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健康経営に取り組む企業の3つの事例を紹介

健康経営に取り組む企業の3つの事例を紹介

従業員の健康管理を経営課題のひとつと考え、健康を守るためのさまざまな施策を実践する「健康経営」。
健康経営に取り組む企業の表彰制度が実施されるなど注目度が高まっているものの、具体的にどういった取り組みが必要なのかわからない企業担当者も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、健康経営の概要や実際に健康経営に取り組む企業の3事例について紹介します。

健康経営の意味

「健康経営」とは、健康な従業員こそが収益を生み出すという考えに基づき、企業がさまざまな取り組みを行って従業員の健康づくりをサポートする経営手法のことです。
このように従業員の健康が重視されるようになった理由には、少子高齢化による労働力不足が大きく影響しています。
企業で実際に業務を担っているのは従業員であり、従業員が不足した状態で生産性を維持・向上させるのは簡単ではありません。
労働力不足が深刻化してからも安定した収益を上げるためには、現在いる従業員に高いパフォーマンスを発揮してもらう必要があります。
そのためには、従業員に日々体力や精神が充実した状態でいてもらわなければなりません。
そこで注目されたのが、企業が従業員の健康管理に積極的に取り組む「健康経営」だったのです。

健康経営では、従業員が快適に働ける環境を整えることで心身の健康を保ち、パフォーマンスを向上させることで生産性・業績の向上を目指します。
また、健康な従業員が増えることで休職や退職をする従業員が減り、それにともなう生産性の低下や採用コストの増加を避けることも可能です。
近年は従業員を使い捨てのように扱う「ブラック企業」に厳しい目が向けられていることもあり、従業員の健康づくりに熱心な企業であると認知されれば企業イメージの向上も期待できるでしょう。
さらに、健康経営により医療機関を受診する従業員が減れば、企業が負担する医療コストの削減も可能です。
このように、健康経営にはさまざまな意義やメリットが期待できるため、大企業を中心に多くの企業が導入を進めています。
国も健康経営を積極的に推進しており、今後ますますその重要性は増していくでしょう。

↓健康経営が注目される理由や企業が取り組むメリットを紹介した記事はこちら↓
健康経営とは?企業が取り組むメリットや効果を紹介

健康経営に取り組む企業の事例

事例1.株式会社タニタ

健康機器メーカーのタニタは、2008年から従業員の健康づくりに注力しています。
カロリー計算を徹底したヘルシーかつおいしい社員食堂のメニューなどが話題となったため、名前を知っている人も多いのではないでしょうか。
タニタは健康機器を取り扱うメーカーである以上、従業員こそ率先して健康管理を行わなければ顧客に顔向けできないという思いから、健康増進とメタボリックシンドロームゼロを目指して取り組みを行っています。
その内容は、体組成計を使って定期的に自身の体の状態を計測する、従業員に活動量計を配布して運動量を把握する、社員食堂でヘルシーな食事を提供する、健康指導プログラムを実施するなど実に多彩。活動にポイントプログラムやランキングを導入したり、ゲーム性を持たせたりして従業員が楽しみながら取り組めるように工夫しています。

また、活動量計を社員証と一体化するという、思い切った取り組みも実施しました。
社員証はオフィスの入退室などで常に携帯する必要があるため、日々の従業員の活動量が計測されます。
これにより、従業員は常に日々の活動量を意識し、健康管理に注意を向けやすくなりました。
このように実効性のある取り組みの数々により、多くの従業員が自主的に健康管理に取り組む風土ができあがったのです。

この結果、従業員1人当たりの年間医療費は、健康経営に取り組む前と比較して約3分の2まで削減できました。
体重と慎重のバランスを示すBMIも、適性値を維持する従業員が増加しています。
健康経営の導入を考えるうえで、ぜひ参考にしたい成功事例といえます。

事例2.SCSK株式会社

ITサービス企業であるSCSKは、従業員の健康は本人や家族の幸せ、そして事業発展の礎であるという理念に基づき、健康経営を実践しています。
2013年には、IT業界の特徴でもあった長時間労働を是正するべく、月の平均残業時間を20時間以下、20日間の有給休暇取得を目指す「スマートワーク・チャレンジ20」を開始しました。
残業の削減や有給休暇取得を実現できた場合に特別ボーナスを支給する、20時間分の残業代を固定して毎月支給するなど、思い切った改革を実行しています。
有給休暇をすべて取得した後にやむを得ず休む場合のバックアップ休暇や、残業の多さに応じて上位役職者が承認者になるなど、施策に実効性を持たせる環境もしっかり整えました。

2015年には目標達成の特別ボーナスを廃止して月次手当に移行し、残業時間と有給休暇の取得日数は順調に改善され続けています。
また、「健康わくわくマイレージ」と銘打ったポイントプログラムも導入し、好評を博しています。
これは、健康に良い行動習慣や健康診断の結果に応じてポイントを付与し、年間のポイント獲得数によってインセンティブを支給する制度です。
積極的に健康管理に取り組むほど多くのボーナスを受け取れることになり、2015年の開始以降、99%もの従業員が参加するヒット企画になり、健康診断後の再検査・受診報告対応率や特定保健指導の参加率を大幅に改善することに成功しています。
その他、拠点に健康相談所や社内診療所、リラクゼーションルームやカウンセリングルームなども開設するなど、従業員の健康づくりに非常に積極的です。
その結果、2020年には健康経営銘柄や健康経営優良法人、ホワイト500など各種表彰制度にも選定されました。

事例3.マツオカ建機株式会社

レンタル・リース業のマツオカ建機株式会社では、健康づくりのため独自の「健康チャレンジ」制度を実施しています。
禁煙コースや万歩計コース、自転車通勤コースなど、企業が定めた健康づくりに関連する複数のコースから従業員が好きなものを選んでチャレンジする制度を設けています。
コースにはそれぞれ目標が設定されており、達成者は社員大会などで表彰されたり、数千円分のQUOカードをもらえます。
普段の生活の中で無理なく、ちょっとした頑張りで実践できるため、多くの従業員が参加するようになりました。
その他、生活習慣病の予防健診対象外の従業員に対しても、特定の検査を受ける場合は費用を企業側が負担するなどして、積極的な健康管理を促しています。
このような取り組みが認められ、2020年には健康経営優良法人に選定されました。

従業員が定着・活躍できる組織を作ろう

今回は、健康経営の概要や実際に健康経営に取り組む企業の3事例について紹介しました。
従業員が定着・活躍できる組織を作るために、自社の従業員の特徴や強みをしっかりと把握し、それぞれがやりがいを持って仕事を行えるよう、人員配置や教育、社内制度を通じた支援を行いましょう。

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