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日本で深刻化している労働力不足問題の原因と解決方法とは?
企業が順調な経営を続けていくためには、実務を担う社員の確保が必要不可欠です。
ところが、近年の日本では業界や業種にかかわらず深刻な人手不足に悩む企業も多く、すでに経営や業績に影響が出て困っているケースも珍しくありません。
今回は、近年の日本において労働力不足が深刻化するようになった原因を踏まえ、必要な対策などを紹介します。
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もくじ
日本における労働力不足の現状
現在、日本における労働力不足は、地方から都市への若者の人口流出、少子高齢化、人気業界・職種への偏りなど様々な要因があり、発生しています。
企業としては黒字だけれども労働力不足によって倒産する件数も2019年には426件と年々増加しています。
今後は、さらに少子高齢化や都市部への人口流出などが進むことが予想されているため、労働力不足の問題はさらに大きくなり、企業は対策を求められます。
【関連記事】:地方における人手不足の現状や原因、対策方法を紹介
労働力不足が起きる原因
企業が労働力不足に陥る原因は、主に3つ考えられます。
1.生産年齢人口の減少
1つ目は「人口の減少」であり、すべての企業の労働力不足に共通する原因です。
近年の日本は少子高齢化が進み、「生産年齢人口」が減少の一途をたどっています。
生産年齢人口とは、生産活動でメインの労働力となるような年齢の人口のことで、生産年齢人口は1990年代にピークを迎えて以降減少を続けており、将来的にもかつての水準にまで回復する見込みはほとんどないと思われます。
生産年齢人口が少なければ、各企業が貴重な労働力を取り合うことになります。
競争に負けた企業は新たな労働力を確保できないばかりか、昔からいる社員が定年などで退職することで人手不足に陥りやすくなるのです。
ただし、生産年齢人口のうち「労働力人口」は2012年頃から増加し続けています。
労働力人口とは、働く意欲と能力を持った15歳以上の人口のことで、定年の延長や共働き世帯の増加などにより、女性や高齢者の労働参加が進んだため労働力人口自体は増えているのです。
「それならば人手不足に陥る心配はないだろう」と思われるかもしれませんが、母体となる生産年齢人口が減り続ければ、いずれ労働人口まで減少に転じることは想像に難くありません。
事実、厚生労働省が2020年に行った労働力調査によれば、これまで増え続けていた労働力人口は2020年に減少に転じました。
都市部はまだしも、人口減少が進む地方では今後ますます人手不足が進むでしょう。
2.有効求人倍率の高騰
2つ目の原因は、「有効求人倍率」です。
有効求人倍率とは、求職者1人に対して求人が何件あるかを示した指標のこと。
有効求人倍率が高いほど「売り手市場」になるため、企業にとっては採用の難易度が上がります。
2008年のリーマンショックにより有効求人倍率は大きく落ち込みましたが、その後は政府による積極的な景気改善への取り組みなどもあって右肩上がりに回復し、2019年には1.60倍と高い水準に達しました。
このため求職者は多くの選択肢から就職先を選べるようになり、人気の低い業界や中小企業では人材の確保が難しくなったと考えられます。
ただし、2020年はコロナウィルスの流行により従来の企業活動ができず、求人を出す余裕がない企業が増えました。
このため、有効求人倍率は1.18倍と2019年から一気に落ち込んでいます。
それでも1.0倍を超えているため売り手市場であることに変わりはありませんが、今後の動向次第で従来よりは採用しやすくなるかもしれません。
3.労働条件が良くない
3つ目の原因は、「労働条件」です。
人口の減少や有効求人倍率の上昇は市場全体の流れであり、やむを得ない部分もありますが、労働条件は各企業の問題と言えます。
「労働時間が長い」「サービス残業を求められる」「給与が低い」「ハラスメントが横行している」など、労働環境が悪い企業は当然求職者から敬遠されてしまいます。
そればかりか、現在働いている社員も次々に退職し、結果的に人手不足に陥ってしまうこともあるでしょう。
ブラック企業という言葉があるように、労働者にとって「快適に働けるかどうか」は就職先を選ぶうえで大きな要素になっています。
しかも、売り手市場の昨今では、人材確保のため、より有利な労働条件を提示する企業も珍しくありません。
魅力的な求人が並ぶ中、労働条件が悪い企業にわざわざ応募する求職者は少ないでしょう。
数ある求人の中で目立ち、求職者に選んでもらうためには、労働条件の改善が欠かせないです。
【関連記事】:人手不足が深刻化する原因や対策、企業の課題を解消する方法とは?
