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「トップダウン」と「ボトムアップ」の違いとメリット・デメリットについて紹介

「トップダウン」と「ボトムアップ」の違いとメリット・デメリットについて紹介

「あの会社はトップダウンだ」とか「これからの時代はボトムアップが重要だ」といった言葉を聞いたことがあるでしょうか。
トップダウンとボトムアップは、どちらも、企業などの組織を良くしていくため、将来どのような方針を採っていくかを決定していく方法のことです。
ただし、方針決定のあり方としては、お互いに反対の概念であり、対照的な言葉といえます。
今回は、トップダウンとボトムアップのそれぞれの意味や違い、メリット・デメリットについて紹介します。

トップダウンの意味

トップダウンとは、組織の頂点(トップ)、つまり代表取締役やその周辺の役員が、組織に関する将来の方針を決定し、その方針が業務命令や指示などのかたちで、一般の従業員へと下っていく(ダウン)経営のあり方を指します。

トップダウンのメリット

1.意思決定のスピードが早い

トップダウンの最大のメリットは、組織の意思決定の早さです。
物事の移り変わりが早い世の中では、ビジネスにおいても迅速な意思決定ができる組織のほうが有利です。
ライバルに先駆けて、いち早く新商品やサービスを開発し、販売に漕ぎ着けることができれば、業界内で有利な位置を得られることも多いためです。
仮に経営方針が間違っていた場合も、すぐに修正できればダメージが少なく、経営を立て直せます。
特に、組織の規模が小さいほど、全員にトップの意思が伝わりやすく、スピード感のメリットを得られやすいといえます。

2.方針の一貫性が保たれやすい

トップダウンでは、組織の1人、または数人だけで意思決定を行います。
よって、方針のブレが少なく、組織全体を一貫した方向で動かしていくことができます。
そして、一般の社員はトップを支えながら、自分の持ち場に集中して頑張れるので、組織全体に連帯感も生まれやすくなります。

3.経営能力に長けた少数のトップさえいれば成立する

意思決定を行う経営陣が、先見性を持って明るい未来をビジョンとして掲げる能力や、大きな組織をまとめ上げるカリスマ性を持っていれば、組織全体に求心力が生まれ、大きな成長を果たすことができる可能性があります。
組織のピラミッドの頂点にいるメンバーに高い経営能力があれば、トップダウンのほうが効果的だといえるのです。

トップダウンのデメリット

一方、トップダウンには以下のデメリットがあると指摘されることが多いです。

1.視野の狭い従業員が増える

トップが決めたことを、現場で粛々と実行していく社員こそが、トップダウンの組織で重宝されます。
その代わり、各従業員の臨機応変な対応を許さない雰囲気を生み出しやすいです。
そのせいで、トップが決めなければ何もできず、何か問題が起きるたびに上司にお伺いを立てる「指示待ち」の者が多くなるおそれがあります。
組織の意思決定は早いかもしれませんが、現場の末端では知らず知らずのうちに、動きが遅く非効率な仕事が蔓延しているリスクを抱えます。

2.不満を抱える従業員が増える

トップダウンの組織では、能力が高く才能がある現場の社員ほど、不満を抱えやすくなります。
なぜなら、トップの意思決定こそが絶対的で、ひとりひとりの社員のアイデアや意見を無視・軽視する傾向があるためです。
社員の不満が最高潮に達すると組織を辞めてしまいます。
優秀な人材の流出は、長い目で見ると組織にダメージを与えかねません。

3.現場が抱えるリアルな課題が、経営に反映されにくい

トップダウンの体制が強まった組織では、顧客からのクレームや要望、現場で発生した小さなトラブルなど、一見すると些細に思える問題が、トップに知られないままで物事が進んでいくおそれがあります。
しかし「千丈の堤も、蟻の一穴より崩れる」ということわざがある通り、組織の奥底に埋もれた些細に見える問題こそ、組織全体の運命を決するほどの重大事である可能性もあるのです。

ボトムアップの意味

ボトムアップとは、組織の底部(ボトム)、つまり現場社員からの意見や提案を吸い上げて(アップ)、それらを判断材料として経営陣が組織全体の方針を決定していく経営のあり方を指します。

ボトムアップのメリット

ボトムアップのメリットを、3つ挙げます。
トップダウンのデメリットと対応しています。

1.仕事に意欲があり、自ら考えて行動する従業員が増える

組織のそれぞれの持ち場で働く従業員も、トップが自分たちの要望やアイデアを聞き入れてくれることがわかれば、組織の中で自分の居場所があると感じられるようになり、仕事に対するモチベーションも高まります。
個々の従業員がやる気を持って行動すれば、組織全体も活性化されていき、現場の雰囲気も良くなりやすいです。
従業員同士の横の繋がりも強まっていくでしょう。

