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サンクスカードとは?効果や失敗・対策、おすすめツールを紹介
サンクスカードという仕組みをご存じでしょうか。
2000年代前半に様々な企業で取り入れられた仕組みですが、リモートワークの普及に伴い、改めて注目されています。
ここでは、このサンクスカードの概要や導入する際にどういう点に気を付ければよいかについて紹介します。
もくじ
サンクスカードとは?
サンクスカードとは、仕事の中で感じた感謝を専用のツールや紙に書いて送り合う取り組みのことです。
一緒に働く中で感謝や称賛の気持ちを積極的に伝え合うことによって、コミュニケーションが取りやすくなったり、社内で良い言動が増えていくサイクルができあがります。
社内コミュニケーションの活性化だけでなく、従業員エンゲージメントの向上、離職防止などを目的に導入する企業が増えています。
サンクスカードの導入メリット・効果
サンクスカードを導入することによって期待できるメリットや効果を紹介します。
1.存在承認を実感しやすくなる
サンクスカードの導入効果は、コミュニケーションの可視化や理念浸透など目的応じて様々ですが、サンクスカード自体の効果は主に本人の視点と組織の視点から整理されます。
本人の視点での効果は、存在承認です。
存在承認というと少し難しくとらえられてしまう側面がありますが、要は「私はこの組織にいて大丈夫ということを実感している状態」のことです。
感謝を送り合う仕組みにより、感謝をカタチにすることができるため、この存在承認を実感しやすくなります。
2.心理的安全性の醸成
お互いに感謝の気持ちを伝え合うことで、社員同士の信頼関係の構築が促され、関係性ができてくると、互いに思っていることを率直に伝えられるようになります。
信頼関係ができていないと「こういうことを言ったら嫌われるんじゃないか」「分からないと言ったら仕事ができないと思われるんじゃないか」といった不安が生じ、チャレンジが減ったり、発言できれば解決していた問題が放置されたりします。
このような状況を未然に防ぐ環境整備として、サンクスカードは有効な手立てとなります。
3.チームワークの強化
サンクスカードを贈り合う文化が浸透することで、自然と社員同士がお互いのことを気にかけるようになります。
相手をよく見ることで相互理解が深まり、コミュニケーションを取る上で配慮できたり、相手の状況おを見てフォローを入れることでチームワークの向上が期待できます。
サンクスカードの導入によって協力意識が育まれ、チームワークが強化されていきます。
4.離職防止
企業にとって人材の流出は避けたいリスクです。
優秀な人材が退職してしまうと、生産性が下がったり新規人材採用のためのコストがかかったりする原因につながります。
サンクスカードのやり取りを通して、人間関係において良い関係を保ったり、感謝や称賛などポジティブな会話を増やすことでその企業への定着意向度が高まります。
↓その他、サンクスカードの導入効果について紹介した記事はこちら↓
サンクスカードの「4つの効果」と「2つの注意点」を紹介
サンクスカードの導入時の注意点
上記の効果が見込まれるサンクスカードですが、導入したからと言ってすぐに効果が出るものではありません。
これはどの組織施策でも同様ですが、その施策が効果を出すためのポイントがあります。
サンクスカードの導入で注意すべきポイントを3つにまとめました。
ポイント1:導入当初は経営層・リーダー層や導入推進者が積極的に活用する
導入当初は、サンクスカードを書くという文化がない状況からスタートします。
そのため、導入直後からメンバー間でサンクスカードを送り合うというのは心理的なハードルが高く、メンバーの自発性に任せていては定着させるのは困難です。
そのため、まずは、メンバーにサンクスカードを受け取ってもらい、どういう風に感じるかを実感してもらうことが重要となります。
その主体となるのが、経営層や各組織のリーダー、また、サンクスカードの導入推進者になります。
