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目安箱とは?メリットや課題、おすすめのWeb目安箱ツールを紹介

目安箱とは?メリットや課題、おすすめのWeb目安箱ツールを紹介

従業員の声や課題を可視化して、組織作りの施策の参考にしたい場合は、従業員の声や要望を集めるために目安箱を使うのは1つの方法です。
目安箱という形であれば、比較的に意見やアイディアを出しやすく、従業員の率直な声を聞けるかもしれません。
ただ、従業員と管理職、役員では視座が異なるため、本当に会社をよくするための声が集まるかは不明ですが、組織作りの参考になる可能性があります。
今回は、目安箱のメリットや課題、おすすめのWeb目安箱ツールなどについて紹介します。

会社の目安箱とは?

会社の目安箱とは、匿名で意見や要望を伝えられるシステムを指し、会社や学校などさまざまな組織で導入されています。
目安箱を導入する企業が増加した背景には、2022年4月からパワーハラスメント防止措置が全企業に義務化されたことも影響しています。
また、2022年6月に公益通報者保護法の一部が改正されたため、従業員が301名以上の事業者は内部通報窓口の設置が義務化されました。
上記2つの法律が施行されたため、事業者はパワーハラスメント対策と内部通報窓口の設置をしなければならなくなりました。
従業員の権利と安全を確保するため、事業者が会社に目安箱を導入するようになっています。
この取組みによって、従業員が普段言いにくい不満や要望などを匿名で投稿できるようになるため、パワーハラスメントの防止や内部通報窓口の設置が可能になります。

参考:厚生労働省「職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました!」

参考:消費者庁「公益通報者保護法の一部を改正する法律(令和2年法律第51号)」

会社に目安箱を設置する目的

会社に目安箱を設置する主な目的は「組織の問題の早期発見と改善、組織内のコミュニケーション円滑化」です。
従業員が業務内容や職場環境についてどう思っているのか率直な意見を集められ、普段見えにくい従業員の考えや不満を可視化できます。
可視化によって現状の課題が明確になると、解決に向けて取り組めるため、離職率の低下につながります。
それでは、目安箱を設置する目的を紹介します。

従業員の考えや不満を可視化するため

現在の業務内容や職場環境について不満を持っていても、なかなか言えない従業員もいるかもしれません。
目安箱を導入すると、従業員は業務内容や職場環境についてどう思っているのか意見しやすくなるでしょう。
従業員の率直な意見は貴重なフィードバックであり、労働条件や職場環境を改善するうえで欠かせません。
また、目安箱から得られる情報はそれだけではなく、従業員が会社に対してどのような福利厚生を求めているのか、どのような職場環境が理想なのかといった情報も収集できます。
そのため、従業員の意見を可視化することは、問題の早期発見につながります。

現場での課題を把握するため

経営層からは何も問題ないように見えたとしても、現場では問題が発生しているケースがあります。
業務を進めているだけでは気づかない問題を目安箱に投稿してもらうことで、経営層が現場での課題を把握できます。
通常、現場の問題を上司に伝えるのは心理的に困難です。
しかし、目安箱は匿名性を維持して投稿できるため、従業員の率直な意見を収集できます。
収集した意見をもとに現場での課題をリストアップし、改善に向けて取り組むことで経営層と従業員の意思疎通がよりスムーズに進むでしょう。

従業員の離職が増え、課題を把握・解決するため

従業員の離職が増えたが何が原因なのか分からない場合、目安箱を設置することで原因の特定が可能になります。
原因を特定できると従業員が離職するリスクを下げられるでしょう。
しかし、目安箱は匿名で投稿できるため、「誹謗中傷や信頼性の低い情報が寄せられるのではないか」と懸念する事業者もいるかもしれません。
実際は、目安箱に投稿される情報の中に懸念していたような情報はほぼなく、信頼性の高い情報が多く投稿されているようです。
また、従来のチャットツールや窓口よりも数多くの従業員の声が投稿されるため、すでにチャットツールや相談窓口を設置している事業者にも目安箱はおすすめといえます。

上司に相談しにくい内容を拾い上げるため

新入社員が上司からハラスメントを受けていた場合、誰に相談すればよいのかわからずストレスをためこんでしまうでしょう。
働くうえでストレスは避けられない問題ですが、相談すべき人や窓口がわからない状態で働き続けることは困難です。
上司に相談しようと思っても相談内容がハラスメントを含んでいる場合、直接相談することも難しいため、匿名で相談できるツールが必要になります。
そこで、役に立つツールが目安箱です。さまざまなハラスメントを含む相談しにくい内容でも匿名性を維持して通報できるため、気負わずに悩みを相談できます。

