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心理的安全性を測定する7つのアンケート質問と高める方法を紹介
「心理的安全性」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
チームメンバー同士で意見やアイディアを否定しない環境を作ることで、イノベーションの阻害要因が減ってチームの生産性が向上するという考え方です。
心理的安全性が高まることによって、仕事において挑戦を行いやすくなり、従業員も働きやすさを感じやすいです。
今回は、心理的安全性の概要やアンケートで測定する「7つの質問」、心理的安全性を高める方法について紹介します。
もくじ
心理的安全性とは?
心理的安全性とは、1999年に組織行動学の研究者エドモンソンが提唱した「psychological safety」という言葉を和訳した心理学用語です。
周囲の人々の反応に怯えたり羞恥心を感じたりしない状態のことを指し、特にビジネスシーンではチーム内でお互いにどのような意見を言っても拒絶される心配のない環境を意味します。
↓心理的安全性の意味や重要性について紹介した記事はこちら↓
心理的安全性とは?作り方やよく誤解されていることについて紹介
心理的安全性が注目されている背景
それでは、心理的安全性はなぜ近年注目されているのでしょうか。
その理由は、米Googleが2012年から実施している「プロジェクト・アリストテレス」という生産性向上に関する研究にあります。
米Googleが2016年、この研究において「生産性の高いチームは心理的安全性が高い傾向にある」と発表しています。
驚くべきことにそれは「個々が高い生産性を持つメンバーを集める」ことよりもチーム全体の生産性を上げるために有効であると結論づけています。
心理的安全性が高いことは、様々な側面でチームに良い影響を与えます。
例えば他者から非難されないため安心して発言ができ、コミュニケーションが活発になる点です。
チーム内での情報交換がスムーズになることで斬新なアイディアが出やすくなりイノベーションが促進されるだけでなく、ネガティブな意見が出やすい環境になるため悪い情報も早期発見し手を打てます。
また、自身の能力を活かして仕事をできるという点も大きなメリットです。
他者と異なる個性も非難されることがない安心感があるため働きやすく離職率が低減するほか、多様な能力を持つ人間が集まることでダイバーシティを形成し、革新的なアイディアが出やすくなります。
このように、心理的安全性はチーム全体が良い方向へ進むための重要な指標です。
↓心理的安全性が高い職場のの特徴やポイントを紹介した記事はこちら↓
心理的安全性が高い組織の特徴、心理的安全性を高めるポイントを紹介
心理的安全性が高い組織とぬるま湯組織の違い
心理的安全性が高い職場とぬるま湯組織の一番の違いは、「仕事の要求水準」です。
心理的安全性が高い職場では、人間関係は良好であるとともに、目標達成に向けて全員で真剣に仕事に取組み、チャレンジを行うことで自分自身と会社の成長に貢献します。
一方で、ぬるま湯組織の場合は、人間関係は良好であるものの、従業員が積極的にチャレンジを行わずに、仕事の目標達成意識も低く、言われたこののみをこなして現状維持を好むような傾向にあります。
それぞれ、人間関係自体は良好という共通点はありますが、仕事に向かう姿勢や意欲などには大きな違いがあります。
↓ぬるま湯組織から脱却する方法について紹介した記事はこちら↓
心理的安全性が高いことはぬるま湯組織ではない。ぬるま湯状態から脱却する方法を紹介
心理的安全性を測定する「7つの質問」
それでは、どのようなチームが心理的安全性が高いと言えるのでしょうか。
エドモンソンは1999年の論文で、心理的安全性の度合いを測るための「7つの質問」を提唱しました。
その7つとは下記の通りです。
- チーム内でミスをすると、多くの場合非難されてしまう
- チーム内では難しい問題・課題を互いに指摘し合うことができる
- チームメンバーの中に、異質な個性を理由に他者を拒絶する人がいる
- チーム内でリスクの高い発言や行動をとっても安全だと感じられる
- チーム内でほかのメンバーに助けを求めることが難しい
- チーム内の全員が、他者を意図的に陥れるような行動をしない
- チームメンバーと仕事をする際に、自分のスキルや能力が尊重され仕事に活かせていると感じられる