2.離職率が低下する

優秀な従業員が会社を離れていくときは、自分のアイデアや提案が会社に受け入れられず、不満やもどかしさを抱えている場合が多いです。
それで、自分のアイデアを受け入れてくれる場を求めて転職したり、起業にチャレンジしたりするのです。
しかし、ボトムアップで現場の意見を聞き入れる姿勢を明確にしていれば、優秀な社員の離職を食い止めることができて、ひいては組織全体のパフォーマンス向上が期待できます。

3.現場の課題が、組織全体の課題として共有される

ボトムアップの組織においては、現場で起きている問題や顧客からのクレームが、トップの経営陣にとっても重要な判断材料となります。
小さな問題点の中に、会社の存立を脅かすほどの重大事が隠れていたり、新人の従業員が持っているアイデアが、会社の売上に大きく貢献することも珍しくありません。
ボトムアップが進むと、ひとりひとりの従業員が生き生きと働けるようになるでしょう。

ボトムアップのデメリット

一方で、ボトムダウンには次のようなデメリットもあります。
ここでも、前述したトップダウンのメリットと対応しています。

1.組織の意思決定が遅くなりやすい

各従業員の意見や要望を吸い上げて、上層部が経営方針の資料として取りまとめるのには時間がかかります。
現場の意見に対して、真剣に耳を傾けようとすればするほど、組織の意思決定が遅れがちになります。
そうしているうちに、ライバル企業に出し抜かれて市場シェアを奪われ、経営がピンチに陥るリスクもあります。

2.経営方針に問題が生じるおそれがある

たとえば、ある従業員が「効率化のために会議を減らしてほしい」と要望する一方で、別の従業員が「緊密にコミュニケーションを取りたいので会議を増やしてほしい」と反対の要望をする場合がありえます。
声の大きな一部の従業員の要望は目立ちますが、他の大多数の従業員は反対の意見を持っているかもしれません。
そうした多種多様な意見に振り回されれば、経営陣が意思決定をコロコロと変えるおそれがあります。
そうした「朝令暮改」の経営方針がうまくいく場合もありますが、組織としての求心力や一体感は衰えやすくなります。
また、現場のいろんな意見をまとめようとするうちに、結局何も決まらず、まるで妥協案のような平凡な経営方針へと小さく収まることも多いです。

3.視野の広い社員がいなければ成り立たない

ボトムアップの組織では、常に現場で考え続けて、自律的に判断できる優秀な人材が必要です。
たとえ、経営陣の実務的なスキルが劣っていても、現場の優秀な人材を意欲的に動かす能力や人望さえあれば、彼らがトップを支えようとして働くので、ボトムアップは生き生きと機能します。
その一方、自分の利害を最優先にし、プライベートで遊ぶことで頭がいっぱいで、仕事では不満を垂れるばかりの従業員が多数派であれば、ボトムアップ経営は難しくなります。

トップダウンとボトムアップ、結局どちらが望ましいのか

上述の通り、トップダウン経営とボトムアップ経営には、それぞれでメリットとデメリットがあります。
そのため、どちらか片方だけが素晴らしいわけではありません。
たとえば、多数の店舗をチェーン展開していく方針は、典型的なトップダウン経営です。
画一的なマニュアルに沿って、一律の安定したサービスを全国各地で大規模に提供するには、トップダウンのほうが適しています。

その一方、様々な業界へマルチに進出している会社や、専門的なスキルを身につけた現場従業員を多く抱える会社では、ボトムアップのほうが機能しやすいです。
そして、トップダウン経営とボトムアップ経営、いずれを採用するにしても、もう片方の良い要素をできるだけ採り入れていく姿勢こそが重要です。

経営陣がトップダウンを行うときも、可能な限り、現場の意見を吸い上げるよう努力すれば、トップダウン経営のデメリットは解消されます。
一方で、ボトムアップ経営を進めるときも、部分的に経営陣が即断即決する場面を採り入れれば、組織の意思決定が遅いためにライバル企業に出し抜かれるリスクを減らすことができます。

↓組織全体の底上げについて解説した記事はこちら↓
2:6:2の法則とは?組織作りにおいて知っておくべきことを紹介

従業員が定着・活躍できる組織を作ろう

今回は、トップダウンとボトムアップのそれぞれの意味や違い、メリット・デメリットなどについて紹介しました。
従業員が定着・活躍できる組織を作るために、自社の従業員の特徴や強みをしっかりと把握し、それぞれがやりがいを持って仕事を行えるよう、人員配置や教育、社内制度を通じた支援を行いましょう。

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