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カルチャーモデルとは?7Sのフレームワークや浸透させる方法を紹介

カルチャーモデルとは?7Sのフレームワークや浸透させる方法を紹介

どのような企業にもその企業らしさというものがあります。
企業らしさは企業にとってよいものであることもあれば、そうでないこともあるでしょう。
そうした企業内の空気に意識的になるのがカルチャーモデルという考え方です。
そこで今回は、カルチャーモデルの重要性や作成方法、社内に浸透させる方法について紹介します。

カルチャーモデルとは?

カルチャーモデルとは、企業内のカルチャーを言語化・可視化するための仕組みのことです。
企業のカルチャーは簡単にいうと、企業内の空気や雰囲気です。
企業のカルチャーは経営者をはじめ、幹部や現場の社員一人ひとりの行動や言動によって培われます。
企業が持続して発展するためにはビジネスモデルが必要であるように、どのような企業もそのビジネスモデルに合ったカルチャーモデルが必要です。

たとえば、いくら新規事業にチャレンジしようと思っても、自社のカルチャーが保守的であれば多くの困難にぶつかることになるでしょう。
また、上司にものを言えない空気が社内にまん延している会社や目標を達成しなければならないというプレッシャーが強すぎるような会社は、そうでない会社と比べて組織ぐるみの不正に手を染めてしまう可能性が高いといえます。

一方で、企業カルチャーが会社のビジネスモデルと一致しているとさまざまなメリットがあります。
意思決定のスピードが速くなったり、社員が自ら考え行動できるようになったりするでしょう。
対外的なブランディングもしやすくなるため、優秀な人材の確保や外部パートナーとの提携につながります。

カルチャーモデルの作成方法

それでは、どのようにして自社のカルチャーモデルを作ればよいでしょうか。
そのために効果的なフレームワークのひとつとして7Sがよく知られています。
7Sはアメリカの大手コンサルティング会社であるマッキンゼー・アンド・カンパニーが開発したフレームワークです。
7SのSは企業カルチャーを考える上で必要な要素です。7Sはまず、ハードのSとソフトのSの2つに分けられます。

カルチャーモデルを構成するハードのS

ハードのSは主に企業の構造面における要素で、「組織構造(Structure)」「システム(System)」「戦略(Strategy)」の3つがあります。
ハードのSは経営者が比較的短期間で変更できるため、コントロールしやすい要素だといえるでしょう。

組織構造(Structure)

「組織構造(Structure)」は企業がどのような組織によって構成されているかということです。
たとえば、企業には事業部制を採用しているところとそうでないところがあります。
自社のビジネスモデルやビジョンについて考えた際、事業部制を採用するか否かを考えることが組織構造のSだといえます。

システム(System)

「システム(System)」はその組織における管理システムや情報システムなどのことです。
具体的には、給与制度やインセンティブ制度、人事評価の仕組みなどがシステムにあたります。

戦略(Strategy)

最後の「戦略(Strategy)」は組織の構成やビジネスモデルを作成する際に根幹となるものです。
戦略は市場の変化を常に観察し、状況に応じて柔軟に変更する必要があるでしょう。

カルチャーモデルを構成するソフトのS

ソフトのSはその会社で働く現場の社員たちによってつくられるものです。
そのため、通常にはなかなかコントロールしにくく、また変えるためには時間がかかる要素です。
ソフトのSは4つあります。

人材(Staff)

まずは「人材(Staff)」です。
その会社で働いている人材がどのような属性なのかによって培われる組織風土は変わります。
女性が多いか少ないか、若い人が多いか少ないかなどはそれが顕著に表れるケースだといえるでしょう。
また、そうした社員がどれくらいのモチベーションを持って働いているかも企業カルチャーを作る大きな要因となります。

スキル(Skill)

「スキル(Skill)」はその会社やその会社で働く従業員が独自に持っている技術です。
あるいは、会社がこれまでの企業活動で得たノウハウもスキルに含まれます。
そうしたスキルがどの程度あるかによって、市場における競争優位性は大きく変わります。

経営スタイル(Style)

その企業の「経営スタイル(Style)」もソフトの4Sにおける一要素です。
経営スタイルはビジネスモデルや戦略というほどではないものの、その組織らしさを表す方針や風土のことを指します。
たとえば、トップダウンで重要事項が決まるのか、それともボトムアップで決まるのか、あるいは、スピードを重視する会社なのか、それともクオリティを重視する会社なのか、というようなことです。

企業の価値観(Shared Value)

最後のSは「企業の価値観(Shared Value)」です。
Shareは共有を意味します。
つまり、その企業において自社の価値観やビジョンがどれだけ自社内外で共有されているか、または共有させていきたいのかということです。

カルチャーモデルの社内へ浸透させる方法

それでは、明確になった自社が目指すべきカルチャーモデルは、いかにして社内に浸透させればよいのでしょうか。
カルチャーモデルを社内に浸透させる方法として、グロービス経営大学院客員准教授で「カルチャーモデル最高の組織文化のつくり方」という著書も出版している唐澤俊輔氏はコトラーのマーケティングにおけるフレームワークである5Aの活用を提唱しています。

コトラーの提唱する5Aは「認知(Aware)」「訴求(Appeal)」「調査(Ask)」「行動(Act)」「推奨(Advocate)」の5つです。それぞれ具体的に解説しましょう。

まず「認知(Aware)」の段階では自社のカルチャーを言語化・可視化し、それがさまざまな場面で社員の目に触れるようにします。
言語化・可視化した自社のカルチャーモデルを社内にポスターとして貼ったり、社員にノベルティとして配ったりするとよいでしょう。

次に、「訴求(Appeal)」の段階では社員と会社とのさまざまなタッチポイントで自社のカルチャーを伝えます。
タッチポイントとは、面接における採用プロセスから採用後の人事評価、異動などの場面です。
重要なポイントは、社員と会社との接点の場において、一貫して自社のカルチャーを体現し続けることです。

3つ目の段階である「調査(Ask)」では、社員が社内の情報ソースから、社外の人は対外的に公開されている情報から自社のカルチャーを知ることができるようにします。
このとき、着飾ることなく実態をそのままオープンにすることが大切です。
期待値ギャップが起きてしまうことは会社にとって大きなリスクとなってしまうからです。

これらの段階を経て、4つ目の段階である「行動(Act)」に至ります。
社員が自社のカルチャーを理解し共感することで、それに沿った行動を自ら率先してとるようになります。
すると、それに合わせたり真似をしたりする社員が増えてくることによって自社の目指すカルチャーが確立されるというわけです。

そうして、最終段階の「推奨(Advocate)」では、社員自らが外に向けて自社のカルチャーを発信するようになります。

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今回は、カルチャーモデルの重要性や作成方法、社内に浸透させる方法などについて紹介しました。
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