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部下の心理的安全性が低い原因と高める方法とは?
「心理的安全性」は、チームメンバー同士がお互いに自分の意見を言っても相手から拒絶されたり非難されたりしないという安心感のある環境を作ることでチームの生産性が向上するという考え方です。
今回は、部下の心理的安全性が低くなってしまう理由やま高めるための方法について紹介します。
もくじ
心理的安全性とは?
心理的安全性は、1999年に組織行動学を研究するエドモンソンという人物が提唱した心理学用語です。
「チーム内のメンバーが自分の意見を非難しないと確信できる状態」を意味するこの言葉は、Google社が2012年から実施している「プロジェクト・アリストテレス」という研究プロジェクトによって大きく注目を集めました。
プロジェクト・アリストテレスでは、生産性の高いチームにどのような特徴があるのかを調査し定義づけることを目的としていました。
そこでこの心理的安全性が取り上げられ、これが高いチームほど生産性も高いという研究結果が出ています。
チームの生産性は個人個人の能力の高さよりも、チーム全体が他者へ心遣いをしていたり、遠慮のない率直なコミュニケーションを取れたりといった心理的な要素のほうが重要であると結論づけています。
このように心理的安全性は、チームの生産性を考えるにあたって重要な指標となっています。
部下の心理的安全性が低くなる理由
それでは、どのようなことが原因でチームの心理的安全性が低くなってしまうのでしょうか。
エドモンソンは、チームメンバーが以下のような4つの「不安」を抱えている状態が要因となっていると提唱しています。
これらを順番に見ていきましょう。
1.無知だと思われてしまう不安
自分が分からないことや知らないことをほかのメンバーに聞くと、バカにされるのではないかと不安になってしまう状態です。
これにより本来必要であるはずの質問やコミュニケーションが取れなくなり、チーム全体の生産性も下がっていってしまいます。
2.無能だと思われてしまう不安
ささいなことでも失敗してしまうと周囲から無能だと思われてしまうのではないかという不安に駆られることです。
このような状態だと自分のミスを報告しづらい雰囲気になってしまい問題が深刻化しやすいほか、新しいことにチャレンジする姿勢が失われてしまう傾向になります。
3.邪魔をしていると思われてしまう不安
例えば会議をしている際に、自分の発言によって会話が中断されることをほかのメンバーが嫌がるのではないかと思ってしまう不安です。
このような気持ちのままではミーティング中に多くの人から提案が挙がる状況が生まれづらくなり、斬新なアイディアやイノベーションが起きにくくなってしまいます。
4.ネガティブだと思われてしまう不安
他人と相反する意見や、他人の意見を改善するような意見を述べてしまうと、「いつもほかの人の意見を否定するネガティブな人間だ」と思われるのではないかと不安になる状態です。
これにより本来正しいはずの改善案が出てきにくくなってしまい業務全体の失敗を誘発しかねないほか、どのような意見でもマイナスに捉えられるのではと不安になり発言機会がどんどん減ってしまうという悪循環に陥りやすくなります。
部下の心理的安全性を高める方法
それでは、部下の心理的安全性を高めるためにはどのような施策をうてばよいのでしょうか。
主に「フィードバック」と「リーダーシップ」の2視点から考えていきましょう。
フィードバック
チーム全体が意見を率直に言い合うために「フィードバック」がより重要視されつつあります。
フィードバックでは相手の意見をただ否定するだけではなく、相手の意見を尊重しながらも自分の考え方や改善案を提案する姿勢が重要です。
ほかのメンバーに対して受け入れる気持ちを見せるような正しいフィードバックを行うことで「自分の意見が否定されている」と感じることが少なくなり、心理的安全性の向上に繋がります。
また、フィードバックは脳がリラックスした状態で行うことが重要です。
最初から具体的な数字や欠点をもとにフィードバックをしてしまうとどうしても身構えてしまい、自由な発言が阻害されてしまいます。
そのため、「あなたが仕事で最も成功したのはどのようなことですか」などポジティブな質問を投げかけ、それを前提としたフィードバックを進めることが推奨されています。
このようなフィードバックを行うための具体的な施策としては、ピアボーナスが挙げられます。
ピアボーナスとはメンバー同士で少額の報酬を送り合うことのできる成果制度です。
例えば、毎月各メンバーには一定のポイントが付与されます。
メンバーはそのポイントをお世話になった人やチームの成果に貢献した人に対して送り、受け取った人はそれを少額の現金に換えることができるという制度です。
このピアボーナスのメリットは、誰もが評価の当事者になるという点です。
ポイントを与えるという行動を通じてほかのメンバーの長所を考えることに繋がりポジティブな目線を養うことができ、また自分自身もポイントを受け取るために相手が喜ぶことは何かを考えるようになります。
リーダーシップ
部下にとって上司とのコミュニケーションはどうしても負担のかかるものになってしまいがちです。
この負担が大きければ大きいほど率直な意見を述べにくくなってしまい、心理的安全性が低くなると言えます。
このような状態に陥らないために上司がすべきことは、まず上司としての権力の正しい扱い方を認識することです。
上司は権力やパワーがあることが当然だという考え方にもとづいたマネジメントを行ってしまうと、部下を萎縮させてしまうだけでなく、そのようなリーダーシップから学んだ部下がさらに部下や後輩へも誤った接し方をすることに繋がります。
このような権力やパワーを感じさせないリーダーシップをとるためには、例えば以下のような方法が考えられます。
まず、立場が上の人こそ弱みを見せるということです。
「誰にでも失敗することはある」といった一般論を伝えるのではなく、積極的に自身の失敗談を述べたり弱みを見せたりしてその改善に努めることで、「自分もどのような発言をしても大丈夫なんだ」と部下に考えてもらうことができます。
また、リーダーに対するフィードバックを行うという方法もあります。
多くの評価制度では上司が部下を評価するのが一般的ですが、例えばGoogle社では半年に1回、メンバーがマネージャーを匿名で評価するという制度があります。
匿名であるため率直な意見が出やすく、また上司自身も様々なフィードバックを受け入れながら心理的安全性を高めることが可能です。
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