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OKRとは?KPIやMBOとの違いや具体的な目標設定例を紹介

OKRとは?KPIやMBOとの違いや具体的な目標設定例を紹介

企業や組織が業績・利益を上げるためには、さまざまな取り組みやマネジメントを実行していく必要があります。
その中の一つである「OKR」はとても重要であるにもかかわらず、日本で取り入れている企業はまだ多くはありません。
今回は、OKRの概要やKPI・MBOとの違い、具体的な目標設定例について紹介します。

OKRとは?

OKRとは「Objectives and Key Results」のそれぞれの単語の頭文字をとった略語で、日本語では「目標と主要な成果・結果」と訳されます。
OKRは社内やチーム内で共有される点がポイントです。
OKRの達成度やそこから得た成果などを従業員の評価へと反映させてはならない点も押さえておく必要があります。

OKRの「O」は目標

Objectivesは目標を表す英単語です。
これは定性的な目標であり、むしろ数値化してはいけません。
できる限りシンプルで理解しやすく、また、1〜3カ月程度で達成を目指せる目標を設定する点もポイントです。
スローガンのような要素をもってはいますが、あくまでも具体的な目標を設定することが求められます。

OKRの「KR」は成果・結果

Key Resultsは主要な成果や結果を意味します。
Objectivesと異なり、定量的な指標を設定しなければいけません。
3〜5つほどの目標を設定し、四半期間で達成不可能ではないが簡単にはクリアできない数値を設定することがポイントです。
定めた成果や結果の60〜70%程度達成できれば成功と考えます。
それ以上の達成率となった場合は、Key Resultsの設定としてはレベルが低いと判断されてしまう点を押さえておきましょう。
達成度60〜70%程度と考えられる目標は「ムーンショット」と呼ばれます。
一方で、目標設定や達成までのプロセス・環境が十分に整えられていない組織の場合は、まずは「ルーフショット」と呼ばれる100%達成することが可能な目標を設定することをおすすめします。
環境や従業員の意識が整うにつれて、徐々にムーンショットへと移行していきましょう。

OKRを設定するメリットや効果

OKRが注目され、海外の大手企業を中心に取り入れられはじめている理由は、非常に大きな効果やメリットがあるといわれているためです。
OKRを設定することで得られる効果について紹介します。

団結力や連携が強化される

企業やチームとしての目標があらかじめ定められていれば一致団結しやすくなります。
目標達成のためには、同じ方向を向き同じ目的意識をもつことが欠かせないためです。
OKRは容易に達成できない目標や成果を定める必要があるので、団結力や連携が強化されなければ成果を上げることができません。
コミュニケーションの改善や活性化にも効果が期待できるでしょう。

エンゲージメントの向上

目標や成果を社内やチーム内で共有しそれに向かって全体で業務にあたることで、働く人たちのエンゲージメントが向上する効果も期待できます。
個人個人が成果を上げなければ目標は達成できず、裏を返せばすべての人が重要な役割を担うことが要求されるためです。
実際に目標が達成されれば、全員で喜びや達成感を分かち合うことができるでしょう。
これがエンゲージメントの向上へと直結します。
そのためにも、立場や役職を超えてコミュニケーションが可能な環境を構築しておくことが重要です。
必要に応じてコミュニケーションツールなども導入しOKRの共有のための、あるいは目標達成時に賞賛・感謝などが自然と交わされるような体制や環境を整えておくことも求められてくるでしょう。

より高い目標の設定が可能

OKRは評価制度とは切り離されて設定されるため、より高い目標の設定が可能となります。
もし達成率が高くなかったとしても評価にかかわることはありません。
思い切った目標や成果を設定できることで、モチベーションのアップにも寄与するでしょう。
あえて高い壁を設けることができるので、それぞれの社員のポテンシャルを引き出したり、それによるパフォーマンスの向上を期待することも可能です。

OKRとKPIやMBOとの意味の違い

企業や組織における目標の設定・達成などに関する指数や考え方にはさまざまなものがあります。
OKRと混同されがちなものが「KPI」と「MBO」です。
このKPIとMBOは、OKRとそれぞれどのような違いがあるのか紹介します。

OKRとKPIとの意味の違い

KPIは「Key Performance Indicator」の頭文字をとった略語で、日本語では「重要業績評価指数」や「重要経営指数」と訳されます。
KGIと呼ばれる最終的な目標を達成するまでに必要なプロセスを具体化して定めた、いわゆる中間目標や中間指標がKPIです。
そのため達成率は100%が望ましく、その点で達成率60〜70%程度で成功とみなすOKRと異なります。
また、KPIは具体的な数値目標を設定する点でも、一部定性的な目標設定を行うOKRとの違いがみられます。

OKRとMBOとの意味の違い

MBOは「Management By Objective」の頭文字をとった略語で、日本語では「目標管理制度」と訳されます。
これは、組織やチームの目標とリンクさせながら従業員自身に個人の目標を設定させるマネジメント手法のことです。
OKRが社内やチームで目標や成果を共有するのに対し、MBOは本人と上司といった限られた人たちでのみ共有されることが多い点に違いがみられます。
また、MBOはOKRと異なり、報酬の決定など評価に関わる点もポイントです。
MBOが100%の達成率を目指す点はKPIと同様であり、OKRとは異なる点と言えます。

企業やチームにおけるOKRの設定例を紹介

OKRの具体的な設定例を紹介します。

企業やチームのOKRの設定例

企業やチームにおけるOKRでは、例えば「〇〇のシリーズで業界トップのシェアを獲得する」のようなObjectivesを設定します。
Objectivesはこのように高くわかりやすい目標を掲げることが重要です。
「商品や対応に力を入れて顧客満足度No.1を目指す」などでもよいでしょう。
”トップのシェア”や“No.1”のような、細かな数値目標ではないものの非常に理解しやすくモチベーションや士気が上がるような目標設定がポイントとなります。
「新商品の発売」や「新店舗をオープン」などでもよいでしょう。

Key Resultsは、「生産量20%増加」、「利益率10%上昇」、「売上30%アップ」などの具体的な数値を用いて設定します。
こうした定量的な目標は、上で示したObjectivesを達成するために必要なものとなります。
「前期と比較し売上高20%アップ」、「開店資金2000万円調達」なども、達成のハードルがある程度高いものであれば、Key Resultsとして適切な設定となるでしょう。

個人のOKRの設定例

個人も企業やチームと、基本的な設定の方法は変わりません。
当然ながら、個人で達成できるかできないかを重視して設定することになります。
Objectivesとしては、「新商品に採用されるアイデアを作る」、「新規エリアで新規顧客を獲得する」、「チームトップの売上を叩き出す」などが考えられます。
Key Resultsとしては、「新規顧客を30件獲得」や「営業売上を40%アップ」、「プレゼンテーションを20件行う」など、具体的な目標を設定する必要があります。
これまでに設定したOKRも考慮しながら、目標の数値を調整しつつ設定していくことも求められます。
管理職やリーダーの立場にある人は、従業員とよくコミュニケーションを図りながら、OKRの設定に関する指導を丁寧かつ的確に行わなければいけません。

OKRを上手く活用し、従業員が定着・活躍できる組織を作ろう

今回は、OKRの概要やKPI・MBOとの違い、具体的な目標設定例などについて紹介しました。
従業員が定着・活躍できる組織を作るために、自社の従業員の特徴や強みをしっかりと把握し、それぞれがやりがいを持って仕事を行えるよう、人員配置や教育、社内制度を通じた支援を行いましょう。

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