これらの質問に対してポジティブな回答が返ってくるチームは心理的安全性が高いということです。
よって心理的安全性を高めるためには、この7つの質問に良い答えが返せるようなチームの環境づくりを心がける必要があるといえます。
この質問をメンバーに投げかけることにより、チームの心理的安全性の度合いとそれを高めるために特に改善すべき点が浮き彫りになります。
↓職場の心理的安全性が低い原因や特徴を紹介した記事はこちら↓
心理的安全性の低い職場は要注意!原因や特徴、高める方法を紹介
心理的安全性を高める方法3選
それでは、心理的安全性を高めるためにはどのような方法があるのでしょうか。
ここでは大きく3点ご紹介していきます。
1.多方面からの効果的なフィードバック
お互いの異なる意見を率直に伝え合いそれらを認め合うことができるため、フィードバックは心理的安全性を高める方法としてとても効果的です。
ただし、一方的な意見の押しつけになったり、ストレスが溜まるやり方になったりしてしまわないよう注意するべき点もあります。
まず一方的な意見の押し付けにならないようにするためには、きちんとお互いを尊重し会える関係性を築くことが大切です。
相手との個性の違いを理解し、細かなことにも感謝の気持ちを言葉にして伝えるよう心がけることでストレスの少ないフィードバックを行えます。
また、部下からマネージャーへのフィードバックを行うという方法も効果的です。
Google社では実際に半年に1回、メンバーからマネージャーに対して匿名でフィードバックを行っています。
これにより立場を気にすることなく率直な意見を伝えられます。
脳がリラックスした状態でフィードバックを行うことでストレスの溜まりにくいと言われています。
具体的には、すぐに欠点を指摘するようなフィードバックでは脳が身構えてしまい、緊張した状態で会話を進めることになってしまうので避けるべきです。
例えば「どのような時に最もうまく仕事ができましたか?」など相手の行動のポジティブな面をイメージさせるような質問を投げかけることで、安心した心理状態からフィードバックを実施できます。
↓フィードバックのやり方や効果を紹介した記事はこちら↓
フィードバックとは?意味や効果、効果的なやり方を紹介
2.1on1ミーティング
1on1ミーティングとは、チームメンバー同士が1対1で行う対話を指します。
心理的安全性を向上させるためにはメンバー同士がきちんとコミュニケーションをとりお互いを知ることが大切です。
ほかのメンバーが見ていない中で面談を行うことで率直な意見も言いやすくなり、自身の成長やモチベーションの向上に繋がります。
さらにリラックスした状態で会話ができるよう、アイスブレイクの時間を設けるなど工夫することでその効果を高められます。
↓1on1ミーティングの運用方法やメリット・デメリットを紹介した記事はこちら↓
1on1ミーティングとは?メリット・デメリット、効果的な運用方法を紹介
3.ピアボーナス
ピアボーナスとは、ほかのチームメンバーに対して少額の報酬を送り合うことのできる評価制度です。
一例として、各メンバーは毎月付与されるポイントをチームに貢献した人やお世話になった人に感謝の気持ちをこめて送り合います。
ポイントは少額の現金に換金することができるため、チームメンバーから感謝される行動をすればするほど、目に見えて自分の成果を実感できるという制度です。
このピアボーナスのメリットは、誰もが評価の当事者になれるという点です。
限られたポイントを誰に送るかを考えることによって自然と相手の良いところを探すことができ、自分自身もポイントを受け取るためにはほかのメンバーへどのような貢献ができるかを考えるようになります。
また、感謝の気持を自然と伝え合うことができる点も重要です。
自分がチームに必要とされているということをポイントという分かりやすい形で実感をできるため、チームでの仕事をポジティブな気持ちで行えます。
↓ピアボーナスの内容やメリット・デメリットを紹介した記事はこちら↓
ピアボーナスとは?メリット・デメリット、成功・失敗事例を紹介
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今回は、心理的安全性の概要や測定する「7つの質問」、心理的安全性を高める方法などについて紹介しました。
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