組織施策を積極的に進めていこうとしている主体が実際に活用することで、徐々にメンバーも活用するようになってきます。
ここでポイントなのが、リーダー間で活用することです。
所属組織が異なると利害が対立することもあります。
そのようなリーダー同士がお互いに使っているところをメンバーに見せることができれば、サンクスカードの使い方を実感してもらいやすくなります。
ポイント2:内容にこだわらない・内容を凝らない
サンクスカードを定着させるためには、感謝の内容にこだわらず、どんな内容でも気にせずに送り合うことが大切です。
特に、ポイント1に記載しましたが、経営層・リーダー層が積極的に些細なことでも感謝し合うことで、メンバーにとってサンクスカードを書くハードルが下がります。
特に注意すべきは、導入当初に長文での感謝や特別な行動に対する感謝を送らないということです。
導入当初はサンクスカードを書くモチベーションが高く、往々にして凝った内容のサンクスカードを送りがちであるため、意識したい点です。
ポイント3:気づいたらすぐに書く、すぐに届ける
フィードバックは即時性が重要だと言われています。
これは、サンクスカードでも同様です。
本人の行動の直後にサンクスカードを届けることで、本人がどのような行動に対して感謝されたのかを意識しやすくなります。
ある会社では、サンクスカードを紙で収集・集計してから本人に渡していたため、行動と感謝を受け取るまでにタイムラグがあり、感謝を実感し辛かったという声を聞きました。
その声からも分かるように、即時性を意識することは重要です。
サンクスカードの運用がマンネリ化する要因
サンクスカードの運用がマンネリ化してしまう要因としては、下記のようなことが考えられます。
- 同じ人しかサンクスカードを送らない
- 毎回同じ人同士でしかサンクスカードを送らない
- 社内表彰など定期的なイベントを設けていない
- サンクスカードをもらえない人が飽きて辞めてしまう
- サンクスカードのやりとりを運用・監督する人/チームがいない
- 活用状況についてデータ分析ができていない
上記のような従業員が慣れや飽きからマンネリ化が生じる原因と企業側がイベントを設けない、分析・対策を講じないことによって生じる原因と2つによってマンネリ化が進んでしまいます。
↓サンクスカードのマンネリ化を防ぐ方法を紹介した記事はこちら↓
サンクスカードをマンネリ化を防ぐ方法と成功事例を紹介
サンクスカードの運用でよくある失敗
サンクスカードの利用をはじめ、初期は上手くいっていたけれども、運用を進めていくなかでよくある失敗としては、下記のようなことがあります。
1.ノルマ化して、従業員が受動的になる
サンクスカードの運用を進める中での悪手は、ノルマ化することです。
サンクスカードは本来、感謝や称賛の気持ちを自発的に送るツールのはずですが、サンクスカードの送付枚数をノルマ化してしまうと、サンクスカードを送る行為自体がやらされで、形だけのものになってしまいます。
2.特定の人・部署にのみ利用が偏ってしまう
サンクスカードでよくある失敗としては、ツールを導入したものの、従業員に浸透せずに使われなかったというケースです。
この場合は、従業員がサンクスカードを使うメリットについて理解できていないこと、活用イメージが湧いていないこと、最初に使ってみるハードルが高いことが挙げられます。
従業員全員に活用目的や使用イメージを伝え、まず試しに投稿してもらいましょう。
↓サンクスカードの導入失敗の原因と対策を紹介した記事はこちら↓
サンクスカードの導入が失敗する原因と対策方法を紹介
サンクスカードの運用を定着させる方法
ここまで、サンクスカードの効果や導入におけるポイントをまとめてきました。
ここでは、サンクスカードをよりよく運用するうえでの工夫をご紹介したいと思います。
運用上の工夫1:感謝を可視化する
サンクスカードを社内で貼りだしたり、システムなどを活用してWebで見られるようにすることで、感謝を可視化することができます。
感謝を可視化することで、誰が誰にどのようなことを送っているかが分かるだけでなく、組織内のコミュニケーションの偏りなども把握することができます。
