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保育士の離職率の現状と理由、離職率を下げるための対策について紹介

保育士の離職率の現状と理由、離職率を下げるための対策について紹介

保育士は人材不足が深刻な業界だといわれています。
特に勤続年数の短い若手保育士の離職率が高いとされており、人材をいかに定着させられるかが保育業界の喫緊の課題だといえます。
それでは、実際のところ保育士の離職率はどのような状況にあるのでしょうか。
今回は、保育士の離職率の現状や離職の理由、離職率を下げるための対策などについて紹介します。

保育士の離職率の現状

厚生労働省が発行する「保育士等における現状」という統計データによれば、保育士の離職率は平成25年の段階で約10.3%と算出されています。
より詳細に内訳を概括すると、

  • 公営保育所の離職率が7.1%
  • 私営保育所の離職率は12%

さらに

  • 勤務開始1年以内の保育士が離職する割合は25%

など、特に私営保育所の若手保育士の離職が深刻な状況になっていることがわかります。
勤続年数3年以内までに範囲を広げると、約半数の保育士が3年を迎える前に離職してしまっており、保育士は人材がなかなか定着しにくい状況にあるようです。

私営保育所の離職率のほうが高い理由

データによれば、公営保育所より私営保育所のほうが1.6倍ほど離職率が高いという結果となっています。
これにはいくつかの要因が考えられます。

1.公営保育所の従業員は公務員扱いのため、安定しやすい

まず、公営保育所は公的機関が運営している公共の施設です。
その施設に勤める従業員は、便宜上公務員として扱われます。
公務員という立場であれば、職業も安定しやすく、給与面や待遇面でも優遇される傾向にあるといえます。
こうした立場的な違いが、公営保育所と私営保育所の間で離職率の有意な差が生じる理由のひとつといえるでしょう。

2.私営保育所は、待遇に差が生まれやすい

また、私営保育所は公営保育所より勤続年数が短いという点も見逃せません。
勤続年数14年以上の保育士の割合を見ると、公営保育所が40.4%あるのに対して、私営保育所はたったの20.2%とちょうど半分しかありません。
私営保育所は各施設によって待遇や給与に差があるため、今の職場を辞めて別の職場に移るという事例も増えがちです。
その結果、公営保育所より高い離職率や短い勤続年数などにつながってしまうと予想されます。

若手保育士の離職率が高い理由

保育士は若手の離職率が高い傾向にあり、人材がなかなか定着しない点に大きな問題を抱えています。
それでは、なぜ若手の保育士は短い期間で辞めてしまうのでしょうか。

1.平均給与が他の職種に比べて低い

平成24年の賃金構造基本統計調査によれば、全職種の平均賃金が325.6千円であるのに対して、保育士の平均賃金は214.2千円です。
かなり大きな乖離があり、実際、離職理由に賃金の少なさを挙げる保育士も少なくありません。

2.残業や持ち帰り仕事が多い

平成29年の厚生労働省の調査によれば、保育士の平均残業時間は月4時間程度です。
ただし、この時間は残業が支払われた時間をベースに算出された数字です。
実際は残業代が支払われないケースも多く見られ、持ち帰り仕事も含めれば、相当に長い時間がサービス残業として扱われているという現状があります。
こうした点も若手保育士がすぐに離職してしまう大きな原因です。

3.職場や保護者などの人間関係に悩みを抱えやすい

高い離職率の理由を紐解くには、職場の環境、特に人間関係にも注意を向けなければなりません。
保育の現場では、一般の職種に比べて人間関係の範囲が広いとされます。
一般職なら、人間関係というと職場の上司や同僚などの関係となりますが、保育士の場合は上司や同僚だけではなく、保護者とも関わっていかなければなりません。
子どもを預かっているという責任も重く、幅広い人間関係の悩みや責任の重さが、人材が定着しづらい土壌を形成してしまっています。

離職率の低い保育所の特徴

公営保育所と私営保育所の離職率が違うように、保育所によって人材の定着率には多少の際があります。
それでは、公営や私営に関わらず、離職率の低い保育所にはどういった特徴があるのでしょうか。

保育士が多く残業が少ない

離職率の低い保育所は、まず保育士の数を多く抱えています。
保育士の人数が多いことで、ひとりの保育士にかかる負担を分散することが可能です。
その分、残業も少なく、良質な労働環境で働いてもらうことができます。

福利厚生が充実している

保育士は女性の割合が高い職業です。
女性が多い職場では、産休や育休などの取り方で他の従業員を配慮するという暗黙のルールが形成されている場合があります。
一方、離職率の低い保育所では、子育てをしながら保育士をしている人材が多くいる傾向にあります。
出産後も変わらず保育士として働いている人が多い職場であれば、若手保育士にとっても自分の将来を思い描きながら働けるようになるでしょう。
保育士は育児と仕事の両立がしやすい職場でもあるので、産休や育休が取りやすいといった福利厚生の充実が離職率の抑制にも貢献するのです。

不満のすくい上げができている

環境の良い保育所は、保育士の不満を放置せず、定期的に集計して改善に活かしています。
そのためには、上司と部下や、保育士同士でのコミュニケーションも活発でなければならず、離職率の低い保育所は職場環境の風通しが良いということがいえます。
風通しが良いからこそ、不満をすくい上げることも容易となり、それを職場環境の改善にも還元できます。

保育士の離職率を下げるために有効な対策

離職率の高い保育所が数値を改善するためには、まず現状を詳細に分析し、原因になっていると思われる要因をひとつひとつ除去していく必要があります。

ITツールを上手く活用する

たとえば、保育士ひとりひとりの仕事量が多く、残業や持ち帰り仕事が増えてしまっているなら、業務量の削減へ向けて対策を取るべきでしょう。
そのためには、ICTシステムなどを導入し業務を効率化するのもひとつの手です。
システムを充実化すれば、園児の登降園管理を自動化できるなど、保育士の負担を軽減することができます。

保育士の不満をすくい上げる仕組みを作る

また、保育士の不満をすくい上げる仕組みを構築する施策も重要です。
不満を抱えている保育士がいても、それを解消できる仕組みが整備されていれば、退職を未然に防ぐこともできるはずです。
そのためには、園内の風通しを良くする必要があるでしょう。
保育士同士はもちろん、先輩と後輩、園長と保育士など、園内におけるコミュニケーションの活性化は風通しを良くするために何より重要です。

3.経営と現場でのコミュニケーションロスを減らす

人材不足が深刻な業界では、特に経営と現場とのギャップが大きいことが多く、保育業界でも同様のことがいえます。
コミュニケーションの活性化は、経営と現場のギャップを解消し、組織全体を上昇気流に乗せる最も効率的かつ基本的な対策です。
コミュニケーションが活性化すれば、不満をすくい上げることができるだけではなく、職場環境の改善や保育士の処遇向上にも役立つことになるでしょう。

従業員が定着・活躍できる組織を作ろう

今回は、保育士の離職率の現状や離職の理由、離職率を下げるための対策などについて紹介しました。

従業員が定着・活躍できる組織を作るために、自社の従業員の特徴や強みをしっかりと把握し、それぞれがやりがいを持って仕事を行えるよう、人員配置や教育、社内制度を通じた支援を行いましょう。

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