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社内DXとは?取り組み内容や進め方、成功事例を紹介

社内DXとは?取り組み内容や進め方、成功事例を紹介

労働力人口の減少や人材の流動化によって、雇用の確保と同様に社内DXの推進が急務とされています。
これまでの業務のやり方や在り方を見直し、従業員の生産性を上げることによって、会社を成長させるためには、社内DXの視点が欠かせません。
今回は、社内DXの意味や取り組み内容、企業事例などについて紹介します。

社内DXとは?

社内DXとは、デジタル技術を活用して組織全体の働き方や体制を変革する取り組みです。
これにより、コスト削減や業務効率化や生産性向上を達成して企業の競争力を強化します。
なお、似た言葉にDX(デジタルトランスフォーメーション)が存在します。
DXとは、デジタル技術を活用して企業のビジネスモデルや市場戦略を変革する取り組みです。
DXは、顧客へのサービス改善やビジネスの創出を目指すため、企業全体だけでなく顧客や市場にも影響が及びます。
一方、内部運営の最適化を目指す社内DXは企業内部に向けた方策です。
そのため、社内DXはDXと比べて取り組みやすいといえます。

社内DXが重要視されている理由

近年、社内DXに取り組む企業は増えており、その重要性はますます高まっています。
社内DXが重要視されている主な理由として、以下の4点を紹介します。

全社でのDX推進のため

社内DXを推進することで、グループ全体のDX推進に向けたイメージをしやすくなります。
対象範囲が広く具体的な施策をイメージしづらいDXに比べ、社内DXはツールの導入や書類の電子化など手段や効果がイメージしやすい取り組みです。
社内DXで実績を積み上げ組織体制を変革させることで、顧客や市場を含めた全体的なDXへと発展させられるでしょう。
経済産業省が公表した「DXレポート」では、IT人材の引退やシステムのサポート終了により2025年以降最大年間12兆円の経済損失が生じるといわれています。
こうした問題に対応するためにも、社内DXを通して前時代的な体制を見直し、全社的なDXを推進する必要があります。

参考:DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開

生産性向上のため

企業の中には、古い技術や仕組みで構築されたレガシーシステムを、使い続けている企業も存在します。
しかし、レガシーシステムは新しいテクノロジーやシステムと連携できないことも多く、操作面や運用面で多くの労力やコストを必要とします。
そのため、社内DXを推進し、レガシーシステムから脱却する動きが急速に高まっています。
レガシーシステムからの脱却は、パフォーマンスの向上だけでなく運用費用の削減やセキュリティの強化にも期待できます。
ひいては、企業の生産性や競争力アップにもつながるでしょう。

人手不足解消のため

社内DXは、人手不足を解消するうえでも重要です。
日本は少子高齢化により労働人口が減少傾向にあり、総務省の推計によると2065年には2020年の6割程度まで減少すると予測されています。
実際に帝国データバンクの調査によると、約半数の企業が正社員不足と回答しており多くの企業が人手不足に陥っています。
こうした背景から、企業には、限られた人員で事業を運営できる業務プロセスの構築が求められています。
社内DXを推進し、データの電子化やデジタルツールの導入を行うことで、テレワークや時短勤務などの柔軟な働き方に対応できます。
この取り組みにより、海外に暮らす人や、育児中や療養中の人など、今まで採用が難しかった人材を獲得できるようになるでしょう。
また、人工知能や機械学習などを使って業務を効率化させることで、限られた人員でも高い生産性を維持でき、人手不足解消につながります。

参考:総務省|令和4年版 情報通信白書|生産年齢人口の減少 人手不足に対する企業の動向調査(2024年4月)

BCP対策のため

BCP(Business Continuity Planning)は、災害やシステム障害など、緊急事態が発生した場合でも事業を継続できるように事前に取り決めておく計画のことです。
特に、日本は地震や台風など自然災害が多いため、しっかりとBCPを策定する必要があります。
BCP対策が不十分だと、緊急事態が発生した際に事業が停滞してしまい、産業や経済に悪影響を及ぼす恐れがあります。
社内DXは、このBCP対策にも有効です。
クラウドに重要なデータをバックアップしておけば、データの消失を防げます。
クラウドサービスのサーバーは、地震や火災や停電などに強い建物に置かれていることが多いため、有事が起きたとしても安全です。
また、チャットツールやWeb会議などを活用してテレワークの環境を整えておけば、感染症が流行したり台風が起きたりしても社員や顧客と連絡を取れます。
実際に、新型コロナウイルス感染症や令和6年能登半島地震などにより、大きな損害を受けた企業も少なくありません。事業のリスクを軽減するためにも、社内DXを進めましょう。

