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セクショナリズムとは?問題点や原因、改善施策を紹介

セクショナリズムとは?問題点やその原因、改善するための施策を紹介

企業や組織がある程度大きくなると、問題となってくるものの一つにセクショナリズムがあります。
大企業はもちろん中小企業でも起きることがあり、経営者や人事担当者などをしばしば悩ませます。
こうした事態を解決するにはどのようにすればよいのでしょうか。
今回は、セクショナリズムの問題点や原因、改善のための施策などについて紹介します。

セクショナリズムとは?

セクショナリズムとは縄張り意識のことです。
企業などではしばしば派閥争いなどという言葉で表現される場合もあります。
自分の属する集団の利益・利権などに固執しすぎるあまり、他の集団に対して排他的もしくは非協力的になってしまいます。
こうした事象は横のつながりが弱い縦割りの組織においてしばしばみられます。

セクショナリズム(sectionalism)は、「部分的な」「局地的な」などという意味を持つsectionalと「主義」を現すlismを組み合わせてできた言葉です。
したがって、和訳する場合は『派閥主義』や『部局割拠主義』などといった言葉に置き換えられ、あるいは単にセクト主義などと呼ばれる場合もあります。

セクショナリズムの種類

セクショナリズムはその状況によって

  • 無関心型セクショナリズム
  • 非協力型セクショナリズム
  • 批判型セクショナリズム
  • 排他型セクショナリズム

の4種類に分けることが可能です。

まず、無関心型セクショナリズムとはその言葉の通り、自分たちさえよければ他はどうなってもよいと考えている故に外部の動向に関しては全く無関心な状態を指します。

一方、外部の出来事に関心はあるものの、その関心が「いかにすれば負担や責任の増加を避けられるか」という一点に集中しているのが非協力型セクショナリズムです。
そのため、非協力型セクショナリズムの状態になると、外部とのかかわりを避け、極力傍観者として振る舞おうとします。
しかし、より厄介なのは残りの2つです。

批判型セクショナリズムと呼ばれる状態の場合、外部組織のせいで自分の属する集団の利益が損なわれていると考え、相手に対して否定的な発言を繰り返すようになります。

そして、『排他型セクショナリズム』に移行するとさらに攻撃的になり、外部組織を排除するための方法を模索し、実行に移すようになります。

過度なセクショナリズムの弊害点

セクショナリズム自体は必ずしも悪いものではありません。
適度なセクショナリズムは団結力や責任感の向上につながります。
しかし、それが過剰になってしまうと、組織の活動にさまざまな弊害をもたらしてしまいます。

セクショナリズムが無関心や非協力のレベルに留まっているのなら企業にとって直接的な悪影響はさほどないですが、部署同士のコミュニケーションが滞るため、不測の事態が起きたときに協調できずに対応が遅れてしまう可能性が高くなります。
また、それが批判や排他的行動に移行してしまうと、従業員の仕事に対するモチベーションは一気に低下してしまいます。
しかも、どちらか一方が完全に力を失わない限りは不毛な争いが続くので、生産性の低下も避けられないところです。

さらに、セクショナリズムによって部署間の連携意識が失われると、顧客や取引先からの信用低下にもつながってしまいます。
たとえば、顧客からの問い合わせがあっても自分の部署と関係なければ、適切な処理を行わずに放置するといったことが起こり得るのです。
過度なセクショナリズムの弊害としてはその他にも、「他の部署の業務に対する興味を失い、チャレンジ精神がなくなる」「モチベーションの低下に伴い、離職者が増える」などといったことも挙げられます。

セクショナリズムが発生する主な要因

ある程度以上の規模であれば、どんな職場にも多少のセクショナリズムは存在し、なんらかのきっかけでそれが過度に高まってしまうケースがあります。
多くの場合、そのきっかけとなるのが一部の人間による他の部署に対する不満です。
たとえば、「製造部は販売部門の要望に全く応えてくれない」「営業部がしっかり売り込んでくれないからせっかく良い商品を開発しても結果につながらない」などといった具合です。
最初は一部の人間が不満を漏らすだけですが、それに同調する声が増えてくると他部署を敵視する空気が一気に広まっていきます。
仮に、対立を望まない人間がいたとしても他部署を敵視する従業員が多数派になった時点で、同調圧力により、少数派の意見は封殺されることになります。

そもそも、なぜ特定の相手を敵視するようなことが起きるかというと、その根底にあるのは他部署の仕事内容や状況への理解不足です。
特に、人事異動が少なく、部署ごとのスタッフが固定されているとますます相互理解がしにくくなってしまいます。

また、成果主義人事制度の普及もセクショナリズムが高まる原因の一つだと考えられています。
なぜなら、実力が同程度であっても結果が相手よりわずかにでも劣れば、相対的に自分の評価が下がり、昇給や昇進に響いてしまうからです。
そのため、評価に対する不満がセクショナリズムにつながるのですが、こうしたケースではしばしば同じ部署内での小グループ単位による対立を引き起こすことになります。

さらに、社員数の増加がセクショナリズムに及ぼす影響も見逃せません。
一般的に社員の数が増えれば増えるほどセクショナリズムは起こりやすくなります。
組織が小さいとトップの考えが末端まで行き渡り、同時に、社員同士のコミュニケーションも十分に図ることができます。
ところが、人数が多くなるとトップの声は途中で遮断されるケースが増えてきますし、横のコミュニケーションも希薄になっていくのです。
その結果、互いに何を考えているのかがわからずに不満ばかりが溜まり、それがセクショナリズムの高まりにつながっていくというわけです。

セクショナリズムの解消法

セクショナリズムを解消するには目的意識の共有が欠かせません。
そのためにはまず、組織全体の利益が従業員一人一人の利益につながることを具体的に説明する必要があります。
そうすることで、対立をするより互いが協力し合うべきだという意識が高まっていきます。
もっとも、単に理念を説くだけでは一度悪くなった現場の空気を払拭するのは困難です。

場合によっては組織改革が必要になってきます。
たとえば、今まで縦割り型の組織運営を行っていたのなら、他の企業の前例などを参考にしつつ、思い切って横のつながりを重視した体制に変えてみるのです。
そうすることで、他部署とのコミュニケーションが密になり、対立構造が解消される効果が期待できます。
ただ、あまりにも急激な組織改革は業務に混乱を招きかねません。
そこで、まずは小さな部署で試験的に取り入れ、その結果次第で徐々に改革の範囲を広げていくという手法をおすすめします。

また、よりリスクの少ない方法としては部署間での異動を増やすという手もあります。
そもそも、同じ部署にずっと居続けるから偏狭な仲間意識や排他的な精神が生まれてくるのです。
定期的に異動を行えば、さまざまな部署の実情を理解し、視野を広めることにつながります。
そうなれば過剰なセクショナリズムに陥るといったケースも少なくなるはずです。

さらに、部署間のコミュニケーションを高めるにはコミュニケーションアプリの導入が有効です。
アプリを用いてリアルタイムでさまざまな情報を伝え合うことで相互理解につながり、セクショナリズムの発生・問題の深刻化を防ぎます。
具体的には、「経営理念や行動指針を伝え、従業員全員が同じ方向に向かって努力を行えるようにする」「各部署の貢献度を見える化し、無理解による部署間対立を未然に防ぐ」「チャット機能や掲示板機能などを用いて部署間のコミュニケーションを活性化させる」などといった活用方法が考えられます。
コミュニケーションアプリを利用したことがないという場合は導入を一度検討してみてはいかがでしょうか。

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今回は、セクショナリズムの問題点や原因、改善のための施策について紹介しました。
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