えなければなりません。
社内リソースが不足していれば社外のコンサルタントなどに相談することもありますが、そうなれば余計にコストがかかります。
このように、健康経営には事前に注意しておきたいポイントもあるので、コストパフォーマンスなども考えながら計画的に取り組むことが重要です。
健康経営に取り組み、従業員が定着・活躍できる組織を作ろう
今回は、健康経営の基礎知識や重視されるようになった理由、健康経営に取り組むメリットや注意点などについて紹介しました。
従業員が定着・活躍できる組織を作るために、自社の従業員の特徴や強みをしっかりと把握し、それぞれがやりがいを持って仕事を行えるよう、人員配置や教育、社内制度を通じた支援を行いましょう。
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