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ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の役割と事例、作り方を紹介

「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の役割と創り方

組織を成長させる礎となる「経営理念」は、「ミッション」「ビジョン」「バリュー」(3つを略して「MVV」と呼びます)の要素で構成されています。
多くの企業においてMVVは、組織の方向性を示し、チームが空中分解しないようまとめるための役割も果たしています。
今回は、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の意味や役割、策定の際のポイントなどについて紹介します。

もくじ

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)とは?

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)とは、「Mission(ミッション)」、「Vision(ビジョン)」、「Value(バリュー)」のことで、企業が存在する理由や経営方針、従業員に求める行動の指針などについてまとめたものです。
「マネジメント」の著者として有名なユダヤ系ドイツ人の経営学者のピーター F. ドラッカーは、2003年に出版された著書「Managing in the Next Society(ネクスト・ソサエティ)」の中で企業経営におけるミッション・ビジョン・バリューの必要性を唱えています。

ミッション、ビジョン、バリュー(MVV)は、企業の存在意義や社会的なポジション、そして方向づけのもととなるもので、今後多くの企業において課題となってくるであろう「存在の正当性」を裏付けるものとして大きな役割を果たすとされています。
それではそれぞれの意味と役割を細かく見てみましょう。

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の意味の違い

ミッションとは?

ミッションは、使命、目的という意味です。
「なぜ、その会社が存在するのか?」「どのような世界を目指しているのか?」の答えこそがミッションです。

ドラッカーは、1990年出版の「Managing the Non-profit Organization: Practices and Principles(非営利組織の経営)の中で組織のリーダーが最初におこなう仕事のひとつは、自らの組織のミッションを考え抜き、定義することとしています。
この組織のミッションさえ正確に理解できれば、自らが貢献すべきものを見つけ出し、具体的な目標を設定し仕事に取り組める状態になる、そんな目指すべき目標のことです。

↓ミッションを基点とした経営・組織運営の方法や内容について紹介した記事はこちら↓
ミッションドリブンとは?使い方や企業での取り組み内容・事例を紹介

ビジョンとは?

ビジョンは将来のありたい姿(自分たちの未来像)のことです。
ミッションを実現するために、段階的にどう追及していけばいいのかを考えれば、ビジョンが見えてきます。つまり未来永劫に目指す目標を指すものではなく、中長期的な目標を指すものです。
リーダーが「こうありたい」という姿、自社が目指すイメージをわかりやすく組織の人間に伝えることができれば、組織の人間は実現に向けて巻き込まれていきます。リーダーの求心力ともいえるでしょう。

ドラッカーは、著書「プロフェッショナルの条件」の中で「いつまでも諦めずに、目標とビジョンをもって自分の道を歩き続けよう。失敗し続けるに違いなくとも、完全を求めていこうと決心した」とビジョンの重要性を知るきっかけになったと記しています。

↓ミッション・ビジョンについて解説した記事はこちら↓
ミッション・ビジョンとは?策定すべき時期や策定の際のポイントを紹介

バリューとは?

バリューとは価値基準、行動指針のことです。
組織内の規則などのルールを決めるうえでも重要な柱となります。
組織や企業に所属するメンバーにとっては具体的な価値観、行動基準が明確化されることで、迷うことなく将来(ビジョン)に向かうことができ、さらにミッションの実現につながります。
またメンバーが「自社の価値基準をもと行動する」ことなるので、企業が与えたい価値を顧客に提供していくことできます。

↓企業理念・経営理念・ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の意味の違いを解説した記事はこちら↓
企業理念とビジョンの違いとは?MVVを定める際の重要な3つのポイントを紹介

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)が会社に必要な理由

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)が企業に必要な理由を4つ紹介します。

1.会社の存在理由、目的について共通理解を持つため

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の中のミッションは、会社が存在する目的や理由についてまとめたものです。
会社を創業した当時の想いから、今でも大事にしている価値観であり重要な意義です。
会社の根幹の部分であるため、従業員全員で認識を統一することで、自社独自の組織風土の礎になります。

