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レジリエンスとは?尺度や高める方法を紹介

レジリエンスとは?尺度や高める方法を紹介

ビジネスの現場では、個々の従業員がストレスや課題を抱えながら業務にあたっているケースが少なくありません。
精神的な回復が遅れたり、そもそも回復できなかったりすると、組織にとって大きなダメージをもたらす恐れがあるでしょう。
強固な組織とするには、精神的な回復力「レジリエンス」が必要です。
今回は、レジリエンスの意味や必要性、測定に用いられる尺度、さらにはレジリエンスを高める方法などについて紹介します。

レジリエンスとは?

レジリエンスは英語では「resilience」と表記され、もとは物理学用語として使われていました。
外的圧力をストレスと表現し、ストレスを跳ね返す力がレジリエンスです。
次第に精神医学の分野でも用いられ、不利な状況においても、正常な精神的状態を維持できる能力という意味合いを持つようになります。
ビジネスにおいては「精神的回復力」と解釈され、さまざまなストレスに対する回復力や抵抗力を意味するケースが多いでしょう。

メンタルヘルスやストレス耐性との違い

精神面に関する似たような用語には、メンタルヘルスやストレス耐性などがあります。
メンタルヘルスは精神の健康そのものを意味し、また、精神の健康のためのサポートを表現する用語として使われます。
そもそもストレスを感じないような措置やストレスを感じてしまった際のケアが、メンタルヘルスの持つ意味です。
レジリエンスという言葉は、そこからの回復力やその程度を指します。
ストレス耐性は、レジリエンスの構成要素の一つともいえるでしょう。
しかし、ストレスに耐えられる強さに焦点を当てているストレス耐性とは少し異なり、レジリエンスは主に回復力に焦点が当てられています。

レジリエンスにかかわる因子や要素

レジリエンスの程度は、さまざまな因子や要素により変わります。
個人差も大きく、しかし、意識やトレーニングにより高めることも可能です。
ここでは、精神的回復力を高めるために必要な基礎知識として、レジリエンスを構成する因子や要素を紹介します。

環境や出来事

人生における環境や出来事は、レジリエンスに大きくかかわります。
ビジネスの現場においては、心理的安全性やコミュニケーションの有無、大きな失敗や人間関係などがあるでしょう。
ビジネス現場での環境や出来事のみが関係しているわけではありません。
教育や出自、幼少期のトラウマや家庭環境などもレジリエンスにかかわります。
また、病気や災害の経験なども精神的な回復力を左右するケースが少なくありません。

先天的な性格

先天的にレジリエンスが強い人と弱い人がいます。
いわゆる、性格に左右されているといえます。
同じ家庭で同じ教育水準で育った兄弟でも、同じ程度のレジリエンスを備えているとは限りません。
先天的な性格を変えるのは困難ですが、他の因子や要素に目を向けることでレジリエンスの向上は可能です。

後天的に身につけた能力

学習や仕事により知識や技術を身につけ、それらがレジリエンスを高めるケースも多々あります。
成果を出せれば、徐々にレジリエンスは高められていくでしょう。
そのような環境や出来事は偶然得られるものでもありますが、自らの選択による入手も可能です。
ビジネスシーンにおいては、後天的な要素にフォーカスし、組織的に従業員のレジリエンスを高める必要があります。

社会的なつながり

環境と類似しますが、社会的なつながり、特に人とのコミュニケーションによりレジリエンスが高まるケースがあります。
信頼関係や強固な人間関係は自尊心を高めます。
自己肯定感の向上にもつながり、それがレジリエンスへとよい影響を及ぼすでしょう。
自らの行動が社会や他者へよい結果をもたらしているとの認識は、レジリエンスをさらに向上させます。

レジリエンスを高める必要性

レジリエンスの低い従業員ばかりの組織では、生産性の向上や組織力の強化は実現できません。
ここでは、レジリエンスを高める必要性を紹介します。

健康の維持や促進の効果が期待できる

精神の健康状態は、肉体の健康状態とも無関係ではありません。
レジリエンスを高められれば、心身ともに健康な状態が維持できて常に高い集中力を発揮し、かつハイパフォーマンスで業務にあたれるでしょう。
結果的に、組織全体の生産性や効率性の向上をもたらします。