労働力不足の企業への影響
労働力が不足すると、企業にはさまざまな影響が出てしまいます。
たとえば、倒産や業績の悪化。
いくら仕事があったとしても、生産や交渉を担う社員が不足すれば仕事を受けることができません。
需要に対し、供給が追い付かなくなるのです。
無理に仕事を受けた場合、社員1人にかかる負担が増し、長時間労働など労働環境の悪化により退職が相次いでしまう可能性もあります。
人手不足に拍車がかかるという悪循環に陥った結果、売上が低迷したり、最悪の場合倒産したりする可能性があります。
また、労働力が不足すると、業務のオートメーション化に向けた自動化システムや検査装置など新たな設備の導入が必要になる場合もあります。
事業資金に余裕があれば問題ないかもしれませんが、そうでない企業にとっては死活問題でしょう。
逆に、自動化システムや設備を取り扱う企業にとっては新たなビジネスチャンスになるかもしれません。
【関連記事】:人手不足倒産とは?黒字企業でも発生する原因とその対策を紹介
労働力不足への対策方法
1.労働条件の見直し
労働条件が悪いと、求人を出しても求職者が集まりにくいだけでなく、今いる社員まで退職してしまう恐れがあり、労働力不足の大きな原因になりやすいためです。
労働力不足が長期間解消されない場合、労働条件に何らかの問題がある可能性が高いので、現状を分析したうえで課題を洗い出し、適切に改善していくことをおすすめします。
給与をすぐにアップするのは難しくても、労働時間や職場環境などはすぐに改善できることもあるでしょう。
たとえば、フレックスタイムやテレワークのシステムを導入して多様な働き方に対応したり、福利厚生を充実させたりするなどの方法があります。
業務フローや配分などを見直し、特定の社員や部署に長時間労働を強いることがないよう配慮することも大切です。
2.ハラスメントの対策・予防を行う
ハラスメント行為に関する研修を定期的に行う、相談窓口を設置するなども、今の時代には必要でしょう。
まずは既存の社員にアンケートを取るなどして、不満を感じやすいポイントを把握することから始めてみてください。
また、採用する人材の幅を広くするのも効果的です。
新卒だけではなく中途採用を積極的に行ったり、外国人技能実習生を受け入れたりしてみましょう。
年齢が高い人の中にも、豊富な知識や技術を持ち、即戦力になれる人材がいるかもしれません。
3.従業員のエンゲージメント向上に取り組む
このほか、既存の社員の退職を防ぐため、エンゲージメントの向上にも取り組みましょう。
業務の知識やスキルを持つ既存社員の退職が増えれば、生産性が著しく低下するばかりか、採用コストも高くなりがちです。
それを避けるためにも、エンゲージメントを向上させ、定着率を高めることが欠かせません。
社内コミュニケーションツールを活用し、社員の承認・称賛を通して働きがいや帰属意識、貢献意欲を引き出すなど、自社に合う方法を探してみましょう。
【関連記事】:労働環境を改善した企業の成功事例6選を紹介
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今回は、労働力不足の問題の原因や企業への影響、解決方法などについて紹介しました。
労働力不足が今後ますます多くの企業を苦しめる問題となることが予想されています。
早めに自社の労働条件や労働環境を改善するとともに、従業員が定着・活躍できる組織を作っていきましょう。
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