一方で、可視化すると他の人が書いているから自分も書かないといけないという心理的プレッシャーを受けたり、他の人が書いていないと自分も書かなくてもよいという心理状態になったりします。
そのため、可視化する際は、強制感が出ないように気を付けながら、一定量のサンクスカードを送り合っている状態を作ることが必須となります。
運用上の工夫2:イベントなどと組み合わせる
サンクスカードを送り合うだけでなく、社内イベントなどでサンクスカードの枚数などを表彰することも組織風土の醸成などに効果的です。
サンクスカードをイベントに組み合わせることで、サンクスカードの認知を広げるだけでなく、社内における位置づけを高めることができます。
ただし、過剰にサンクスカードの枚数を表彰すると、個人では「表彰されたいから本心で感謝していなくてもサンクスカードを送る」、組織では「組織内のサンクスカードの枚数を増やすためにサンクスカードを送ることを半強制化する」などの本末転倒となる事態も起きるため、自然なレベルで実施することが肝要です。
運用上の工夫3:感謝以外も送り合えるようにする
サンクスカードという名称ですが、相手への応援や期待なども送り合えるようにすることで、サンクスカードの流通量を増やすことができます。
また、ポジティブなコミュニケーションはすべて、サンクスカードの効果である存在承認に効いてきます。
そのため「頑張れ」や「よくやった」、「期待している」ということも送るようにすることで、よりサンクスカードの機能強化につながります。
サンクスカードは、紙orWeb・アプリのどっちが良い?
サンクスカードを手書きで贈り合う場合、違う部署やチームに対して行うことは難しいですが、デジタル・アプリ化すれば、離れた従業員に対しても気軽にお礼を言い合えるようになります。
実際に、サンクスカードのデジタル化に踏み切った企業の中には、部署の垣根を越えて、従業員同士が称賛し合うようになったという企業がたくさんあります。
営業が事務にお礼を伝えるようになったり、反対に営業に対して事務が労いの言葉をかけるようになったりと、嬉しい相互作用が起こっております。
紙であれば形として残るメリットはありますが、サンクスカードを送る・渡す手間、場所や時間の制限、集計の簡易さなどから見ると、Webやアプリなどのデジタルで実施する方がメリットが大きく、実際に紙で運用していた企業がデジタルに切り替える事例は非常に多いです。
↓サンクスカードをデジタル化するメリットを紹介した記事はこちら↓
サンクスカードをデジタル・アプリ化するメリット、おすすめのツールを紹介
シチュエーション別のサンクスカード例文
サンクスカードを送る際のシチュエーション別の例文を紹介します。
1.上司から部下へサンクスカードを送る場合の例文
「いつもありがとう。あなたの頑張りがあるからこのチームは支えられています。毎日、遅くまでご苦労様です。これからもよろしくね。」
「この半期は、目標対比140%の達成おめでとう。最近では後輩への仕事の指導も積極的に行っていて頼もしいです。ありがとう。」
2.部下から上司へサンクスカードを送る場合の例文
「昨日は、○○社様への商談に同行いただきありがとうございました。私が言葉に詰まった際にフォローいただき非常に助かりました。」
「先ほどは、業務の棚卸しをお手伝いいただきありがとうございました。次やるべきことが明確になりました。早速、最初の業務に取り組んでまいります。」
3.同僚同士でサンクスカードを送る場合の例文
「○○の資料を共有いただき、ありがとうございました。まさに欲しい情報についてまとめてあり、非常に助かりました。」
「さっきは、ごみ捨てを手伝ってくれてありがとう。当番ではないのに周りの状況を見て動いてくれて、とてもありがたかったです。」
「チョコありがとうございました。企画が煮詰まっている時で、体が糖分を欲していたので、身に沁みました。」
↓サンクスカードを送る際のポイントや渡し方を紹介した記事はこちら↓
サンクスカードの内容や例文、効果的な渡し方について紹介
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