目標達成のための能力や意欲が向上する

精神的な回復力が強く早ければ、目標達成のための意欲も高められます。
失敗しても、すぐに切り替えられ、次の目標へと動き出せるでしょう。
そうした意識や意欲は、能力の向上にも寄与します。
目標達成のために必要な知識や技術を貪欲に追い求められるためです。
精神的な回復にかかる時間が短くなるほど、目標達成までの時間も短縮できるでしょう。

社会の変化に対応しやすくなる

レジリエンスの高い人は、問題や課題の早期解決を目指します。
ビジネスシーンでは、社会情勢や時代の変化により、しばしば変革が求められます。
そうした際にも、レジリエンスの高い人ほど対応しやすくなるでしょう。
落ち込んだり悩んだりする時間が、レジリエンスの低い人と比べて短いためです。
すぐさま必要な行動をとれるため、新たな発想を生み出したり情報をキャッチしたりしやすくなります。

主体的に物事に取り組めるようになる

レジリエンスが高まると、次第に主体性や自主性も向上します。
目標設定や課題克服のための行動も素早くできるようになるでしょう。
レジリエンスが向上するほどに、物事をポジティブに捉えられる傾向があるためです。
過去よりも未来に意識が向くようになる効果も得られます。

休職率や離職率の低下につながる

精神的なダメージは、労働の意欲を削ぎかねません。
その状態が続けば、休職や離職を選択する従業員も増えてしまいます。
レジリエンスが高まれば、失敗を糧にしつつ自分に必要な業務や技術の習得などに目がいきやすくなるでしょう。
落ち込みはしても短期間で回復し、休職や離職といった選択肢の優先度が低下していきます。

レジリエンスの測定に用いられる尺度

レジリエンスは抽象的なもののため、測定は困難です。
しかし、精神的回復力を測定する試みは、さまざまなところで行われています。
ここでは、レジリエンスの測定に用いられる主な尺度を紹介します。

レジリエンススケール

1993年にワグニルド氏とヤング氏により提唱された尺度です。
2つの因子と25の項目によりレジリエンスを測定します。
妥当性が高いとされており、多くの企業でも用いられる尺度の一つです。

森らのレジリエンス尺度

2002年に森敏昭氏らが提唱した尺度です。
自分自身への受容力や問題解決力など4つの因子とさらに29の項目などからレジリエンスを測定します。

精神的回復力尺度

小塩真司氏らが2002年に提唱した尺度で、21の項目から測定を試みる手法です。
下位の尺度として、新奇性追求や肯定的な未来志向なども用意されています。

二次元レジリエンス要因尺度

2010年に平野真理氏らにより提唱された尺度です。
資質的要因と獲得的要因に分類し、二次元によりレジリエンスを測定する点が特徴です。

レジリエンスを高める方法

レジリエンスを高めるのは容易ではありませんが、ビジネスの現場では積極的に試みる必要があります。
ここでは、従業員のレジリエンスを高める方法をいくつか紹介します。

コミュニケーションの促進を図る

レジリエンスの低い人は、孤立化しやすい傾向があります。
そうならないよう、コミュニケーションの促進を図らなければいけません。
頻繁にさまざまな形式でコミュニケーションを重ね、必要に応じて不満などを吐き出させます。
サポートもしつつ、努力や意識など定性的な部分に関する評価も丁寧に行いましょう。
職場内の関係性を強固なものにすると、徐々にレジリエンスが向上していきます。

成功体験を積み重ねさせる

レジリエンスの高い人は、常に成功や成長に意識が向いています。
特に、成功体験は重要です。
従業員の立場や能力に見合った課題を出しクリアさせ、小さな成功体験を積み重ねさせましょう。
徐々に自己肯定感が高まり、レジリエンスの向上へとつながります。
成功できると認識できれば、失敗しても短期間で回復できるでしょう。

自身の強みにフォーカスさせる

自分自身の強みを理解している人は、レジリエンスが高い傾向があります。
個々の従業員の強みにフォーカスし、それを伸ばすための環境づくりやトレーニングが必要です。
強みの発見や強化ができれば、成功体験にもつながります。
結果的に、レジリエンスを高められるでしょう。

成果に着目した公平な人事制度を整える

努力や成果が評価される制度も、自尊心や自己肯定感をもたらします。
成果が認められる人事制度となっていれば、これも成功体験へとつながり、レジリエンスの向上に寄与するでしょう。
最初は評価されなかったとしても、努力をし成果を出せばよいと理解できるため、モチベーションが維持しやすくなります。
失敗を成功の糧とする意識も高まります。

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