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ワークライフバランスとは?意味やメリット、向上の取り組み事例を紹介
働き方改革の影響もあり「ワークライフバランス」の重要性が注目されるようになりました。
一方で、ワークライフバランスの細かい定義を理解していない経営陣、人事担当者もいるのではないでしょうか。
従業員の健康と生活を守るためにもチェックしておきたい要素です。
今回は、ワークライフバランスの意味やメリット、対策の事例などを紹介します。
もくじ
ワークライフバランスとは?
ワークライフバランスとは「仕事と生活の両立」のことを指します。
仕事と日常生カルのいずれかを犠牲にすることなく、従業員が健全に働けている状態を「ワークライフバランスが実現している/充実している」と表現します。
ワークライフバランスが注目されるようになった背景
ワークライフバランスが注目されるようになったのは、平成19年12月に内閣府が「仕事と生活の調和憲章」と 「仕事と生活の調和推進のための行動指針」を制定して以降です。
これらのガイドラインにより、企業には従業員のワークライフバランスを整えることが義務付けられました。
さらに、平成31年4月から「働き方改革関連法」が順次施行されると、ますます従業員の労働時間や待遇を見直す風潮が強まっていったのです。
ワークライフバランスとは単純に「仕事を減らして楽にする」ということではありません。
もちろん、「仕事のために生活を犠牲にする」という考え方も論外です。
仕事と生活がともに充実し、相乗効果を生み出すことが理想的なワークライフバランスだとされています。
そして、ワークライフバランスにおいては「ファミリーフレンドリー」と「女性の社会進出」といった2つの軸があります。
ファミリーフレンドリーとは、誰もが産休や育休を取得できて職場復帰しやすい働き方です。
そのうえで、男性社会の中で不当な扱いを受けることも多かった女性の地位向上も重要視されています。
この2つの時期が揃ったとき、企業では「ワークライフバランスが実現した」といえるでしょう。
ワークライフバランスが実現することで企業にもたらされるメリット
ワークライフバランスが実現することによって、以下のようなメリットがあります。
1.従業員の定着・離職率の低下
ワークライフバランスが実現することで企業にもたらされるメリットの1つ目は、高齢化社会への人材確保です。
日本では少子高齢化が進み、国民の平均年齢が上昇し続けています。
そのため、親の介護に追われる従業員も増加傾向にあります。ただ、ワークライフバランスが整っていないと、会社を辞めて介護に集中しなくてはならなくなる従業員も出てくるでしょう。
ワークライフバランスには介護という重大な問題に直面しても、有能な人材を会社に引き留めておけるメリットがあります。
2.女性従業員の定着率の向上
次に、女性社員を増やせるのも魅力です。
出産や育児といったライフイベントを控えている女性は、どうしても男性以上に離職率が高くなってしまっているのが現状です。
内閣府男女共同参画局が平成30年に公表した「『第1子出産前後の女性の継続就業率』及び出産・育児と女性の就業状況について」によると、女性有職者の半数以上が第一子誕生後に職場を辞めていました。
しかし、ワークライフバランスが実現している職場では、出産や育児と向き合っている女性にもサポートが用意されている傾向にあります。
育休や産休を経て職場に復帰できるため、女性の離職率が低下することが期待できます。
その結果、職場における女性の割合を高められるのです。
3.従業員のモチベーション・生産性の向上
そのほか、「従業員のモチベーションアップ」も期待できます。
プライベートの生活が充実すれば従業員はリフレッシュして働けるので生産性が向上します。
生産性が向上することによって、無駄な残業もなくなるためますますプライベートに割ける時間が多くなります。
こうした好循環が続く限り、従業員は高いモチベーションを持って仕事に取り組めるでしょう。
ワークライフバランスのために企業ができる取り組み
ワークライフバランス実現のために、企業が行える取り組みや支援として以下のようなものがあります。
1.多様な働き方を認める
ワークライフバランスを実現・充実させるために重要なことの1つは「働き方の多様性を認めること」です。
育児や介護に追われている従業員は時短で出勤できるようになると働きやすさが増します。
その他、フレックスタイム制の導入も効果的でしょう。
従業員ごとに理想的な時間の使い方を見出せるので、ワークライフバランスが実現します。
2.残業や休日出勤を削減する
次に、「残業や休日出勤の削減」を徹底しましょう。
ここで注意したいのは、残業を禁止するだけでは根本的な解決にならない点です。
従業員が早く帰れても、作業が納期通りに終わらないのでは意味がなく、仕事を自宅まで持ち帰ってしまう従業員も出てきてしまう可能性があります。
そもそも残業を生み出している問題を洗い出し、業務改善を行うことが企業には求められます。
3.人材配置や業務の外注を考える
適材適所の人材配置を検討したり一部業務をアウトソーシングすることは改善策につながります。
自社の限られたリソースで最大限の成果を出すために、業務を棚卸ししたり、従業員の強みを生かせるような組織配置が行うことで全体の生産性が向上します。
4.社食や託児所を設ける
社内に食堂や託児所を設けることも歓迎されます。これらの思いやりが伝われば、従業員は幸福感を感じながら働けます。
そうやってやる気と作業効率が高まれば、ワークライフバランスも自然に整っていきます。
有名企業のワークライフバランスに関する事例
株式会社クレストコンサルティング
株式会社クレストコンサルティングは、マニュアル制作の分野に精通している企業です。
クレストコンサルティングでは、従業員の残業を減らしたり有給休暇取得率を高めたりするためにさまざまな取り組みを実践してきました。
たとえば、当日の就業時間前までの申告なら急なテレワークにも対応してもらえるルールです。
また、育児や介護でのトラブルを見越し、休暇を15分単位で取得できるようにしました。
さらに、男性の育児休暇取得を促進しているだけではなく、全社員を対象にして理解を呼びかけるための研修も実施しています。
この研修により、男性が育休を申請しやすい土壌が形成されています。
オタフクソース株式会社
調味料メーカーのオタフクソースは、希望者に対して転居を伴う転勤を免除する制度を実施してきました。
その結果、育児や介護に手をとられている従業員も仕事との両立がスムーズになりました。
そのほかにも、最大5日連続で取得できる「ノーリーズン休暇」も設けられています。
そのうえで取得率が高まるよう、ノーリーズン休暇の研修も開催されてきました。
実際、分割のケースも含めると全社での取得率は90%を超えています。
株式会社NTTスマイルエナジー
エコめがねの販売、エネルギー開発に従事している企業です。
NTTスマイルエナジーでは年間1万円まで、従業員一人ひとりに「ライフ充実支援施策」を行っています。
この施策により、従業員は自分の新しい挑戦に必要なものを自由に購入できます。
また、従業員の健康を願ってサラダバー「smile vegetable festival」を設けるなど、独自性あふれる取り組みが好評を博してきました。
ワークライフバランスを充実させ、従業員が定着・活躍できる環境を整えよう
今回は、ワークライフバランスの概要や充実させることのメリット、取り組み事例などを紹介しました。
従業員が働きやすい環境を整備することによって、生産性が向上し業績にも良い効果が期待できますので、ぜひ企業側は自社の問題を把握した上で、環境整備に取り組んでみてください。
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