目まぐるしく変化する外食市場に対応するため「点天」はトップダウンから自立組織へ。

株式会社点天
株式会社点天
業種
食品製造業およびキヨスク・百貨店等での物販
従業員数
230名

今野 啓介様、長谷川 尚大 様

食品製造業およびキヨスク・百貨店等での物販を行っている点天。今回は、THANKS GIFTの導入目的とその効果について、代表取締役である今野 啓介様、プロジェクトリーダーである長谷川 尚大様にお話を伺いました。

 

関西を中心に食品製造業およびキヨスク・百貨店等での物販を展開する会社

-はじめに、御社の事業内容および出店エリアについてお聞かせください。

今野 様:私たちは、食品製造業およびキヨスク、百貨店等での物販を中心に事業展開しています。昭和52年4月創業なので、今年で46周年目に突入し、これから4年半かけて50周年を目指すのが目標です。

また出店エリアを業態別でいうと、まず百貨店は、北海道にある大丸札幌店の1箇所。関東なら、伊勢丹 新宿店、玉川髙島屋S・C、髙島屋 横浜店の3箇所。名古屋は松坂屋 名古屋店。後は、関西では、大丸京都店、阪神梅田本店、髙島屋 大阪店、あべのハルカス近鉄本店に構えています。
キヨスクだと、関西エリアの主要な駅や空港に出店しています。また去年からは、全国でも特に中部地方や関東、関西で、ミドルからアッパークラスのスーパーを対象に販路拡大を図っている状態です。

そのほか、飲食店業態として「点天バル エキマルシェ新大阪」の展開も行っています。今後は、キッチンカーなどの新業態も検討しています。

 

 

受け身のトップダウン型から社員が自立する組織作りへ

-では、組織に関する課題について伺います。

今野 様:3年前に、40年続いた事業を先代の父親から事業を引き継ぎました。ほかに餃子単品で30億円まで稼いだ企業はないことから、先代のリーダーシップが凄かったことに間違いありません。ただ、時代が変化する中で、トップダウン型の経営にも限界が見えてきました。特に弊社の場合は、社員の受け身的な姿勢が顕著でした。

そのため、私が社長になってからは、働く社員が考える組織作りを目指しています。しかし、私たちは元々報連相の仕組みが苦手なため、皆から意見を聞く、引き出す新しい仕組みが必要だと思っていたのです。また、現場の若手社員から、良い意見やアイディアを吸い上げたり、情報交換を行ったりする重要性も同時に実感し、今回のTHANKS GIFTの導入に至りました。

-先代のトップダウンの組織で起こってしまった事象などはありますか?

今野 様:以前は目的やゴールがわからないまま業務を行っていたので、結果の検証が不十分だったと思います。目的がないと結果には執着が持てないんですよね。その点に関しては私も同じで、当時はとにかく必死にやっていました。

 

 

普段伝えづらい感謝を身近なものにするきっかけ作りに成功

-では、理念変更についてお聞かせください。

今野 様:元々、15年くらい前から経営理念や行動指針を載せた「理念カード」を作っていたんですよ。それでも、会社自体が個々の判断を仰ぐ文化がなかったので、持っているだけで活用されないものでした。企業が成長していく過程では、個々の判断が必要だと感じたんです。そこで、新たなコミュニケーションの場として、THANKS GIFTの導入を決断しました。

-過去には評価ツールを導入されたこともあるとお聞きしました。

今野 様:導入した評価ツールはあくまで点数化するものでした。特に細分化するほどに抽象化されてしまって、ネガティブな要素しか残りませんでした。そうなると点数を見て注意するだけのツールとなっていたんです。そこを変えるために、まずは感謝から始めたいと思ったんですよね。

-そこからTHANKS GIFTの導入に至った経緯について、もう少し詳しくお聞かせください。

今野 様:THANKS GIFTの導入は、感謝の文化を醸成させる狙いがありました。日本人は元々、ポジティブな気持ちを人に伝えるのが苦手といわれています。ありがとうが伝えづらい、いうのが苦手という人も、コインを使うことで、少しずつ感謝を相手に伝えられるように変化しました。その点でいうと、THANKS GIFTはありがとうを伝えるきっかけ作りに最適なツールだと思います。

-THANKS GIFTの導入を終えて、今後期待したいことはありますか?