社内DXの取り組み内容例

ここでは、社内DXの具体的な内容例を紹介します。
以下の取り組みを進めることで、社内DXを実現させられるでしょう。

テレワーク導入

社内DXの代表例として、時間や場所にとらわれない働き方であるテレワークの導入が挙げられます。
チャットツールなどを使ってやり取りしながら、クラウドサービスの利用により社外からデータを閲覧・編集することで、自宅や移動時間でも仕事ができるようになります。
テレワークを導入すればオフィスに出社する必要が無くなるため、交通費やオフィスの賃料などのコストを削減できるでしょう。
また、作業が中断されやすいオフィス勤務に比べて業務に集中しやすいため、生産性の向上も期待できます。
さらに、通勤時間も減らせるため、社員のワークライフバランスの実現も見込めます。
ワークライフバランスとは、仕事と生活の両方を充実させる働き方や生き方のことです。
ワークライフバランスを実現させることで、社員のモチベーションや満足度を向上させられるでしょう。

Web会議の実施

インターネットを使って、遠方の相手と会議するWeb会議実施も社内DXの推進につながります。
インターネット環境さえあれば、どこでもコミュニケーションを取れるため、出張費や会議室の使用料などのコストカットが可能です。
また、移動する時間もかからず簡単にスケジュールを調整できるため、業務の効率化が期待できます。
さらに、Web会議の録画機能を使えば、会議に参加できなかった社員にも内容を簡単に共有できるため、生産性の向上も見込めます。

書類作成や承認の電子化

書類作成や承認業務の電子化も、社内DXに効果的です。
経費精算申請や稟議書などの申請書類を電子化することで、社員はいつでもどこでも申請が可能になり、管理者もリアルタイムに申請状況を確認して承認作業を行えます。
申請されたデータの集計や分析も容易になるため、経理部の負担を減らせるでしょう。
また、紙媒体で書類を作成すると誤字脱字や記入漏れなどの人的ミスが起こる恐れがあります。
一方、電子化された書類であれば、入力項目を自動でチェックして必要に応じて修正が可能です。
さらに、電子化された書類をクラウド上に保存することで、紙代や印刷代などのコストや書類の保存や管理などの手間を省けます。
過去の文書の検索も容易になるため、情報共有もスムーズになるでしょう。

RPAの導入

RPA(Robotic Process Automation)とは、パソコンで行っている事務作業を自動化するソフトウェアロボット技術のことです。
経費処理や給与計算など、定型的な反復処理を得意とします。
特に、人間では全体を把握しづらいビッグデータを扱う大企業で効果的な方法です。
RPAを使えば、今まで人間が行っていた業務を自動で行ってくれるため、業務効率を向上させたり工数を削減したりできます。
また、必然的に社員の作業時間が短くなるため、社員の満足度も向上させられるでしょう。
さらに、RPAは24時間稼働させられるため、生産性も向上させられます。

電子帳簿保存法への対応

改正電子帳簿保存法に対応した結果、社内DXが進むケースもあります。
電子帳簿保存法は、税務関係の帳簿や書類を電子的に保存する際の要件について定めた法律です。
2022年1月1日に改正電子帳簿保存法が施行され、2024年1月1日から電子データの保存が完全義務化されました。
法改正の影響により、見積書や請求書などの電子化や経理精算のシステム化など、社内DXを推進する基盤が作られたのです。
また、日本では申請に携わる権限者を見直さず、慣例に従って起用し続ける傾向にあり、承認フローが複雑化しやすいといわれます。
法改正をきっかけにこうした非効率な承認フローを見直すことで、業務効率化や人件費削減、ひいては承認の電子化など社内DXが進むこともあります。

社内DXの進め方

社内DXは、ツールの導入だけでなく入念な準備も求められます。
以下の手順を踏むことで、社内DXを円滑に進められます。

組織における課題や問題の収集

社内DXを進める前に、改善や改革が必要な課題や問題を収集します。
時間がかかっている業務や刷新すべきシステムなどはないか、自社の現状を細かくチェックしましょう。
また、現場の担当者にヒアリングして現状の業務プロセスにどのような課題があるのか調査することも大切です。
特に、ミスが発生しやすい業務や負荷が集中している業務はシステムによる省力化や自動化が必要になります。
各部門の課題を抜け漏れなく洗い出すために、社員全体へのアンケート実施なども有効です。

解決する課題の優先順位付け

自社の課題や問題を収集したら、次は、解決する課題の優先順位の決定です。
全ての課題を解決するために一度にさまざまなツールやシステムを導入してしまうと、かえって混乱を招きます。
そのため、まずはどの課題を一番解決するべきか、絞り込むことが重要です。
解決に必要な人員やコストはもちろん、通常業務への影響や導入の難易度など想定されるさまざまな要素から優先順位を決めましょう。

