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早期退職制度とは?退職金の種類や金額、選択定年制との違いを紹介

早期退職制度とは?退職金の種類や金額、選択定年制との違いを紹介

2019年から2021年にかけて上場企業の早期あるいは希望退職者募集人数が1万人を超える状況となっています。
これは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、多くの企業で業績悪化が続いているためです。
早期退職制度への関心が高まっていますが、具体的にどのような制度なのか知っているでしょうか。
今回は、早期退職制度の目的や意義、メリット・デメリットや退職金の種類と金額、選択定年制とどう違うのかなどについて紹介します。

早期退職制度とは?

早期退職制度は、社員に現在の会社を定年より早く辞めてもらうことで、社員のライフプランの幅を広げたり、人材の入れ替えを円滑に行うことが目的の制度です。
人員整理というより、社員のキャリアアップや自由な選択を会社が支援するという意義に基づいて制定されています。
この制度を利用するには、あらかじめ設定された年齢や勤続年数に関する条件をクリアすることが必要です。
退職金の割増しや再就職支援など、企業側から手厚い優遇措置が与えられるため、「早期退職優遇制度」ともいいます。

早期退職制度と早期希望退職制度の違い

もうひとつの早期退職には「早期希望退職制度」があります。
こちらも早期退職制度と呼ばれ、優遇措置も「早期退職優遇制度」とほぼ同様ですが、目的や意義が異なります。
「早期希望退職制度」は企業の業績悪化などを理由にしておこなわれるもので、人員の整理が主な目的です。
基本的には自主退職者を募る制度なのですが、応募者が少ないときには早期退職するように打診される社員も出てきます。
また、「早期退職優遇制度」を利用する場合は自己都合退職となりますが、「早期希望退職制度」の利用者は会社都合退職として扱われる点も大きな違いです。

早期退職制度のメリット

1.退職金の金額が増える

早期退職制度を利用する社員からすれば、退職金の金額が増えるのが第一のメリットといえます。
転職・再就職までの生活資金に余裕ができるため、長期休養や海外旅行をするなどの充電期間を設けられるでしょう。
独立や起業をする場合にも、退職金が多いほど自己資金の割合を増やすことができます。

2.セカンドキャリアに進む決心をしやすい

「今の会社を辞めたら生活が成り立たない」「次の仕事先が決まらなかったらどうしよう」という悩みは、社員が新しい道へ踏み出そうとするのをためらわせます。
会社が社員の退職から転職・再就職までをフォローしてくれる早期退職制度は、福利厚生としてこの上ない価値をもたらすものかもしれません。

早期退職制度を導入することの企業側のメリット

退職金を割増しで払うため一時的な支払額は大きくなりますが、長期的には人件費の削減が可能です。
特に基本給や各種手当を多くもらっている社員が早期退職すれば、人件費の削減効果はかなり大きいでしょう。
また、一定数の早期退職者が会社から去ることによって、社員の入れ替わるペースが定年退職制の企業よりも圧倒的に早いです。
早期退職制度で人材の流動化を図れば若くて優秀な人材が入社する機会が増え、会社全体の若返りや活性化も期待できます。

早期退職制度のデメリット

早期退職制度で社員は退職金がもらえる代わりに、当然ですが給与収入はゼロになります。
ずっと収入がないままでは生活ができなくなりますから、先々の所得をどうするかを考えておかなければなりません。
退職金の割増し分は定年まで勤めた給与の合計にはまったく届きませんし、想定よりも割増し額が少ない可能性もあります。

また、早期退職により厚生年金の加入期間が短くなると、受給額が減少するのもデメリットです。
早期退職制度により短期的にはまとまったお金を手にすることができるのですが、「その会社でずっと働き続けているほうが結果的に総収入が多かった」ということも十分に起こり得ます。
社宅や会社の寮に入っていたり諸々の福利厚生が充実していたりするなら、それらの恩恵がすべてなくなることも忘れないでください。

早期退職後も無職を続けていると、安定した収入がないためにクレジットカードやローンの審査で不利になります。
マンションやアパートの新規契約も同様です。
また、転職や再就職のときに、人事担当者によっては早期退職をマイナスに捉えるケースがあります。
人員整理にともなう早期退職者だと見なされれば、業務能力を疑われて不採用になる可能性が高いです。

会社側のデメリットは、割増しの退職金を支払うコストが大きいことです。
短期間に複数の早期退職者が出た場合は、資金繰りに苦労するかもしれません。
さらに、早期退職者が抜けた分の業務をカバーする体制ができていなかったり、新しい人員の確保が間に合わなかったりすると、会社の生産性を著しく落としてしまうリスクもあります。

早期退職制度の退職金の種類

退職金には「退職一時金」と「企業年金」があります。
退職一時金は、退職金が全額一括で支払われますが、支払い時期は退職と同時であるとは限らないので注意が必要です。
また、退職一時金には所得税や住民税がかかります。
会社で源泉徴収がなされますが、退職所得控除の対象となるため税額は抑えられます。

企業年金は退職者が退職金を年金として受け取るものです。
具体的には「確定給付企業年金」や「企業型確定拠出年金」、「厚生年金基金」が利用されます。
ほかの公的年金収入と同様に「雑所得」となり、所得税や住民税の対象で、退職金の額は、勤めている会社の給与規定と退職事由で大きく差が出ます。

早期退職制度を利用した場合の退職金の金額

2018年の就労条件総合調査によると、早期優遇退職制度を利用した45歳以上(勤続20年以上24年以下の大卒・院卒)の退職者の場合、退職金の平均は2326万円です。
退職者の条件が同じでも、定年退職は1983万円、会社都合退職は2156万円、自己都合退職は1519万円ですから、早期優遇退職制度の退職金の額は比較的高めに設定されているといえます。

それでは、もっと早い段階での早期退職をする場合、退職金の額はどれくらいになるでしょうか。
東京都産業労働局によると、中小企業における会社都合退職の場合、勤続10年で148.3万円、勤続15年で266万円、勤続20年で425万円といった調査結果が出ています。
自己都合退職だと、これより額が少なくなります。
早期優遇退職制度を利用すれば、この退職金にさらに上乗せされると考えてよいでしょう。
ただし、企業の規模や年功型あるいは成果報酬型を採用しているかで金額が変わってくるので、退職金規程や給与規程をよく確認しておいてください。

早期退職制度と選択定年制の違い

選択定年制度は、社員自身が50~65歳の間で定年をあらかじめ設定し、その年齢になったときに早期退職するかどうかを選択できる制度です。
それまでの貯蓄額や年金受給のタイミングによっては、定年後も退職せずに働きたいというケースもあります。
選択定年制度を利用すれば同じ会社でそのまま勤務を継続できるため、働き口をほかで探さなくて済むのが利点です。
一般的に、設定していた年齢で早期退職すれば退職金が増額されます。
反対に定年後も続けて勤務をする場合は、役職から外されたり給与が減額されたりすることが多いです。

早期優遇退職制度は年齢や勤続年数の利用条件をクリアしていればいつでも早期退職ができますが、選択定年制度では設定した定年に達するまでは早期退職ができないという点が大きく違います。
一方、自分の経済状況に応じて、早期退職をするか会社勤務を続けるか選べる選択定年制が性に合っているという人もいるでしょう。
一概にどちらが良いとは言えませんが、「自分で事業を始めたい」「他業種に転職したい」など、今の会社から離れるつもりなら、早期退職制度のほうがメリットが多いかもしれません。

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