↓組織サーベイや組織診断の目的や内容例を紹介した記事はこちら↓
組織サーベイ・組織診断とは?実施目的や取得内容例、実施メリットを紹介

会社に目安箱を設置する上での課題

実際の会社に目安箱を設置する場合、従業員が意見を記入した紙を箱に入れる必要があります。
そのため、不正やいたずら、記載内容を他の人に見られてしまうなどさまざまな問題が発生しかねません。
ここでは、実際の会社に目安箱を設置する際の課題を紹介します。

誰も見ていないところで不正やいたずらのリスクがある

単に目安箱を設置しただけでは、不正やいたずらのリスクがあります。
例えば、自分ではない他人の従業員の名前を借りて投函する、複数の従業員で結託して虚偽の報告をするなどが考えられます。
このような問題を回避するには、目安箱に鍵をかけたり特定の従業員に目安箱の管理を任せたりなどの対策を取る必要があります。
しかし、対策を取った結果、従業員の回答率が下がり、従業員の率直な意見を集められなくなるようでは目安箱を設置した意味がありません。

記載内容を他の人に見られるリスクがある

目安箱に鍵が付いていない場合、誰でも箱の中身を確認できるようになってしまうため、記載内容を他の人に見られるリスクがあります。
目安箱に鍵を付け、紙を投函する部分だけ穴を開けておいたとしても、他人に見られるリスクを完全に回避できるわけではありません。
目安箱の担当者が箱の鍵を落としてしまったり、目安箱の開封中に他人の目に入ってしまったりなど、さまざまな状況が考えられます。
この問題は実際の会社に目安箱を設置し、開封して従業員の意見を確認する都合上、回避できないでしょう。

従業員に手間がかかるので、意見が集まらない

単純に従業員が普段思っていることを、意見として投函するだけならあまり手間はかからないかもしれませんが、繫忙期などで通常業務が忙しい場合、従業員の回答意欲が低下します。
また、繁忙期でなかったとしても、通常業務の合間に自分の意見を紙に記入して投かんする必要があるため、面倒くさがって回答をしない従業員もいるでしょう。
結果、目安箱に従業員の意見が集まらず、業務改善につながらないおそれがあります。

集計や内容の確認に時間がかかる

会社に設置した目安箱は、紙で従業員の意見を集めるため、回収する従業員にも手間がかかります。
従業員の意見が記入された紙がいつ投函されるのか予測できないため、毎日目安箱をあけて中身を確認しなければなりません。
リモートワークを推奨している会社の場合、「目安箱を確認するために出社しなければならない」という本末転倒なことにもなりかねないでしょう。
職場勤務の会社だったとしても、担当者の通常業務に加えて「箱をあけて中身を確認し、意見を収集する」という負担は大きなものです。
また、意見箱の意見の確認・収集作業にも人件費が発生するため、紙で従業員の意見を集めるのは非効率的といえます。

Webの目安箱ツールを活用するメリット・効果

前述した実際の会社に目安箱を設置するうえでの課題は、会社に目安箱を設置するのではなく、Web目安箱を活用することで解決できる可能性があります。
続いて、Webの目安箱を活用するメリットや効果を紹介します。

いつでもどこでも投稿ができる

紙の目安箱の場合、社内で紙に意見を記入し、目安箱に投函する必要がありました。
しかし、Webの目安箱は、時間や場所を問わず従業員の意見を投稿できます。
また、職場勤務と在宅勤務の従業員が混在していてもWebでの回答が可能なため、従業員の意見をより集めやすくなります。
Webの目安箱のフォームによってかかる回答時間は異なりますが、紙に意見を記入して目安箱に投かんするよりも短時間で投稿することが可能です。

匿名性が担保される

Webの目安箱は匿名で投稿することも可能なため、匿名で回答できるように設定しておけば従業員のより率直な意見を収集できます。
しかし、従業員の立場から考えると「匿名性が担保されているとはいえ、率直な意見を伝えても問題ないのだろうか」と悩む人もいるかもしれません。
そのため、事前に匿名で回答できる旨を従業員に周知しておき、回答内容が人事評価・人事異動に響かないことを保障しましょう。

セキュリティーが担保される

Web上で回答するうえで懸念すべき事項は、セキュリティの担保です。
Webの目安箱は匿名で回答できるとはいえ、従業員全員が回答内容を確認できる状態では意味がありません。
そこで大切になるのが「権限管理設定」です。
権限管理設定を担当者のみに設定しておくことで、他の従業員がWebの目安箱の回答内容ページにアクセスできないようになります。
回答内容ページを閲覧できる権限を担当者のみに付与すれば、前述の「記載内容を他の人に見られる」リスクを回避できます。

