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離職検知ツールとは?離職防止のメリットやツール活用の流れを紹介

離職検知ツールとは?離職防止のメリットやツール活用の流れを紹介

人材不足が深刻化する昨今、従業員の離職を防止する「離職検知ツール」に注目が集まっています。
離職検知ツールとは、従業員へのアンケートや離職原因の分析、モチベーション向上を図るための仕組み作りなどをサポートするITツールのことです。
従業員の心境を数値化・可視化して離職の兆候を検知します。
今回は、離職検知ツールの概要や離職を防止するメリット、活用の流れ、ツールの主な機能などについて紹介します。

離職検知ツールとは?

離職検知ツールとは、従業員の離職防止を目的に、企業が実施するさまざまな対策を支援するITツールのことです。
離職検知ツールには、従業員のやる気や動機付けを意味する「モチベーション」や、会社への愛着を意味する「エンゲージメント」に関するアンケートを定期的に実施および分析する機能があります。
結果から、組織の状態や従業員の心境を数値化・可視化することが可能です。
さらに、離職原因の分析やモチベーション向上のための仕組み作りを支援する機能なども備えています。
採用した従業員を失わないために、離職検知ツールの導入を検討する企業は少なくありません。
離職検知ツールを導入することで従業員の定着率が向上するだけでなく、優秀な人材の確保にもつながると期待されています。

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従業員の主な離職の原因

厚生労働省が令和5年8月22日に発表した「令和4年雇用動向調査結果の概況」の「転職入職者が前職を辞めた理由」によると、個人的理由でもっとも多く挙げられた原因は男女ともに「その他の個人的な理由」でした。
その他の主な離職理由は、以下の通りです。

<男性>

  1. 労働時間、休日等の労働条件が悪かった(9.1%)
  2. 職場の人間関係が好ましくなかった(8.3%)
  3. 給料等収入が少なかった(7.6%)
  4. 会社の将来が不安だった(7.1%)
  5. 仕事の内容に興味を持てなかった(4.5%)

<女性>

  1. 労働時間、休日等の労働条件が悪かった(10.8%)
  2. 職場の人間関係が好ましくなかった(10.4%)
  3. 給料等収入が少なかった(6.8%)
  4. 仕事の内容に興味を持てなかった(5.9%)
  5. 会社の将来が不安だった(4.4%)

参照:令和4年雇用動向調査結果の概況|厚生労働省

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従業員の離職を防止することのメリット

従業員の離職防止には、さまざまなメリットがあります。
いくつか例を挙げて詳しく見ていきましょう。

採用コストの削減

採用には人材の発掘や人材募集広告の作成、Webサイトの拡充や説明会会場の確保など、多くのコストを必要とします。
離職者分の採用を定期的に行うことは、経営を圧迫しかねません。
また、採用にむけた人員と労力がかかります。離職者を減らし採用人員を削減できれば、採用にかかるコストも削減できます。

教育コストの削減

新たに人材を採用すれば、教育する必要があります。
中途で経験者を採用しても、企業独自の社風や決まり事などがあるため、一定の教育は必要です。
当然ながら、教育を受けている間は戦力としてカウントできません。
先輩社員も新入社員の教育に時間を割かれてしまうため、一時的でも企業の生産性が落ちる原因になってしまいます。

労働生産性の向上

従業員の定着率が上がれば、熟練者の割合も増えます。
熟練の従業員が増えれば業務効率も上がり、労働生産性の向上に期待できるでしょう。
業務に慣れた従業員同士であれば、業務フローを正確に理解したうえで、スムーズな連携作業も可能になります。
また、余裕も生まれるため、お互いにフォローし合い、さらなる業務効率向上にも期待できるのです。

職場のモラル向上

従業員の定着率が低く入れ替わりの激しい企業では、人間関係の形成も難しいかもしれません。
従業員同士が支え合う環境づくりや、働くモチベーションを上げることにも関係があるといえるでしょう。
やる気のない態度やモチベーションの低い従業員は、周囲にも悪影響を及ぼす原因にもなりかねません。
しかし、従業員の定着率が高ければ良好な人間関係を築くことにも期待できます。
従業員の働くモチベーションアップや社内環境の健全化は、職場のモラル向上にもつながるでしょう。