2.会社としての判断基準を統一するため

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)は、会社の方向性から具体的な行動レベルに至るまで、細かく規定されています。
会社の価値観や考えを元に作られているため、仕事における様々な活動や判断に悩んだ際は、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)と照らし合わせることで、大きなズレを生むことがありません。

3.会社と従業員の方向性を統一するため

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)について正しく理解できていれば、会社が進んでいく方向性が分かり、従業員にどのような行動を求めているかも分かるため、会社と従業員で進む方向性を統一できます。

4.採用においてミスマッチを軽減するため

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)への共感度次第で、自社と合うかどうかの判断基準の1つになります。
ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)に共感できない場合は、会社のあらゆる決定事項や他の従業員との考え方も合わない可能性が高く、離職に繋がってしまいますので、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)があることによってミスマッチを軽減することができます。

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を決める、作る時期について

ミッション・ビジョンについては起業後に決めることも可能ですが、最初から目指すべき方向性が明確になっていれば、問題が起きても改善しやすいという利点があるので、出来れば起業時に決めておくと良いでしょう。
特にスタートアップでは事業戦略や経営の方針を短期的に見直すことも多いので、譲れない方向性を持っていることは重要です。
バリューを決めるタイミングは社員全員の行動指針となるものです。そのため、社員がある程度揃ってからがおすすめです。

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を策定する際の流れ

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を策定する際の具体的な流れについて紹介します。

1.創業時の想いや歴史、事業内容、事業で解決したい課題、理想などを整理

経営者や経営メンバー、場合によっては従業員も巻き込んで、これまでの歴史とこれからの想いについて整理をします。

2.市場環境や外部環境を分析

自分たちの情報や市場全体、競合を取り巻く環境、さらに広く政治や経済、社会、技術など多角的な視点で分析を行います。
自社の強みや弱み、今後の期待や脅威などについて整理し、現在自社はどのようなポジションを取っているのか、今後どのようなポジションを取っていきたいのかをまとめます。

3.ミッション、ビジョン、バリューの順番に策定

1,2の情報を元に、ミッション、ビジョン、バリューの順番でMVVを策定します。

ミッション:会社が存在する目的・意義、経営や事業で解決すること
ビジョン:いつまでにどういう状態を目指すのかの具体像
バリュー:ミッションとビジョンを実現するために従業員に求める行動規則・価値観

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)作る際に重要なこと

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を決める手段はいくつかありますが、どんな方法をとったとしても気を付けたいことは以下の3つです。

言葉の定義明確にし共有する

少しでも認識にズレがあるとぼんやりしたものが出来上がってしまい、意味のないディスカッションになってしまいます。

否定・批判をしない

建設的なディスカッションに批評は必要ありません。
アウトプットされたアイデアから、さらにディスカッションを重ねて重要な価値観を見つけましょう。

全員が参加し意見を出し合う

様々な立場・観点から意見を出し合うことが大切です。
その際「絶対に譲れない価値観」があれば必ず主張するようにしましょう。

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を社内に浸透させる方法とポイント

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を社内に浸透させる方法とそのポイントを紹介します。

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の意味や思いを従業員に説明する

ミッション・ビジョン・バリューを浸透させるためには、まずミッション・ビジョン・バリューを策定した意味や思いについて正しく発信し、理解してもらう必要があります。
ミッション・ビジョン・バリューを言葉で覚えてもらうだけでは、従業員の意識や行動はなかなか変えられません。
全社集会などの場で従業員からの質問に答えながら正しく意味や思いを伝えましょう。

↓理念浸透にツールを活用するメリットや効果を紹介した記事はこちら↓
理念浸透にツールを活用するメリットや効果、オススメのサービスを紹介

社内ポータルやWeb社内報に掲載する

ミッション・ビジョン・バリューを社員に浸透させるためには、ミッション・ビジョン・バリューに触れる回数を増やすことも必要です。
社内ポータルやWeb社内報であれば、定期的に目を通す機会があり、掲載や編集も自由に行えるので、施策も実施しやすいです。
無意識にでも目に入るような仕組みの1つとして有効です。

