コミュニケーションの見える化で組織が自走化! コインの流通枚数でメンバーのメンタル状況や店舗の状況もわかる

株式会社ジェイアイティ
株式会社ジェイアイティ
業種
携帯ショップ運営
従業員数
47名

経営企画部長 戎谷 太郎 様 / 笠井 智史 様

徳島市を中心に、四国でも販売シェアトップクラスのドコモショップを運営する株式会社ジェイアイティ。
そんな同社がどのような工夫でTHANKS GIFTを日々の運用に乗せたのか、また導入したことで起きた変化について戎谷様、笠井様に伺いました。
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紙では見えない周囲のありがとうを可視化し、文化として浸透させるために

-まずは御社の理念や大切にしている価値観があれば教えてください。

戎谷:
「道徳経済合一説」という言葉を大切にしています。
企業利益だけにも、道徳だけにもならずに、その2つを両立させることで、地域社会に貢献していきたいと考えているためです。

 

-THANKS GIFT導入前に抱えていた課題について教えてください。

戎谷:
弊社では、感謝の言葉は口に出さなければ相手に気持ちは伝わらないため、以前から日々の業務の中で口に出して「ありがとう」と言うことを重要視してきました。その一環として、日々の小さな行動に対して直接手渡しする、紙の「ありがとうカード」を導入したこともありましたが、紙ではあくまで1対1のやり取りになってしまうため、文化としての広がりがなく、見える化や定量化もできていませんでした。
また、新型コロナウイルスが流行ったことで、コミュニケーションが減り、「ありがとう」という言葉を伝える機会が少なくなる、ということが将来課題につながると考えました。コロナ禍で社内にコミュニケーションに関わる課題が発生する前に、何かしら手を打ち、アフターコロナに、より強い組織を目指す必要を感じました。

 

そのリアルタイム性と長期にわたる運用を見越してTHANKS GIFTを選択

-数ある感謝を伝えるツールの中で「THANKS GIFT」を選んでいただいたのはなぜですか?

戎谷:
誰が最も感謝の気持ちを伝えているのか、伝えられているのかという情報や、組織のチームワークがリアルタイムに可視化され、管理画面からチェックできることが決め手でした。
また、機能が「シンプルで使い勝手が良い」ということ、そしてエンゲージメントスコアの集計ができるなど、「将来的に運用していくに当たって使いやすそう」だと思ったことも理由の一つです。
現状、エンゲージメントスコアは肌感覚でしか分かっていません。これが数値化されることにより、店長をはじめとするマネジメント層へのフィードバック材料として活用できると思っています。

 

上層部の活用が導入のカギに 意外な部分を褒められることで部下のエンゲージメントが向上

-導入に際して苦労した点や工夫した点はどんなところですか?

戎谷:
はじめはきちんと運用に乗せるべく、店長をはじめとする管理者層から毎日コインを部下に贈ることを奨励していたのですが、管理者によっては温度差が生じ、使用頻度が下がっていました。
そこで、そういう管理者には「今日は感謝できる子はいなかったの?」などとちょっとしたリマインドをかけて盛り上げたことで、現場スタッフもそれに応えるようにコインを贈り合うようになりました。そういう意味では、副店長や店長といった、上層部が継続的に贈ることが文化の定着につながる肝だと感じます。

また、継続して使用していると、贈る相手の良い部分や行動をきちんと見ることにつながります。エンゲージメントが高まる瞬間というのは、「上司が意外な部分に気づいてくれた」と感じられるときだと思うので、それをどれだけそうした行動を促せるかというのは意識しています

最初からインセティブを設けず、あくまで感謝を伝えるツールとして使用した、というのも工夫したポイントですね。以前、紙の「ありがとうカード」で感謝を贈り合っていた際にインセンティブを導入したら、本来はありがとうを伝えるはずの手段であるカードが、インセンティブを目的としたものに変わってしまったことがあったためです。これでは文化として継続性に欠けます。
だから、まずはインセンティブなしでできるところまで浸透させ、後で導入検討したいと思っています。将来的にインセンティブを導入するとしても、金銭的インセンティブではなく、コインを貯めると「一日だけ店長とタメ口で話せる権利」や「希望休を多めに出せる権利」のように、金銭と関係のないものにすると面白いかな、と思っています。

月次でランキングを周知するなど、総務起点でさまざまなアイデアを具現化

-現状どのような運用をされているのでしょうか?