紙に書く、箱に入れる手間が無くなる

紙の目安箱は、紙に意見を書いて箱に入れる手間がかかります。
しかし、Webの目安箱は専用サイトやアプリにアクセスして自分の意見を入力し、回答ボタンを押すだけです。
使い慣れたパソコンやスマホで簡単に操作できるため、従業員の手間を省き、率直な意見を記入する心理的なハードルを下げる効果が見込めます。
結果、従業員の回答率が向上し、自社の現状の課題が明確なものになるでしょう。

回答を集計しやすい

Webの目安箱の中にはアンケート機能を実装しているアプリもあり、あらかじめ質問と回答(選択肢)を設定しておくことで回答結果を自動で集計できます。
集計結果はCSVファイルもしくはGoogleスプレッドシートへのエクスポートが可能なため、既存のCRMに容易に回答結果を反映できます。
アプリによっては、回答結果のエクスポートが不要なものもあり、回収や収集・分析を一括で行えるため、目的に合わせてアプリの導入を検討しましょう。

各種通報や相談の窓口をツール上で行える

会社に設置された目安箱の場合、上司のパワーハラスメントなどを通報するのはかなり勇気が必要です。
上司からパワーハラスメントを受けた場合、黙って仕事を続ける従業員もいれば退職を余儀なくされる従業員もいるでしょう。
しかし、Webの目安箱の場合、匿名で不満や要望を伝えられるため、パワハラや法令違反行為を通報しやすい環境になります。
ツール上で通報・相談窓口を設定しておき、普段からパワハラや法令違反行為は窓口に通報するよう周知しておけば、さまざまなハラスメントの予防が可能です。
また、自社の通報・相談窓口では不安な場合、第三者機関の社外内部通報窓口(情報提供)サービスの利用を検討するのも一つです。

↓従業員の意見を集約し、施策の立案に繋げる方法を紹介した記事はこちら↓
組織サーベイ・診断の設問項目や結果の分析、施策の立案方法を紹介

Web目安箱として活用できるツール

最後に、Web目安箱として活用できるツールを4つ紹介します。
ツールによって利用できる機能は異なるため、それぞれの違いを理解して導入を検討してください。

Google Form

Google Formは、UIがシンプルな設計です。
そのため、初めてWeb目安箱を導入する企業でも簡単に目安箱を作成できます。
また、質問と回答をセットで管理できるため、質問と回答を見返すのが簡単です。
ビジネスでGoogle Formを利用する場合、以下のプランから自社に合ったプランを選択可能です。
なお、Google FormはGoogle Workspaceに含まれるアプリの一つであり、その他にもさまざまなアプリを利用できます。

ビジネススターター 680円(ユーザー1人あたりの月額、1年契約の場合)
ビジネススタンダード 1,360円(ユーザー1人あたりの月額、1年契約の場合)
ビジネスプラス 2,040円(ユーザー1人あたりの月額、1年契約の場合)
エンタープライズ こちらから営業担当者に問い合わせてください。

参考:Google Workspace

みんばこ

みんばこは、フォーム作成が容易である他、グループ機能や権限選択機能なども有しているため、従業員の率直な意見を収集しやすいWeb目安箱です。
匿名での進捗状況の報告、指定したグループにのみカテゴリを表示する、管理者ごとにカテゴリの閲覧/返信権限の付与が可能など使い勝手の良いシステムです。
みんばこの料金プランは以下のように設定されています。

スターター 1万円/月
ベーシック 4万円/月
エンタープライズ 6万円/月

参考:みんばこ

シナジーHR意見

シナジーHR意見は、匿名のアンケート機能や掲示板機能などの機能を有しており、目的に合わせたアンケートも自由に作成可能な社内クラウドツールです。
従業員のさまざまな意見を収集できるツールですが、目安箱専用サービスではない点に注意しましょう。
こちらのツールもシンプルな設計になっているため、導入する際の手間や複雑な操作を必要としません。
シナジーHR意見の料金プランは以下の通りです。

シナジーHR意見 400円(1ユーザー/月額)

参考:シナジーHR意見

サイボウズoffice

サイボウズofficeは、アクセス権限を設定して匿名性を維持できるカスタムアプリです。
従業員からの意見の対応をする部署や担当者を設定できるため、従業員の意見に対して素早い回答ができます。
また、従業員A(投稿者)の意見に従業員B(第三者の従業員)が意見を書き込むことも可能です。
ただし、サイボウズofficeはアカウントを持っていないユーザーの情報は収集できません。
また、さまざまなカスタマイズが可能なため、使いこなすには専門知識が必要です。
サイボウズofficeの料金プラン(クラウド版)は以下の通りです。

スタンダードコース 1ユーザーあたり月額500円(5ユーザーから利用可能)
プレミアムコース 1ユーザーあたり月額800円(5ユーザーから契約可能)

参考:サイボウズoffice

おすすめのエンゲージメント向上ツール「THANKS GIFT」

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今回は、目安箱のメリットや課題、おすすめのWeb目安箱ツールなどについて紹介しました。
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