↓社内報の目的や効果について紹介した記事はこちら↓
社内報を発行している企業の目的や効果とは?成功企業の事例を紹介

人事評価に組み込む

従業員の言動に至るまで浸透させるためには、人事評価に組み込むことが非常に効果的です。
バリューの体現度合いを人事評価に組み込むことで、従業員のバリューに紐づく行動が増え、より会社として進めていきたい方向性に進めます。

↓人事評価の目的や方法について紹介した記事はこちら↓
人事評価とは?目的や評価方法、注意点を紹介

クレドカードなどを携帯する

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を小さいカードに記載し、ネックストラップで首から下げることも定期的にミッション・ビジョン・バリューを見返してもらうことに有効です。
顧客との打ち合わせで、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)について質問をされたり、ふとした時にカードを見返して、ミッション・ビジョン・バリューについて確認するような機会も増えます。

↓クレドカードの効果や活用方法について紹介した記事はこちら↓
クレドカードは効果ある?クレドの意味や組織に浸透させる方法を紹介

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の企業事例

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の企業事例について紹介します。

三井物産株式会社のミッション・ビジョン・バリュー事例

(ミッション)
世界中の未来をつくる
大切な地球と人びとの、豊かで夢あふれる明日を実現します。

(ビジョン)
世界中の未来をつくる
一人ひとりの「挑戦と創造」で事業を生み育て、社会課題を解決し、成長を続ける企業グループ。

(バリュー)
変革を行動で
多様性を力に
個から成長を
真摯に誠実に

DeNAのミッション・ビジョン・バリュー事例

(ミッション)
世界に喜びと驚きを

(ビジョン)
インターネットやAIを活用し、永久ベンチャーとして、世の中にデライトを届ける

(バリュー)
「こと」に向かう
全力コミット
2ランクアップ
透明性
発言責任

スターバックスコーヒージャパンのミッション・ビジョン・バリュー事例

(ミッション)
人々の心を豊かで活力あるものにするために—
ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから

(バリュー)

お互いに心から認め合い、誰もが自分の居場所と感じられるような文化をつくります。
勇気をもって行動し、現状に満足せず、新しい方法を追い求めます。スターバックスと私たちの成長のために。
誠実に向き合い、威厳と尊敬をもって心を通わせる、その瞬間を大切にします。
一人ひとりが全力を尽くし、最後まで結果に責任を持ちます。
私たちは、人間らしさを大切にしながら、成長し続けます。

ソフトバンクグループのミッション・ビジョン・バリュー事例

(ミッション)
情報革命で人々を幸せに

(ビジョン)
「世界の人々から最も必要とされる企業グループ」を目指して

(バリュー)
No.1
挑戦
逆算
スピード
執念

串カツ田中ホールディングスミッション・ビジョン・バリュー事例

(ミッション)
世界中を串カツ田中ホールディングスのファンに!!

(ビジョン)
会社のミッションに共感している社員が、世界一目を輝かせて働ける会社をつくる

(バリュー)
すべては1本の串カツから始まる
・ONE TEAM
・勇1.5歩先
・高い視座・広い視野
・More・More集団
・Mote・Mote集団

THANKS GIFTを活用してミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を社内浸透させた事例

THANKS GIFT導入企業でミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を浸透させた事例を紹介します。

株式会社シムックスの活用事例

株式会社シムックスでは、従業員によって勤務時間や曜日、勤務場所が異なるので、対面のコミュニケーションが取りにくい中、サンクスカードのやりとりに会社のミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を元に作成した社内コインを付与することで、社内コミュニケーションの活性化とミッションの浸透を同時に実現しています。
また、社内掲示板機能を活用することによって、リアルタイムに会社の情報を一斉に共有することにも活用しています。

↓株式会社シムックスの導入事例ページはこちら↓
THANKS GIFTでタイムリーに情報を共有。企業理念やビジョンが浸透した組織を作りたい

おすすめのMVV社内浸透促進ツール「THANKS GIFT」

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ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)は山登りに例えると、目指すべき目標に向かって(ミッション)、適切な装備や手段で(バリュー)、その時に最適なルートを登る(ビジョン)ということです。
頂上からの良い景色をみんなで見られるように、みんなが納得しているものを作りましょう。

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