社内DXの目的、ゴールの策定

解決したい課題が決まったら、それを基に目的とゴールを策定します。
目的とゴールを策定しないと、ツールやシステムの導入そのものがゴールとなってしまい社内DXが進みません。
明確な目的を定めることで、競争力の強化や組織体制の変革など、本質的な社内DX推進に向けて始動できるでしょう。
また「業務効率を向上させたい場合はRPAの導入」「生産性を向上させたい場合は営業支援ツールの導入」というように、課題解決に適したツールも選定しやすくなります。
さらに、策定した目的は全社員に共有することが大切です。
社内DXを進めるためには実際に業務に携わる社員の協力が必要であり、社内DXに対して認識のズレが生じると全社的な取り組みが難しくなります。
社内DXに対する社員の意識を変えるためにも、説明会や研修などを開催し、社内DXの目的を浸透させましょう。

社内DXでのKPIや観測指標の決定

社内DXの効果を測定するために、KPIを設定します。
KPI(Key Performance Indicator)は、業績や進捗を評価し管理するための定量的な指標です。
KPIを設けることで、目的の達成度合いを客観的に示せる他、社内DXが目的と異なる方向へ進むのを防げます。
社員の満足度を評価する場合は離職率や継続勤務意向を、業務効率を評価する場合は売上や残業時間をKPIに設定すると、効果的な測定が可能となるでしょう。
また、KPIを決める際には、測定する期間も設定します。
期間を設定することで、期間内に何をすべきか明確になり、継続的な改善へとつなげられるでしょう。

課題解決のためのソリューションの導入

KPIを設定したら、課題解決のためのソリューションを導入します。
ソリューションの具体例として、オンラインストレージや経費精算ツールやCRM(顧客管理)ツールなどが挙げられます。
ただし、いきなり全社的にソリューションを導入すると失敗した際のリスクが大きくなりかねません。
そのため、最初は一つの部署や事業にソリューションを導入して段階的に社内DXを進めることがポイントです。
業務効率化や生産性向上に貢献する小規模な成功を積み重ねることで、社員の抵抗感を減らしながら大規模な取り組みへの道を開きます。
社員の反応や業務の進み具合などを確認しながら、取り組みを徐々にステップアップさせましょう。
また、導入後はかかった費用と効果の分析を調査することが重要です。
費用対効果が大きく社員に広く活用されていれば、社内DXとして成功といえます。

社内DXに成功した企業事例

ここでは、社内DXに成功した企業の事例を紹介します。
実際の事例を参考にして、自社の社内DXを成功に導きましょう。

AI活用で工場の自動化・省力化に成功した事例

A社の工場では、複雑で長い工程の品質管理や、膨大なデータの確認に多くの熟練技術者を必要としていました。
しかし、工場は24時間稼働しており、熟練技術者の体力や精神に大きな負担をかけていました。
そこで、A社は工場にAIを導入し熟練技術者が行っていた品質管理やデータ制御を自動化します。
その結果、総生産量を5%上げつつ、不良品発生率を半分以上下げることに成功しました。
A社が成功した理由として、AIを導入する前に技術者にAI技術を習得させたことが挙げられます。
これにより、AI導入で失敗しがちな技術者の業務知識不足という課題を解決しています。

RPA導入で自動化により労働時間を削減した事例

B社の管理部門では、毎月2,000社のクライアントに対し、発注書作成や請求処理などを行っています。
膨大な処理に追われ、RPA導入以前の担当者は、連日深夜11時まで残業をしていたそうです。
担当者の激務を問題視したB社は、RPAツールを導入して書類作成を自動化します。
その結果、繁忙期でも夜8時に帰宅できるようになるほど、労働時間を削減することに成功しました。
B社は、ITスキルの高くない担当者でも作成できるRPAツールを選択し、RPAの効果を最大限に発揮させています。

稟議の申請・承認を電子化し、生産性を向上させた事例

C銀行では、紙文化から脱却するために、稟議のシステム化を実行しました。
さまざまな業務形態に対応したワークフローシステムを採用したことで、独自の業務運用に対応したシステムを構築しています。
行内で定められた申請フォーマットだけでなく、銀行業務に求められる細かな運用にも対応させることで、申請者の負担を軽減させることに成功しました。
また、必要な情報確認も短い時間で行えるようになったため、顧客に満足度の高いサービスを提供できるようになりました。

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今回は、社内DXの意味や取り組み内容、企業事例などについて紹介しました。
労働力人口の減少や人材の流動化によって、雇用の確保と同様に社内DXの推進は多くの企業で必要とされています。
ぜひ、自社の状況や課題、今後のビジョンなどを元に社内DXを推進してはいかがでしょうか。

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