社外からの評判の向上

従業員の定着率が高ければ、新たな人材採用に力を入れずとも十分な従業員数が確保できます。
また、従業員の定着率が高いと知れ渡れば、その企業は「働きやすくて良い企業」という評判にもつながるでしょう。
特に、就職希望者は社外からの評判にも敏感です。
働きやすい会社だと良い印象を持ってもらえれば、採用する際の希望者数増加や優秀な人材の採用にも期待できます。

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離職関連でのよくある悩み

従業員がなぜ離職を決意するに至ったのか、従業員が抱える不満や悩み(離職原因)については前述の「従業員の主な離職の原因」で紹介しました。
それでは、企業側が従業員の離職に関して悩んでいることとは何でしょう。ここでは、企業が抱える従業員の離職に関する悩みについて紹介します。

従業員の離職理由が分からない

離職の申し出に際し、企業側からすると予期していなかった突然の出来事で、離職理由すら把握できない場合もあります。
このケースは、企業と従業員のコミュニケーション不足が大きな原因といえるでしょう。
また、離職理由は、離職者を防止する対策にとても参考になる内容です。
今後の取り組みのためにも、退職の申し出があった際は、離職理由について、可能な限り確認しておきましょう。

従業員の変化に気付けない

従業員側からすると、ある日突然離職するわけではありません。
会社や仕事内容に、不満や悩みを抱えながら働き続けた末に、離職を決意するケースが多いです。
この間にもモチベーションやエンゲージメントの低下など従業員の内面は変化しています。
「休みがちになった」「仕事中に暗い顔をしている」などは、悩みを抱えた従業員が発するわかりやすいサインです。
働く従業員にいつもと違う様子が見られたら、早めの対応が必要です。
このケースも、上司とのコミュニケーションに問題があるといえるでしょう。
対策としては、普段からの何気ない声掛けや定期的な面談(1on1)を行うことが挙げられます。
コミュニケーションが密にとられていれば、上司は従業員の小さな変化にも気付き、さまざまな対策を講じることができるでしょう。

組織課題が定量的に把握できていない

組織課題とは、組織が掲げる目標の達成を妨害する要因のことです。
しかし、組織課題は多岐にわたり、今取り組むべき課題について見極めること自体が困難な作業になります。
組織としてどのような状態を目指すのか、理想(ゴール)を描いた上でその達成を妨害する一番の課題を絞っていく必要があります。
組織課題を把握する方法としては、「従業員へのアンケート」や「従業員全員でブレインストーミング」、「人事面接」や「ITツールによる課題の見える化」が挙げられます。

組織改善に何から着手すべきか分からない

組織改善とは、企業が継続的に成長できるよう、組織の根本から見直す取り組みを指します。
組織の構造や仕組み、機能や役割、運用方法などを変えることで、企業成長や業績の向上が期待できます。
しかし、組織改善の重要性は理解していても、何から着手すべきか分からない企業も少なくないでしょう。
組織改善を進めるうえで大切なことは「問題と原因の把握」や「改善の優先順位付け」、「目指すべき組織像(ビジョン)の作成」など、事前準備に十分な時間をかけることです。

↓離職防止における対策について紹介した記事はこちら↓
離職防止の取り組みに絶対に欠かせない「1つの情報」と課題別の対策例を紹介

離職検知ツール活用の流れ

離職者が抱える問題を、わかりやすく数値化、可視化できる離職検知ツールの導入が有効でしょう。
離職検知ツールを導入する目的は、アンケート調査などで従業員の内面を可視化し、併せて自社の課題がどこにあるかを把握することです。
ここでは、離職検知ツールを活用する際の流れについて紹介します。