戎谷:
毎月、社内報で「先月のありがとう」という見出しで、ありがとうコインを贈っている数が多い人をランキング形式で全体に周知しています。
これは、いつも感謝を伝えあってくれてありがとうという会社からのありがとうを込めて実施しています。また、日頃の感謝のみならず、誕生日にはメッセージを贈り合うなど、双方向のコミュニケーションも意識しています。

また、総務からのアイデアで、メンバーのTHANKS GIFT上で他己紹介リレーを行っています。まずAさんがBさんの人となりなどを紹介し、次にBさんがCさんを…という風にリレーのようにつなげていくコンテンツです。他者に対する理解が深まるように実施しています。

現在はこのように総務からの意見を中心に施策を進めていますが、今後は現場の営業なども巻き込みながら運用していきたいですね。

振り返りのきっかけやメンタル面のケアにも活用の余地が

-導入後、組織に変化はありましたか?

戎谷:
この取り組みがすごく刺さって、毎日ログインしているメンバーがいたり、普段はありがとうを積極的に贈らなそうなタイプの人がランキングの上位に入ったりと、メンバーの違った一面が「見える化」されたのは経営サイドからするととても良かったと思います。

また、贈るありがとうコイン数の減少が、そのメンバーの精神的なバランスの崩れも可視化しているなと思います。その点で、ありがとうコイン数の推移を月次でモニタリングし、贈るコインが減っていたら声がけをするなど、メンタルヘルスのケアにも活用していけると考えています。

笠井:
私はマネジメント側だったので、自分から意識して多くのコインを贈ることを心がけていたのですが、あげる量に比べてもらう量が少なかったんですね。そこで、どうして自分がもらえなかったのだろうということを考えるようになり、普段の自らの行動を省みるきっかけになりました。
ストレングスファインダーという強み診断によれば、私は内省が弱いので、良い気づきが得られる機会になりました。
また、ビジネスチャットと違い、休日にチェックしても嫌な気分になることはないため、会社への想いやエンゲージメントが向上するツールだと思います。
業務後に贈ったコインについて、翌朝話題になり、コミュニケーションが活発化することも多くなりました。

戎谷:
あとは、「折り入ってお話があります」と深刻な相談を持ちかけられることが少なくなりましたね。THANKS GIFTを使うことで、普段のコミュニケーションの中でガス抜きができるようになってきているからだと感じますし、組織が自走している状態により近づいていると感じます。

以前、妊娠してあまり無理のできない状況にもかかわらず、周りに申し訳ないということで出社して働いていたメンバーがいたのですが、それを見た周りのメンバーが、業務後にその子に対してありがとうコインを贈りまくったということがありました。こういう行動が自然に生まれると、誰もが周りから必要とされている存在だと実感できますし、とても良い事例だったと思います。

 

今後はエンゲージメントスコアの活用、部署間でのコンテストなどを予定

-最後に、今後の目標や目指す姿などあれば教えてください

戎谷:
まずはエンゲージメントスコアを活用していくこと、営業と直結した、生産性向上に対するありがとうの割合を増やすことですね。
それに加えて、コインの種類も会社のビジョンや行動指針の策定に合わせて増やしていこうと思っています。
また、部署に対する愛着やエンゲージメントを高めるために、コンテストをするというアイデアもあります。きちんと部署ごとの集合写真を撮って、どの現場が一番仲良くやっているか、というのを楽しみながら競い合えると良いと思っています。そうすると、部署内できちんとありがとうを言い合おうという声がけも自然に発生してくると思うんですよね。

-本日は貴重なお時間をありがとうございました!