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サービス業の離職率とは?離職率が高い原因と対策方法を紹介
サービス業はさまざまな産業の中でも、離職率が特に高い業界として知られています。
就職する人も多いのですが離職する人も多いため、慢性的な人手不足が発生して悪循環に陥っているケースも多く、離職を防止するための対策が急務です。
今回は、サービス業の離職率や離職率が高い原因、離職を防止するための対策方法について紹介します。
もくじ
サービス業の離職率はどれくらい?
厚生労働省「令和2年雇用動向調査結果の概況」から「産業別の入職率・離職率」を見てみると、最も離職率が高いのは「宿泊業、飲食サービス業」で26.9%、次いで「サービス業(ほかに分類されないもの)」19.3%、3番目は「生活関連サービス業、娯楽業」の18.4%です。
離職率が高い産業の1位から3位を、サービス業が占めていることが分かります。
ここでいう「産業」とは、日本標準産業分類に基づく16の大産業のことです。
常用労働者全体の平均離職率は14.2%なので、サービス業の離職率がいかに高いかを感じることができるでしょう。
入職者数の差が大きいため一概に比較することはできませんが、「製造業」9.4%、「金融業、保険業」7.7%など、離職率が10%以下の産業は7つあります。
入職者が同程度の「卸売業、小売業」(114万2100人)、「宿泊業、飲食サービス業」(122万7200人)、「医療、福祉」(111万7500人)で離職率を比較してみると、「卸売業、小売業」は13.1%、「医療、福祉」は14.2%であり、「宿泊業、飲食サービス業」の26.9%には遠く及ばず、また平均以下の数値です。
平成22年~令和2年の10年間、平均離職率は14.2~15.6%の間を推移しており、令和2年の数値は平成18年からの14年間で最も低いものです。
令和2年は平均離職率が低かったということを前提に考えると、サービス業の離職率の高さがさらに際立ちます。
宿泊業、飲食サービス業の具体的な仕事内容
産業別離職率が最も高い26.9%の「宿泊業、飲食サービス業」とは、宿泊業、飲食店、持ち帰り・配達飲食サービス業のことです。
さらに小さく分類すると、宿泊業には、旅館、ホテル、下宿業など、飲食店にはレストラン、専門料理店、喫茶店、バーなどがあり、それぞれに補助的経済活動を行う事業所(管理事務を行う本社、支社など)が含まれます。
サービス業(ほかに分類されないもの)の具体的な仕事内容
産業別離職率が2番目に高い19.3%の「サービス業(ほかに分類されないもの)」とは、廃棄物処理業、自動車整備業、職業紹介・労働者派遣業、政治・経済・文化団体、宗教など多岐に渡るサービス業のことです。
産業廃棄物処理業、電気機械器具修理業、速記・ワープロ入力・複写業、警備業などのほか、他に分類されない全てのサービス業を含んでいます。
生活関連サービス業、娯楽業の具体的な仕事内容
産業別離職率が3番目に高い18.4%の「生活関連サービス業、娯楽業」とは、洗濯・理容・美容・浴場業、その他の生活関連サービス業、娯楽業のことです。
さらに小さく分類すると、洗濯・理容・美容・浴場業には理美容業・一般公衆浴場業など、その他の生活関連サービス業には旅行業・家事サービス業・冠婚葬祭業など、娯楽業には映画館・興行場などが含まれます。
サービス業の離職率が高い原因
厚生労働省「令和2年雇用動向調査結果の概況」の「産業別の入職率・離職率」によると、入職率の高い1~3位は、離職率の高い1~3位と全く同じです。
つまり「宿泊業、飲食サービス業」「サービス業(ほかに分類されないもの)」「生活関連サービス業、娯楽業」は入職率が高く、離職率が高い職場と言えます。
これが意味していることは、多くの人が採用される一方で多くの人が離職しているということで、人材が流動的で定着していないことが分かります。
その原因として考えられる内容を紹介します。
1.賃金の水準が低い
サービス業は他業種よりも賃金水準が低いといわれています。
令和2年6月分の賃金について調査している、厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査の概況」によると、男女ともに最も賃金が低いのは、最も離職率の高い「宿泊業、飲食サービス業」で、男性が27万8200円、女性が20万8900円です。
離職率が2番目に低い「サービス業(ほかに分類されないもの)」は、男性28万3500円、女性22万8500円、3番目に低い「生活関連サービス業、娯楽業」は男性30万700円、女性22万5100円となっており、いずれも平均賃金(男性33万8800円、女性25万1800円)を下回っています。
2.労働時間が長く、休日や深夜の勤務も発生する
サービス業の中には、土日祝日や夜間に営業を行っている職種があります。
飲食サービス業では、深夜営業や24時間の店もありますし、宿泊業では夜勤もあります。
慢性的な人手不足も重なり、休日に休みを取ることができなかったり、シフトが入らない時間帯を埋めるため、長時間勤務をしているケースもあります。
こうした場合では、年末年始やお盆でさえ長期間の休みをとることもかなわないでしょう。
こうした勤務体系を負担に感じて離職する人も多いです。
3.人間関係によるストレス
サービス業に足を踏み入れた人の中には「人と関わる仕事がしたい」という希望を抱いている人もいるでしょう。
接客の仕事はやりがいのある仕事ですが、その一方でクレーム対応などストレスがかかる場面も多いです。
周囲からのサポートがない場合やクレームの多い職場では、客との人間関係に悩んだり、周囲に仕事についての悩みを相談できなかったりして、離職するケースもあります。
サービス業において離職を防止する対策
サービス業は、客と対面で接することができるやりがいのある仕事ですが、ハードな労働環境に対して対価が低すぎることが離職につながっていると考えられます。
離職を防止するためには、労働環境の改善、賃金のアップ、職場の人間関係の改善が必要です。
サービス業の特性上、休日出勤や深夜勤務を完全になくすのは難しいですが「削減できる業務はないか」「深夜勤務が偏っている人はいないか」などと業務や勤務体系を見直して、少しずつ変えていきましょう。
休暇を取る制度はあっても、人員不足に陥って休みが取れない環境になっているかもしれません。
また、人間関係な良好な職場づくりにも注力するとよいでしょう。
クレーム対応を1人だけが抱え込まずに済むようなサポート体制も、従業員間の良好な人間関係があってこそ成り立ちます。
新人の離職を防止するためには、教育制度の充実も大切です。
シフト制で勤務することが多いサービス業では、従業員がいつも顔を合わせているわけではありません。
それだけに、従業員間のコミュニケーションを深めるための工夫が必要になります。
従業員間のコミュニケーションが活発になれば、助け合ったり、工夫し合ったりすることで業務の生産性も上がっていくでしょう。
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今回は、サービス業の離職率や離職率が高い原因、離職を防止するための対策方法などについて紹介しました。
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