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看護師の離職率は?離職の原因や対策、低い病院の特徴を紹介

看護師の離職率は高い?離職の原因や対策、離職率が低い病院の特徴を紹介

自社の病院やクリニックの看護師の方の離職を減らしたいという方も少なくないと思います。
他の業種や業界と比較して離職率はそこまで高くないものの、労働条件や職場の人間関係などを理由に離職してしまう人も一定数いるのが現状です。
今回は、看護師の離職率や離職の原因と対策、離職率が高い/低い病院の特徴などについて紹介します。

全国の看護師の平均離職率

日本における2021年の看護師の平均離職率は、正規雇用看護職員 10.6%、新卒採用者 8.2%です。(公益社団法人 日本看護協会調査参照)

また、下記にて、過去からの推移や都道府県別など複数の視点で看護師の離職率を紹介します。

過去5年間の看護師の離職率推移

過去5年間の看護師の離職率の推移は、下記の表のようになっています。
正規雇用の看護師は、毎年10%ほどで推移しており、新卒採用者の看護師の離職率は7〜8%ほどで推移しています。

正規雇用の看護師 新卒採用者の看護師
2020年度   10.6% 8.2%
2019年度 11.5% 8.6%
2018年度 10.7% 7.8%
2017年度 10.9% 7.5%
2016年度 10.9% 7.6%

病床規模別の看護師の離職率

2021年の病床規模別の看護師の離職率は、下記の表のようになっています。
正規雇用、新卒採用者ともに病床数が多いところほど看護師の離職率が低くなる傾向にあります。

正規雇用の看護師 新卒採用者の看護師
全体 10.6% 8.2%
99床以下 11.7% 10.5%
100〜199床  11.7% 11.3%
200〜299床 11.4% 8.3%
300〜399床 10.7% 9.3%
400〜499床 10.0% 8.2%
500床以上 9.8% 7.2%

看護師の離職率が高い都道府県ランキング

2021年の正規雇用看護職員の離職率が高い都道府県上位5都道府県は、人口が多い関東圏や関西、東海の大都市に多い結果となりました。

  • 1位:神奈川県(14.0%)
  • 2位:東京都(13.4%)
  • 3位:埼玉県(13.0%)
  • 4位:大阪府(12.3%)
  • 5位:愛知県(12.2%)

看護師の離職率が低い都道府県ランキング

2021年の正規雇用看護職員の離職率が高い都道府県上位5都道府県は、下記のようになっています。

  • 1位:山形県(6.1%)
  • 2位:島根県(6.5%)
  • 3位:徳島県(7.1%)
  • 4位:佐賀県(7.2%)
  • 5位:福島県(7.3%)
  • 5位:福井県(7.3%)

他の業界業種と比較した看護師の離職率

厚生労働省が実施した令和3年の雇用動向調査によると、日本全体の離職率は13.9%、同じ調査で医療福祉は13.5%と、全体と比較して低い結果になっていました。
また、令和2年の結果と比較すると医療福祉領域の離職率は、1%弱減少しています。
具体的に、産業別の離職率の数字は下記の通りです。

産業 離職率
鉱業、採石業、砂利採取業 10.0%
建設業 9.3%
製造業 9.7%
電気・ガス・熱供給・水道業 8.7%
情報通信業 9.1%
運輸業、郵便業 11.5%
卸売業、小売業 12.3%
金融業、保険業 9.3%
不動産業、物品賃貸業 11.4%
学術研究、専門・技術サービス業 11.9%
宿泊業、飲食サービス業 25.6%
生活関連サービス業、娯楽業 22.3%
教育、学習支援業 15.4%
医療、福祉 13.5%
複合サービス事業 8.1%
サービス業(他に分類されないもの) 18.7%

看護師の離職理由

看護師が離職する理由や原因としては、下記の4つの影響が大きいとされています。
それぞれについて紹介します。

人間関係の悩み

職場の上司や同僚となかなか上手くいかず、環境を変えるために転職する人は多くいます。
看護師は、同じ看護師や医師とコミュニケーションを取りながら仕事を行いますが、上手く人間関係を築けなかったり、コミュニケーションに不満が大きい場合は離職リスクはかなり上がります。

出勤日や出勤時間などの労働条件

看護師は、人手不足の病院が多く、休日出勤や早朝深夜出勤をしなければならないところもあります。
また、働く時間や業務の大変さの割に給与が安いといったことで転職を考える人も少なくありません。

キャリアアップや将来への不安

看護師は、他の職種のように目に見えた数字が出る仕事ではなく、若いうちから昇進を繰り返すような仕事ではないため、将来に不安を覚えることで、もっとキャリアアップできる道を選ぶケースもあります。
やりがいは大きいので今は特に不満はないけれども、将来を考えて転職を決意するということも少なくありません。

ライフステージの変化

看護師の中で、男性の看護師も増えていますが、大半は女性です。
女性の場合、出産のタイミングで休職したり、仕事と育児の両立を考えて別の仕事を選んだりとライフプランやライフステージの変化がきっかけで離職するケースも少なくありません。

