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ワークモチベーションとは?尺度や向上させる方法を紹介

ワークモチベーションとは?尺度や向上させる方法を紹介

仕事をする上で、高いモチベーションがあるかないかでその結果は大きく変わるものです。
しかし、従業員にとっては頑張って働いても働かなくても収入や待遇が変わらないのであれば、高いモチベーションを保つのは難しいことでしょう。
今回は、ワークモチベーションの定義や測定するための尺度、向上させる方法について紹介します。

ワークモチベーションとは?

モチベーションとは目標に向かって努力をし、達成するための意欲をいいます。
モチベーションといえば簡単にいえば「やる気」と解釈されがちですが、単純にやる気そのものを指すものではありません。
やる気は個々の人間の主観的な感覚であり、他者が客観的に把握できるものではありません。
モチベーションには漠然とした感覚だけでなく、動機づけという意味も含まれています。

ワークモチベーションとは、組織の従業員がその組織の目標などに対して精力的に行動する状態を表す概念です。
これに関する研究は、経営学の元祖といわれるフレデリック・テイラーや、ホーソン実験で知られるエルトン・メイヨーらのものが有名です。
1997年にMitchellによって「目標に向けて行動を方向づけ、活性化し、そして維持する心理的プロセス」と定義されており、この定義が一般的に定着しています。
さらにいえば、ワークモチベーションは「方向性」「強度」「持続性」の3次元より構成されています。
方向性とは、目標をなぜ、どのように成し遂げるかの明確性です。強度とは、目標を実現するための努力や意識の高さです。
持続性とは、目標を実現するために費やされる時間の長さや継続性です。 従業員のワークモチベーションは生産性に大きく関わります。
そのため、経営者にとってはこれをどうやって引き出すかということが大きな問題です。
現代は、個人の自律性が問われる働き方の多様化、ワークモチベーションを保つのが難しいマルチタスクの問題、職務が分業化されることによるワークモチベーションを得にくい単純労働の増加といった、ワークモチベーションを維持しにくい時代背景があります。
そのため、ワークモチベーションの重要性に注目が集まっています。

↓ワークモチベーションの理論について紹介した記事はこちら↓
ワークモチベーションとは?理論の概要や具体例について紹介

ワークモチベーションに関する理論や研究

ワークモチベーションに関して様々な理論や研究がありますが、その中でも下の4つが有名です。

  • マズローの欲求五段階説
  • ハーズバーグの二要因理論
  • ホーソン研究
  • マクレガーのX理論‐Y理論

ワークモチベーションの測定方法

労働者のワークモチベーションを上げて生産性を向上させるためには、まずワークモチベーションを誰が見ても分かるよう客観的に測定する必要があります。
ワークモチベーションは労働者1人1人によって大きく違うものです。
有名なマズローの欲求階層理論やマクレランドの達成動機理論からも、個人差についての問題がわかるでしょう。
さらに、ワークモチベーションはさまざまな要因によってダイナミックに変動するものでもあります。
そんなワークモチベーションをどのように測定すればいいのかについては、長年にわたって研究が続けられてきました。

マクレランドによるTAT(主題統覚検査)を用いた達成動機の測定、そしてワークモチベーションを間接的に推論あるいは測定する試みがされましたが、ワークモチベーションのダイナミズムに対応するのが難しく、実務的な応用がききませんでした。
現在一般的になっているのは、特定の尺度を用いたアンケートのような形式でワークモチベーションを測定する方法です。
自己決定理論に基づいた内発的動機づけ尺度を用いたものがもっともよく使われています。
また、ワークモチベーションの定義に基づき、「方向性」「強度」「持続性」の3次元を用いてダイナミックな測定に対応できる尺度も作成されるようになりました。
ワークモチベーションを測定するための尺度は今もなお研究され続けており、企業向けには実務的なワークモチベーション管理システムなどのサービスを提供している業者も数多く存在します。

ワークモチベーションを向上する方法

ワークモチベーションを向上するメリットは、生産性や仕事の質が上がることのほか、離職率が下がる、会社へのエンゲージメントが上がる、組織として士気が高まるといったことがあります。
経営者や上司の立場にあれば、従業者や部下のワークモチベーションはぜひ上げて維持していきたいものです。
従業員のワークモチベーションを上げる方法は、さまざまな方法が考えられます。

まず、経営者や上司の立場にあるならば、まず自分のワークモチベーションを上げる努力をする必要があるでしょう。
組織の中で上の立場の人のワークモチベーションが高ければ、従業員は自然と影響されるものです。

次に、ワークモチベーションが上がるような職場環境を整えることがあります。
適切な照明や温度、不快な音や匂いがなく安全であること、リラックスできる休憩所や食堂、トイレがあること、そして健全な人間関係が保たれていることなどが挙げられます。
次に、人事評価制度を見直してみることです。
人事評価制度は普段の仕事を評価され、その後の待遇や給与にも関わってくるので、ワークモチベーションには多大な影響を与えます。
そのため、上司の主観だけで評価するのではなく、公正な人事評価ができる評価基準を採用するなどの工夫が必要となるでしょう。

次に、企業の目的・目標、そして問題や課題を明確にし、従業員と共有することが大切です。
なぜ働くのか、単に生活のための収入を得るためというだけではなく、自分の所属している企業で働く動機をはっきりさせます。
特に、問題や課題をも共有して一緒に考えることは有効です。
従業員が会社の本当に重要な課題は上の立場にいる人が勝手に決断している、ととらえてしまえば会社の問題は他人事となってしまいますが、問題を共有することで企業の問題を自分事として考えることができるようになります。

組織内の情報はなるべくオープンにし、コミュニケーションも充実させることです。
社内でイベントを開催したり、社内専用のSNSを開設するなども有効な手段です。
そして、上司と部下のコミュニケーションを密にし本音で話せるようにするために、1対1での面談を定期的に行います。
仕事上の問題、将来のビジョンなどについて確認し、その都度フィードバックを重ねることで従業員の変化が読み取れるようになるでしょう。
もし部下に意欲があることがわかったら、積極的に仕事に挑戦できるように機会を与えることも非常に有効となります。

また、仕事で成果を上げた従業員は表彰するなど、他人から認められる経験のできる機会を増やすことでもワークモチベーションの向上が期待できます。
表彰式などは地味なものにせず、社員の注目を浴びる華やかな場にするとより効果的です。

そして最後に、ワーク・ライフ・バランスを整えることです。
決して仕事一辺倒の生活にせず、家庭を持っても仕事と両立できるような制度、フレックスタイムやテレワークを活用して柔軟な就業ができる環境をつくること、副業を認めることなどが挙げられます。
これらの方法を実施しながら、定期的にワークモチベーションを測定します。
ワークモチベーションが上がっているかどうかを確認し、もし問題があればその都度フィードバックを行なっていきましょう。
ワークモチベーションの管理によって業務上の負担が大きくなりすぎる場合には、ワークモチベーションの管理に役立つビジネスツールの提供を行っている業者があるので、そのようなサービスを活用するのも1つの方法です。

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今回は、ワークモチベーションの定義や測定するための尺度、向上させる方法などについて紹介しました。
従業員が定着・活躍できる組織を作るために、自社の従業員の特徴や強みをしっかりと把握し、それぞれがやりがいを持って仕事を行えるよう、人員配置や教育、社内制度を通じた支援を行いましょう。

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