今野 様:たとえば、同じ営業職同士だとコインを送りやすい環境にあります。反対に、違う現場だと、急に送りづらくなるのが課題ですね。また、コインがある事前提のコミュニケーションになるのも懸念しています。あくまでポジティブな言葉が、しっかり相手に届くのが目標です。私はコインを送り合うことを、気持ちを伝えることだと捉えています。そのため、声を掛け合う練習のツールとしても、THANKS GIFTを活用していければと思っています。

-現状、THANKS GIFTを応用するイメージは持っていますか?

今野 様:THANKS GIFTでの動画配信には興味があります。たとえば、今日はAさんについて、別の社員はCさんについてといった風に、あくまでポジティブな内容で話す機会を動画を通して作るのもアリだと思います。また、カードやコインだと文章化が苦手な人にとっては抵抗があっても、最近は動画に対するハードルが確実に下がるので、取り組みやすいはずです。

-差し支えなければ、もう少し具体的なイメージをお聞かせください。

今野 様:特定の人に対して、1週間に1度スマートフォンから一言添えて送るようなイメージです。コインとは別に、言葉をしっかり相手に伝える習慣付けを行いたいですね。動画の力は特にYouTubeをやっていて実感している部分です。THANKS GIFTと動画の2つのツールを組み合わせることで、コミュニケーションはより活性化すると期待しています。

 

 

感謝を自然と伝えられるようになるには習慣づけと直接口に出す練習の両方が重要

-では、現状のTHANKS GIFTの活用方法、掲示板の運用方法についてお聞かせください。

今野 様:当初に比べるとコインの送り方にも偏りが見え始めている一方で、運用状況は当初のよりも少し良いと認識しています。文章表現が苦手な人でも、試行錯誤しながら短文を作成する習慣が付いたようにも思いますね。ただ、送る内容がワンパターン化していたり、コインの名称や意味合いを見直す必要があったりする点は、課題だと感じているところです。後は、動画と組み合わた特別コインの作成も有効だと考えています。感謝を相手に伝える習慣付けと直接言葉にする練習は、両輪でやっていきたい部分です。

-では、掲示板の運用方法で意識した点などあればお聞かせください。

今野 様:主に社長としての思いを形にする場として活用しています。最初は社員に自分が働いている会社について、知ってほしいなと思ったのがきっかけでした。ちょうど45周年で本を出版したタイミングも重なっていたのも影響しています。本は読み物として社員に配って、その内容を補足する目的で、掲示板に情報を発信していく形で定着させていきました。

-次は、プロジェクトメンバーである長谷川さんにお聞きします。運用開始時の苦労、意識したことを振り返ってください。

長谷川 様:ルールを決めたら意外と皆真剣に取り組んでくれて、予想よりも良い滑り出しだったように思います。特にプロジェクトメンバーとしては、コインを送りっぱなしにせず、送られたらレスポンスするように促していました。後は、外国人の従業員がTHANKS GIFTの意図を理解できないという新たな課題も出ています。外国人との文化の違いがあるのは確かなので、導入時の背景を伝えていくなどの対策も必要だと感じています。

 

 

THANKS GIFT導入で生まれたポジティブなコミュニケーションと見つかった新たな課題

-最後にTHANKS GIFTの導入で実感している効果についてお二方にお聞きします。

今野 様:事務所、工場、店舗が可視化できるようになったので、情報共有やコミュニケーションがスムーズになりました。新しい仕組みも適宜取り入れながら、将来的には点天独自の社内システムを構築していきたいです。

長谷川 様:以前はネガティブな評価だったものが、少しずつ減っている印象です。ありがとうを通じて、会話も着実に増えているので、ポジティブなコミュニケーションへと変化している気がします。今後はどのように続けていくか、そして拡大していくかが課題だと感じている部分です。

-実際に現場でTHANKS GIFTを利用している、ユーザー側からの声や変化を感じた部分などはありますか?

長谷川 様:声として一番多かったのは、どのコインを送れば良いのかわからないという点です。後は、コインは送るけど、やっている意味がわからないという声は常にありましたね。それと、外国人の従業員では、英語と日本語の表記の違いに戸惑うケースもあったみたいです。そのため、今後は外国人の従業員にも運用に参加してもらうことも検討しています。

 

– THANKS GIFTに関するアンケート

 

-では、最後に今後の展望についてお聞かせください。

今野 様:THANKS GIFTの導入目的は、ありがとうを当たり前にいえる会社にすることでした。その目標については着実に近づいている実感があります。日本には「察してくれ」の文化が根強いので、そこを抜本的に変えたいと思っています。ゆくゆくは、相手の目を見てありがとうをいえる会社に成長させたいです。

-本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!