看護師の離職率が高い病院の特徴

看護師の離職率は都会の方が高い傾向にありますが、都道府県関係なく、看護師の離職率が高い病院の特徴としては、下記のようなものがあります。

常に人不足で一人一人への負荷が大きい

人手不足の状態が長く続いている場合は、一人一人の業務量が多かったり、業務の内容が幅広く、効率的に仕事が進められないなどの問題が発生します。
一時的な人手不足であれば、なんとか耐えられるかもしれませんが、大変な状態が長く続き、改善の見込みが無い場合は、違う病院や他の仕事に転職してしまいます。

休みが取りにくい

休暇取得希望日より早めに休暇取得の打診をしても全く融通を利かせてくれない場合は、仕事とプライベートの両立が難しく、離職リスクは格段に上がります。
また、本来休日の予定が休日出勤を何度も要請されるなど、休みを自分でコントロールしにくい状況が続くと要注意です。

雰囲気が悪く、コミュニケーションを取りにくい

離職理由の中でも上位の人間関係の問題は、離職率の高い病院ほど問題となっていることが多いです。
上司や院長との関係が悪く、同僚との会話も制限される状態や同僚間で仲が良くない場合も離職リスクがかなり上がります。

給与が安く、昇給もしにくい

看護師の仕事はやりがいはあるけれども、業務の大変さや業務量に比べて給与が安いことや今後昇給が見込めない場合は、将来への不安から離職に繋がってしまいます。
特に病床数が小さいところですと人材育成や昇給の仕組み自体無いところが多く、大きい病院に転職してしまったり他の仕事に移ってしまうリスクがあります。

看護師の離職率が低い病院の特徴

一方で、看護師の離職率が低い病院の特徴としては、下記のようなものがあります。

病院内の雰囲気が良い

院長や上司が仕事のコミュニケーションが円滑になるような雰囲気を作っている病院ほど、業務の報連相も多く、プライベートな会話も行いやすいため良い人間関係が築ける可能性が高いです。

職場の人間関係が良い場合は、それ自体がその仕事を続ける理由の1つにもなるので、非常に重要な要素です。

ある程度の雑談やコミュニケーションを取りやすい

上記の職場の雰囲気と同様に、仕事の話だけでなく、ある程度雑談やプライベートな会話もできるくらいの状態の方が離職率は低い傾向にあります。
内の中にも食事を取れるスペースやリラックスできるスペースがあると会話をしやすいため、そういった従業員向けのスペースを確保している病院もあります。

事前に申請すれば休みは取りやすい

仕事とプライベートを両立させるためにも、事前に休暇を取りたい日に休暇が取れる環境は非常に重要です。
休暇取得の相談ができる環境を作ることと、事前の打診であれば休暇を取得しやすい環境の両方あることで従業員の定着に繋がります。

ある程度人が確保されていて、負荷が分散されている

急に誰かが休んだ場合でも業務が回るくらいの人員を確保できている病院であれば、仕事の負荷が大きすぎずに心身の健康で離職してしまうリスクが低くなります。
業務量や業務時間が誰かに偏っていたり、全員がそれぞれ負荷が大きいという状況にならないような環境を作ることが重要です。

資格取得のお祝いやインセンティブがある

給与が同じエリアの他の病院と比べて水準が高かったり、資格取得のお祝いやボーナスなどのインセンティブがある企業のほうが離職は少ないです。
頑張った成果が報酬として返ってくるような制度が整っているほど、看護師も頑張れるため、モチベーションの向上にも繋がります。

看護師の離職率を低減するための対策

看護師の離職率を低減するための対策や方法について紹介します。

従業員同士で良い人間関係を築ける仕組みを作る

看護師が職場に定着するためには、従業員同士で良い人間関係を作るのは不可欠です。
そこで相互理解やコミュニケーションの活性化などに寄与するツールの活用がオススメです。
サンクスカードであれば、従業員それぞれの良い言動が可視化されて良いところを知ることができるほか、ツールで気軽に感謝や賞賛のコミュニケーションが取れるようになります。

勤務時間や休暇取得などある程度希望が通るようにする

勤務時間や休暇取得などに関して、ある程度希望を通すために申請の期限を設けておき、調整できる時間を確保することや申請をするための仕組みを用意することも重要です。
ルールが明確に決まることによって、従業員と会社で揉めることなく、従業員の働きやすさも向上します。

余剰人数を確保しておき、誰かが急遽休んでも回る体制を構築する

従業員が人手不足で激務が続くことがないように、誰かが休んでも仕事が回るくらいの人員体制と仕事をカバーできるような仕組みづくりの両方が重要です。

人手不足が続くとさらに次の従業員の退職に繋がってしまい、場合によっては黒字であっても人員不足のために倒産してしまう可能性もあります。

昇給やインセンティブなどの制度を設ける

従業員の業務量や出した成果をしっかりと評価や報酬で返せるように、例えば業務に役立つ資格を取得したり改善活動を行った場合に手当や報酬を出したり、ピアボーナスを導入して従業員の成果に出にくい言動を評価できる仕組みを作ることによって、より働きがいが上昇します。

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今回は、看護師の離職率や離職の原因と対策、離職率が高い/低い病院の特徴などについて紹介しました。
看護師の方に長く働き続けてもらうためには、人間関係やコミュニケーション、労働環境、労働条件などを改善することが重要です。
全て改善できることが理想ですが、まずは人間関係やコミュニケーションの課題から解決してはいかがでしょうか。

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