定期的に従業員アンケート取得

定期的な従業員へのアンケート調査は、組織環境と従業員の現状を知ることに大変役立ちます。
質問例としては、「適正な評価を受けていると感じているか」や「現在の業務に満足しているか」といった内容です。
このアンケートによって、従業員の仕事に対するモチベーションや自身が抱えている不満や悩みなど、心身の状態が把握できます。
しかし、ただ形式的なアンケートを繰り返しただけでは意味がありません。
アンケートを実施するうえで重要なのは、従業員に本音で回答してもらうことです。
企業側はアンケートを実施する意図を明確に伝え、安心して回答できる環境づくりを心がけましょう。

アンケート結果の推移を確認

離職検知ツールを活用し定期的にアンケートを実施することによって、従業員のデータを収集・蓄積できます。
蓄積されたアンケート結果を分析し数値化・可視化すれば、組織の環境や従業員の内面がどのように変化しているか確認できます。
アンケート結果の推移を基に実施される対策は、従業員だけでなく企業全体の就労環境改善にも活用できます。
さらに、従業員の満足度向上も目指せるため、離職の防止・定着率の向上にも期待できるでしょう。

スコアの急激な変化を検知

アンケートや適性検査の結果や、面談記録や勤怠情報などと離職した従業員のデータを照らし合わせてAIで算出されるのが「スコア」です。
例えば、離職した従業員がアンケートで多く発言する傾向にある「離職ワード」があります。
例えば「興味がない」「意欲がわかない」などです。
収集したデータの中で離職ワードの発言回数が多い現職の従業員には、高いスコアを付けます。
スコアが高い従業員は、離職の危険性が高いと判断できます。
離職検知ツールでスコアの変化を早めに検知できるため、迅速な対策につなげられるでしょう。

対象の従業員へのフォローを実施

離職検知ツールの活用によって、従業員一人一人をフォローできます。
近年では、リモートワークが増え、対面で接する機会が少なくなり、従業員の内面を把握するのが難しくなったと感じる人もいるでしょう。
離職検知ツールを活用することで、従業員がそれぞれに抱えている不満や悩みを把握できるため、解決に向けた道筋も見えてきます。
また、人事担当者が早めに従業員の離職に関する兆候を見極められるため、個別に面談をセッティングするなど、先手先手の対策が可能になります。

離職検知ツールの主な機能

これまで解説してきた通り、離職検知ツールの利用は、従業員の離職率を下げ、定着率を上げる効果に期待できます。
それでは、具体的にどのような機能が備わっているのか紹介します。

従業員へのアンケート配信

定期的に従業員へアンケートを配信する機能です。
アンケートフォームの作成から配信、回収、そして結果の集計・分析まで、離職検知ツールで一貫して実施できます。
離職の兆候を事前に検知し防止するためには、自社の課題を把握しなければなりません。
効果的なアンケート実施は、従業員が抱える悩みとともに、自社が改善しなければならない課題も素早く把握できるため、離職を防止する対策として有効でしょう。

企業全体での組織課題の可視化

労働環境の問題点や従業員が抱える不満や悩みは、組織が掲げる目標の達成を妨害する要因「組織課題」と考えられます。
離職検知ツールを活用することで、企業全体での組織課題を可視化でき、早期に対策を講じられるのは大きなメリットといえるでしょう。

チーム・個人ごとのスコア可視化

離職検知ツールを活用すれば、定期的なアンケートや適性検査、面談記録や勤怠情報などから算出される「スコア」を可視化します。
個人だけでなく、チームごとや社内全体のスコア確認も可能で、離職の兆候を把握するのに効果的です。

個人単位でのスコアの変動の可視化

従業員のコンディションを定点観測することで、コンデションが下がった(スコアが変動した)タイミングを見逃すことなく、フォローアップにつなげられます。
従業員一人一人に対しての改善に向けた素早い施策の実施は、従業員のモチベーションやエンゲージメント向上と離職防止に効果を発揮するでしょう。

フォロー推奨者のアラート通知

離職検知ツールは、従業員のエンゲージメントを計測し、eNPS(従業員エンゲージメントを測る指標)の結果などからフォローが必要な従業員を一目で検知します。
また、管理者にメールを送信するなどのアラート通知機能があるため、忙しい経営陣や管理職の負担を軽減しながらも、従業員への迅速なフォローが可能となります。

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離職防止ツール12選。導入メリットや活用・失敗事例を紹介

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